4.「君がこれから生きていく新しき世界の案内人さ」
本日は、第5話まで更新します。次話も見てほしいです!
「あれ? ……うん!? なんだ……ここは……?」
次に目を開けたときに見た景色。
それは、先ほど見た世界を閉ざすような暗闇とは真逆に全てが真っ白な世界だった。
黒から白。暗から明。闇から光と急な視界の変化に一瞬眩しいという感覚もした気がしたが、それは勘違いだった。
暗闇すら一切ないその白き世界は、不思議と視界に優しく、どこか温かい雰囲気を感じさせた。
俺は状況が把握できず、しばらく茫然としていた。時間に立つにつれ変なおっさんに刺されまくって殺されたことを思い出してきた。服装は外出したときの私服のままだったが、刺された箇所の傷口は一切残っていなかった。
「えっあれ夢だった? この全て真っ白な世界もそうだけど、俺は今まで夢見ていたのか!?」
「でもなぁ。刺されたあの痛みはやけにリアリティが、あったよなぁ……」
腑に落ちず、腕組みしながらその場で考え込んでいた。
すると。
「はは。君もそう思うか。ここに来る大抵の人は、現実だと思えず、夢を見ていると勘違いするんだよね。……まあ、そんな感想を抱くのは仕方ないけどね」
「ええっ!? 誰かいたのですか? なんか恥ずかしいな。もっと早くに声を掛けてくれればいいのに――」
どこからか急に声が聞こえ、一人だと勘違いして独り言ブツブツ言っていた自分が恥ずかしくなってきた。
ところが、あたりを見回しても声を発する人の姿は見当たらない。しかし、その声は引き続き俺に語りかけてくるのだ。
「声を掛けるのが遅くなりすまない――僕のことは、案内人だと思ってくれればいい」
「君がこれから生きていく新しき世界の案内人さ」
「案内人? いきなりどういうことですか? ……と言ってもこれが夢だとしたら、この会話もどうせ無意味だと思いますが」
相変わらず姿が見えない謎の声の主。しかし、透明人間と話をしているという感覚ではなく、うまく表現できないが、この何もない白き世界そのものから語りかけてくる。そんな不思議な感覚だった。
「まず結論から話そう。君は夢を見ているのではない。君が刺されて息を絶えたことは……現実に起こったことだ」
「そして幸か不幸か、君はこれから新しき世界で生きていくことになる。そこでは魔術とそれを扱うため、個々が宿す魔力のスキルタイプ。これらが生きる上で重要となる」
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よろしければ、そちらも見て貰えると幸いです。
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