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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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ネトゲと実家の関係

 ある時のこと、現代的なことになるが、チャットアプリを登録していて、ゲームのサーバーに入っていた。そんな時に、チームを組んでゲームをしていると、リーダーが突然『俺、呪われてるかも』とボイスチャットを飛ばしてきた。


 私は『呪いのデバフは入ってないでしょ』と返したんですが、ソレから淡々とボス戦が終わったあと、彼からの相談が始まった。


「いや、俺も田舎が嫌で東京に出てきたんだけどさあ、確かにネット回線は早くなったんだが、実家の様子がおかしいんだよな」


 突然そんなことを言いだした。なんでも、実家を出る時に期限付きで許可を得て、期限までにお金を稼いで保証人不要の物件に引っ越したそうだ。スマホは電話番号が変わるといろいろと面倒くさすぎるため、親から帰ってこいの言葉がかかってくるのを受け入れて、同じ番号を使い続けているのだという。


「でさあ、なんか最近おかしいんだよな。なんか仏さんが怒って仏壇が揺れ始めただとか、先祖が怒って墓が倒れたなんて言うんだぜ? そりゃ俺は家を出たけどそんなにうるさく言われてもなあ……早いとこ電話番号が変わるのをまわりに教えとけばこんな使い続ける必要も無かったんだがなあ」


 リーダーが社会人で、多少ではあるが責任ある立場にいるのは教えられていたので、社会人になっていろいろしがらみができたのだろう。


「最近じゃあさあ、『お前がいないとこの家がダメになる、帰ってこい』って言うんだよ。でさあ……おれ嫌なことを思い出しちゃってさ」


 ソレから一息置いてからその理由を語る。


「実家ってさ、俺の伯父さんが早めに逝っちまってなあ、親父と泣きながら葬儀に出たのを覚えてるよ。たださ、爺さんも婆さんもそこまで泣いてないんだよ。俺からすれば伯父だけど、あの二人からすれば息子だぜ? そんなしれっとしていられるのかね?」


 彼の話はさらに続いた。


「でさあ、家のことなんだけど、一時シロアリが出てたんだよな。結構基礎がヤバかったらしいんだよ。でもさ、いつの間にか虫食いになってた基礎がしっかり穴が消えた木になっててさ、木材を変えたわけでもないのに基礎はどうにも変わんないし、シロアリだって見なくなったんだよ」


 他のメンバーは彼の話を聞くしかなかったし、私的な事情を話さないリーダーがその事を話すのに興味を持った。


「実はさ、爺さんも次男なんだよな。だから俺の血縁には爺さんの兄がいるはずなんだけどさあ、その人のことは絶対に教えてくれないんだよ。悪い人じゃなかった程度の事は言うが、どんな生活をしてたとかどうして亡くなったのかなんてことは絶対に言わないんだよなあ……でさあ、俺って長男なんだよな……みんなさ、帰るべきだと思うか? 俺はあの不便な場所へ帰りたかないんだが、最近は親父も爺さんも泣き落としのような手紙を送ってきてさ、感情に訴えてくるんだよ」


 私たちは、せっかくこのメンバーでギルドを組んだんだからリーダーがいなくなるのは寂しいな位の引き留めしか出来なかった。私はそのゲームを今プレイしていないが、あのリーダーのアカウントはまだあるようなので、どこかで健康に暮らしていることを祈っている。

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