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異世界に転生した俺はインチキ教祖としてハッピーライフを目指す  作者: 朝月夜
第2章ザスジータウン編

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10.「三人仲良くチューする。これこそが真の三位一体だ!!!」

 タウンの中央部に豪華な城がそびえ立っていた。ここが、タウンの長ザスジーが住む城だ。ザスジーと十一使徒だけが中に入ることを許される。


 そして城の中の寝室にザスジーはいた。大人三人は寝ることができるほど大きなベッドに腰を掛けていた。


「そろそろあの二人が来る頃か……」


 ザスジーは誰かを待っているようだ。ザスジーは、バスローブの姿で葉巻を吸ってある二人を待っていた。


 そして、ザスジーがいる寝室にコンコンとノックの音が聞こえた。


「来たか! 入りたまえ!」


 ザスジーが興奮気味に応じる。


「「失礼します。マスター」」


 ザスジーと同じくバスローブ姿の人間の男女が扉を開けて部屋に入ってきた。ザスジーは葉巻を灰皿に置いて、腕を大きく広げて二人に向かって歩く。


 葉巻の火は消えていないが、紙巻きタバコと異なり、燃焼促進剤を含まないため、放っておいても消火される。


「待ちくたびれたではないか! ネッシンア! マッテヤ!」


 ザスジーがそう言うと、大きく広げた腕で二人にハグする。


 ハグされている人間の女性の名はネッシンア・ベロスケル。ヴェダにタウンの外に出るように命令した人物だ。より正確には、()()()()()()()()()()()にヴェダが外に出るように命令を下したのだが……


 そして、もう一人ハグされている人間の男性の名はマッテヤ・エリュマントス。二人とも、ヴェダの裁判中に不在だった、十一使徒の残り二人である。ネッシンアとマッテヤはつい最近、十一使徒へと一緒に昇格した新参者である。


「すみません。シーカーズとの連絡に時間がかかりまして……手筈てはず通り、ジュダスというエルフは今夜狩られるでしょう」


 ネッシンアは、ザスジーにそう報告する。


「フン! よくやった。ジュダスはシーカーズ共にプレゼントしてやる。インチキ教祖はジュダスがいなくなれば、心が折れるかもしれないからな。そうなれば、彼も信徒に加えることもできるかもしれん」


「そして、いずれは君たちと同じように十一使徒のメンバーとしてこの部屋に来ることになるかもしれんなぁ」


 ザスジーは計画が上手くいくことを祈り、ニヤニヤする。


「エルフと言えば……マスター。ヴェダの件はどうしますか? 彼女がタウンに戻ってきたのは誤算ですし、このまま放っておくわけには……」


 ネッシンアはヴェダについて何らかの対応が必要ではないかとザスジーに提案する。


「ああ。ヴェダの件は一旦大丈夫だ。我輩から釘を刺しておいた。心を折ったことだし、アイツがいくら我輩に疑念があろうとも逆らうことはないだろう……ヴェダは放置でいい」


「マスター……!?」


 ネッシンアは驚いた。当初は、実質ヴェダの始末のために、シーカーズを手引きしたというのに、今度は何もしなくていいと百八十度変わる命令が下されたから。


「それに……()()()()()()()()()()()()()()()()()。アイツは我輩に疑念を持ってしまっただろうからな」


 ザスジーは、ネッシンアとマッテヤに聞こえないほど、小さな声でボソッと一言喋った。


「えっ!? マジっすか!? ヴェダちゃん殺さないっすか!? ヤッター!!」


 今度は、マッテヤが喋る。しかし、ヴェダに手出ししないことが決定すると、彼は嬉しそうにはしゃいでいた。


「個人的にヴェダちゃん気に入っているっすよ! 語尾もおいらと一緒だから。しかもヴェダちゃん可愛いし」


「コラ! マッテヤ!! マスターに向かってそんな喋り方止めなさいって何度言ったらわかるの」


「あっすみません! ついつい癖が。マスター。無礼でした」


 マッテヤは油断して、いつもの喋り方をザスジーの前でもしてしまった。叱るネッシンアだが、ザスジーはそんなマッテヤの姿を微笑ましい顔でニッコリする。


「問題ないさ。いや若者とは生意気で怖いもの知らずが丁度いい! 我輩はマッテヤのその喋り方が好きなのだ。だからどうかそのままのお前でいてくれ」


 ザスジーは、マッテヤの後頭部を優しく撫でる。


「マスター♡」


 撫でられたマッテヤはウットリとした表情になっていた。


 ヴェダには馬鹿っぽく不愉快ふゆかいののしった話し方。マッテヤが使う場合には、ザスジーは掌を返すように褒める。


「だが、ヴェダに浮気するのはいかんな。お前には、我輩とネッシンアがいるではないか」


 ザスジーはマッテヤがヴェダの容姿を褒めたことについて、ニッコリしながらも注意をする。


「い、いえ、おいらはマスターとネッシンアに一途っすよ!」


 マッテヤは顔を赤らめ、慌てて否定する。そんなマッテヤを見て可愛いペットを見るようにザスジーは微笑む。


「フフ。そうか。ならそろそろ始めようではないか」


 ザスジーがそう言うと、三人は、人の字になるように顔を向き合う。そして突然三人で口付けを始めた。


 舌を絡めあうほどの熱いキスを実行する三人。三人の顔が離れた後、唾液が糸のように繋がっていた。


「う~ん。テイスティー♡ 三人仲良くチューする。これこそが真の三位一体だ!!!」


 ザスジーは三人でキスをした感想を言う。そして、ザスジーは着ていたバスローブを床にそのままストンと落とす。


 ザスジーは、一糸まとわぬ姿となった。その背中には、リンゴに似た形の果実に、十字架の先をぶっ刺したような不思議なタトゥーが入っていた。


 ネッシンアとマッテヤもザスジーに続き、二人ともバスローブを脱ぎ、そのまま床にストンと落とす。ザスジーと同じように一糸まとわぬ姿となった。


「そして、ここから先三人で行うことも真の三位一体である♡♡♡」


 ザスジーがニヤケながら、そう言うと、サングラスを外す。そして部屋の明かりは消え、そのまま三人は、ベッドの上に倒れる。


 深夜の時間帯、ザスジーの寝室で、ザスジー流の三位一体が始まるのだった。


 今週ザスジーの出番多すぎですね……


 明日は主人公インチキ教祖視点に戻します

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