表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談集「暗中」  作者: にとろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/22

押しつけられる

 ある日のこと、私のところに通話がかかってきた。と言っても電話番号からではなく、SNSに公開していた宛先の法に来たモノだ。何か話が聞けるかもしれないと思い通話に出たのだが、向こう側ではなんだか慌てた人間の声が聞こえてくる。


 一応こちらに向けて喋っているようなのだが、一切内容を聞き取れない。何かを話目ている用なので落ち着いてもらうことにした。


「すいません、時間はありますから落ち着いてもらえますか?」


 私の言葉を聞いた途端に相手は急に落ち着いて、ニコニコ顔で話を始めた。


「ああ、どうもすみません。私が話を聞いてもらいたくて焦ってしまいました」


 そう言ってから彼は落ち着き払って話を始めた。明らかな捨て垢とニックネームで名乗る気はないようだった。


 実はですねえ、呪いというモノがありまして……本当に恥ずかしいモノなんですがね、私はずっと昔にいじめをしていたんですよ。いやいや、そんな生きるか死ぬかなんていう大げさなモノじゃないですよ、ちょっと手があたったりとか、足が引っかかったりとかね、ま、向こうも不注意だったんでしょう。


 そのニヤけ声は気持ちの悪いものだったがそのまま話を促した。


 クラスに鈍いやつがいましてねえ、ちょっとしたことでも向きになって向かってくるんですよ。笑えるんですよね、こっちは大したことはしてないのに向こうは本気になってかかってくる、笑ってくれと言っているようなものですよ。


 そんなちょっとしたイタズラをしていたんですがね、アイツも中学に入ると学校に来なくなりましてね、担任は学校に来させようとしていましたねえ、来たらとても楽しかったでしょうが残念ながらアイツは来ませんでしたねえ。


 ま、そんなどこの学校でもよくあるすれ違いがあったんですよ。そんなことは久しく忘れていましてねえ、アイツのその後なんて興味もなかったですからねえ。


 ですがねえ、あの時アイツをからかっていた連中に交通事故に遭ったヤツがいましてね、いやいや、死んではいませんよ。俺らが駆けつけたら言うんですよ、「アイツが歩いてたってね」それから話を聞いたところによると、ソイツは何の変哲もない横断歩道で何かから逃げるように飛び出したそうなんですよ。


 まあ気にしませんよ、アイツはそんな力のあるヤツじゃないですから。でもねえ、アイツは学校時代の仲間の間に次々と出てきましてね……死人は出ないんですがねえ、全員アイツを見たって言うんですよ。そんな馬鹿げたことがあるかと思ってましたがね。


 なんだか怪しい雲行きになってきた話を私はそのまま話を聞き続けた。


 結局アイツはあの時からかっていた連中全員の前に出てきましてねえ……いや、全員じゃないな、俺以外のヤツですよ。まあこの前俺の所にも出てきたんですがね。夢の中でアイツが立っていて『これから言うある言葉を誰かに伝えないと危険が降りかかると言うんですよ』くだらないですよね。


 私は何も言えず黙っていると、向こうはなんだか愉快そうにクククと笑った。


 ま、そんなわけでお伝えしましたから、じゃ、アイツの相手はお願いしますね。


 そう言われて通話が切れた。おそらく始めに気が動転したように何度も叫んでいた言葉は……そして私が喋った途端に安心したのは……と思ったのだが、生憎私には何も起きなかった。


 ただ、あの捨て垢を気がかりだったので連絡先に登録して置いたのだが、数日後にはオフラインになって以来復旧していない。私が思うに、実は呪いのようなものから逃げる方法など始めからなかったのに嘘を教えられたのではないかと危惧している。ただ、向こうから連絡は一向に無いので関わろうとは思わない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ