争いの始まり
ズドン!という音が鳴り響き、高いところに置いてあったものがバタバタと落ちてきた。
「敵か・・・」
見鏡が本を閉じローブを身に着け外へ出た。
すると、街の空中に浮かぶ真っ黒な鎧に身を包んだ人間と真っ赤な鎧に身を包んだ人間が立っていた。
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「あらら、例のステラを追いかけて来たのに厄介なことになってるわネ」
髪を伸ばし放題に伸ばし、右目を髪で隠してる女性が面倒そうに立っていた。
「本当やな、なんや面倒なことになってるやないか」
隣にいるいかにも不良そうな男が訛りのある口調で女性に賛同した。
「ま、どうやらステラたちより大金の懸かってる人間が街に攻撃してるみたいだしステラに協力するのも楽しいかもネン」
「そう簡単にいくかいの?」
「どうだろうねぇ」
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「途中商人一行に会えたから大分道を短縮できたな・・・」
レヴィアは地図を見ながら歩いていた。
先程、と言っても国を出てすぐのときだったのだが、馬を率いての商人一行に会えたのだ。
しかも良いことにどうやら行き先が同じ方向だったので馬車に乗せてもらったのだ。
「おかげで一日弱短縮できたな・・・」
時勢が時勢なためにできる限り急ぎたいものだ。
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黒い鎧に身を包んだ男が街へところかまわずに魔力で作った砲撃を撃っていた。
「オイ、この国には俺の家があるんだ。悪いがそろそろご退場願いたいんだが?」
見鏡が鎧の男の後ろに立ち面倒臭そうに腰に手を当て立っていた。
「アアン?」
鎧の男が見鏡に気付き、邪魔そうに見鏡へと向き直った。
「なんだぁ?オマエ」
「ステラっていうギルドの一応の一番トップやってる人間だ。」
「ステラだぁ?なんだそれ聞いたことねぇな。」
「俺は別にお前に知ってるかどうかを聞いたんじゃない、大人しくここを出て行くか、それとも俺と戦うか。二つに一つだ。」
見鏡が言うと、男はキヘヘヘヘと下品な笑い声を上げ愉快そうに笑った。
「いいねぇ、どうも力を振るうだけじゃつまらないと思っていたところだぁ丁度良い、堕ちた神の力とやらをみせてやるよぉ!」
そう言って空を蹴って見鏡へと飛び掛かった。
「面倒くせぇなぁ・・・」
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地図を片手に歩いていると、前方からズドン!という音が鳴り響いた。
「なっ・・・・」
今のは自然に起こったような音ではなかった。
恐らく人為的な何か、魔力というものだろう。
「急がねば・・・っ」
そう言って街へと駆け出した。
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キィィィィィィィィィンという耳をつんざくような甲高い音が辺り一帯を埋め尽くしていた。
「な、なんやこの音・・・っ」
「うるさい音ねぇ」
「ふふふふふっ君たちのような下賤な人間にはこの音の華麗さは分からない様だね。」
訛りのある男が女性の隣で悶えていると、茂みの中から赤い鎧を纏った男が出現した。
「あらあら、茂みの中からご登場なんて可愛いところあるのねン、さしずめ私の魅力に魅かれていても立ってもいなくなったのかしら?」
女性が妖艶な笑みを浮かべて男に言葉を投げかけるが男は全く動じず答えた。
「フン、貴様のような品性の欠片もないような人間に私が魅力を感じるとでも?」
男が女性の体を頭からつま先まで舐めるように眺める。
確かに女性は太ももの上までのジーンズとすこしダボダボしたパーカーを羽織っていて上品とはいえる格好ではなかった。
「私はお堅い男の子っていうのは嫌いじゃないわよ♪」
鎧を着た男のあらかさまな挑発にも乗らず平然としていた。
「あ、あかん・・・これはキツイ・・・っ」
「うるさいわネ、もうちょっと何とかならないの?」
「そうはいってもなっこれでも精一杯なんじゃ・・・っ」
「そう、なら黙ってなさい。」
そういって首の後ろにけりを入れ、男を気絶させた。
「さぁ、うるさいのも居なくなったし、そろそろ始めましょうか?」
「あぁ、そうしよう。」
ここでも新たな戦いが始まった
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「どういうことだ・・・?」
ラファエルの疑問の言葉に、近くのソファに寝そべっていた男が興味無さげに聞き返した
「どうした?ラファエル」
「い、いや、例の連中の居るところに大規模な戦闘が起きた。」
そのラファエルの言葉に興味を示したのか、男がムクリと上体を起こした。
「で、どうなってるんだ?」
「かなりでかい力を持ったのが何人か、恐らく全員が神柱・・・いや、四大天使を宿した俺たち並かそれ以上の実力の持ち主だ」
ラファエルが信じられないといった表情でその事実を告げると、男はアハハハハと愉快そうに声を上げてわらった。
「そいつぁいいな、やっと楽しみが出来て来たってもんだ・・・」
男はこれから起きる大規模な争いを予想してさも愉しそうに顔を歪めた。
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ドン!という爆音と共にとてつもない振動が城を振るわせた。
騎士団長のランドラが慌てて兵士に状況を聞くと兵士はこう答えた。
「城の半分が何者かの手によって吹き飛ばされました・・・!」
「なに・・・・?」
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「消え失せろぉぉぉぉ!」
何時出現させたのか分からない、黒いサーフボードのようなものに乗り突進してくる。
右手から放出する炎でバーニア代わりにしているのか、加速がかなり速かった。
が。
それを危なげも無く見鏡は横に避けかわした。
確かに速さはあるが直線的過ぎる。
右手の炎がバーニアの代わりをしているのならまた話は別、だが。
「へぇ、この攻撃をかわしたのはお前が初めてだぜ?光栄に思えよ?俺の本気で相手してやるんだからよぉぉぉぉぉぉ!!」
右手を背中に回したと思うと、いつの間にかその手には細長い諸刃の刃が両側に付いた物を持っていた。
もち手の部分は拳一つ分程度だろうか、しかし刃の部分はどちらも1mずつはあるだろうかという長さだった。
恐らく地面で戦うことは想定されていないのだろう。
「おらぁ!」
ボードを動かし槍を投げたときの反動に備え、そして投げた。
ヴン という空気が裂ける音とともに、見鏡の背後の空間が弾けとんだ
(これはまた面倒な・・・っ)
流石に傍観は無理と判断したのか、ディールークルムを引き抜いた。
そして槍が戻らないうちの終わらせるという勢いで男へ突っ込んだ。
剣に電撃を纏わせ横へ薙ぎ払うと、そこから扇状に電撃の刃が飛んだ。
それをボードを使い上昇する事でギリギリかわした男は更に上に舞い上がり、槍を手元に引き寄せ天空から地面へと一直線に炎を纏わせ投げた。
「断罪のぉ!槍!」
槍は炎を纏い、元の大きさから三倍もの大きさに膨れ上がり見鏡を襲った。
見鏡の居るところでドォン!というすさまじい轟音が鳴り響き爆発したあとも、下の地面へむかい一直線に飛んでいった
「流石に死んだか?」
これで終わりか、という風につまらなそうに下を見るがそこには見鏡の死体は無かった。
死体ではなく、生きていた。
「次はこっちの番か。」
どうやってかわしたのかは分からないがこれは楽しい事になった。
久し振りの強い敵だ。楽しまなければ意味が無い。
「ハッハッハァ!来いよ!相手してやるよ!殺してやるよぉ!」
鎧で顔は見れないがおそらくとてつもなく愉快そうな顔をしているのだろう。
見鏡は空を蹴り男へと肉薄した。
剣を振られると思っていた男は剣が来るであろう予測線にあわせ槍を構えるが剣は来ず、見鏡は手のひらに電気を纏わせ腹部へ突き出した。
ドン!という電気ショックと共に吹き飛ぶ男を追撃するように、男の上にたちディールークルムに炎を纏わせ振り下ろし男にぶつかったところで爆発させた。
「くそがぁぁぁぁあ!」
このままでは地面に叩きつけられると判断した男は、槍を横薙ぎに払い見鏡を退かし再びボードに乗り、追撃として槍を投げた。
しかし今度は先程のように安定して投げられなかったために威力は下がった上に属性も付いていなかった。
それをやすやすとかわし、槍の衝撃波を利用して男へ近づくと今度はディールーに雷撃をこめて思い切り振り切った。
先程の槍の爆発とは比べ物にならない爆音が鳴り響いた。
そしてもうもうとたちこめる煙のなかから鎧を着た男が地面へと落ちていく。
「終わりか・・・」
ズドン という音と共に地面へ落ちた男を見届けると、帰るべく踵を返すが、足元から鳴り響く轟音に足を止められた。
「んなっ・・・」
見鏡はその様をみて思わず息を呑んだ。
「ふざけやがってぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!くそがきがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そこに居たのは先程の鎧とは打って変わった、機械染みたものに身を包んだ人間だった。
いや、人間と表現していいものなのだろうか。
全体的に丸みを帯びていた鎧とは変わりゴツゴツとした鎧になっていた。
加え特に変わっているのは背中と手の部分。
背中には大きめな角のようなものが生え、そこからはうねうねと蠢く触手とその先には刃が付いていた。
三角錐の二辺から生えていると言おうか、上から見れば△の右側の辺と左側の辺から触手が生えている様な感じだ。
そして手の部分。
スリムな篭手と手とは打って変わって左手には手首の部分から今で言う2Lペットボトル大の円錐のものが取り付けられ、さらに手の部分は大きな爪が出来ていた。
おそらく左手でも敵を攻撃できるようにということなのだろう。
そして右手からは赤い炎が、そして左手からは蒼い炎が噴出している
そしてよく見ればボードにも変化が見られた。
今まではただの黒い一枚板だったのだが、尾翼がXの形に取り付けられている。
そしてどうやら先程までの傷は全て回復したようだ。
「おいおい・・・まじかよ・・・・」
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