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3.「万歳……げんきょう様」

 ※本エピソード、残酷描写有り暴力描写有り注意

 お待たせしました。本日の投稿はここまでとなります!ここまでお読みいただきありがとうございました!

 1章はほぼ、完成していまして、11/2 21:00頃4話、5話投稿。11/3以降は毎日1話投稿する予定です。

毎日21:00頃投稿する予定ですので、引き続き読んでくださると幸いです。

「よし、信者をマインドコントロールするために今日も洗脳系の本でも買いに行くか!」


 と目指せカルト教祖へ道のために、俺は本屋に向けて外出する。


 普段休日は、外出することは少なく、するとしても、精々コンビニやスーパーで買いもの程度。

 そんな俺でも、今は積極的に外出しようとしている。人間とは目標ややりたいことを見つけるとちょっとでも行動したくなるもんだな~と我ながら自分の心境の変化に感心する。


 外では、仲良さそうな家族や友人同士、カップルなどが楽しそうに歩いているのが見えた。


「家族か……幼少期から家族なんてものを知らない俺には無縁なものだな」


 とふと複雑な自身の幼少期に思いを馳せながら歩く。


 だが、しばらく歩いていると……


 グサ!


 と自分の体から鈍い音がした。


 一瞬に何が起こったかわからず、頭がぼーっとするような不思議な感覚に陥った。が、背中が熱くなっていくのを感じ、それが段々と大きい痛みへと感じてくる。


 まだイマイチ状況が分からずかえって落ち着いている俺は何だ何だと後ろを振り向く。


 すると、30代後半から40代前半くらいの男性だろうか、ホームレスかと思うような、ぼろそうな服を着ていて、目に生気が無い男性が背後に立っていた。


「(ああ、そうそう、カルト教団に洗脳された哀れな信者ってだいたい、こんな風に目が死んでるだよなぁ。うまく説明できないけど? な~んか、やばそうな雰囲気を感じるな……)」


 と他人事のような感想を抱き、男性を観察していたら、プルプルと体を震えながら血が付いた包丁を手にしているのを気づいた。


「万歳……げんきょう様」


 と男性はぼやき、包丁を俺の腹部にズブリっと刺した。


「は!?」


 脳が現実を受け入れたくないのか、引き抜かれたあと、腹部から湧き出る血を手で押さえたまま、何も考えられず、スマホがフリーズしたように無心となって俺はその場で突っ立っていた。


 強烈な痛みと死の恐怖が迫っているというのに、逃げることも抵抗することもできなかった。


「げんきょう様万ざああぁぁい!! げんきょう様万歳万歳万歳万歳万歳万歳万歳万歳万歳!!!」


 と万歳と叫んだ回数分、ラッシュするように男性は俺をグサグサと刺し、倒れても馬乗りになってしばらく刺し続けた。


「げげげげげっげんきょううーさま様! げんきょううう様! これで私の魂は救われますよね!?」


「これで私の罪は許されるのですよね!?」


 と何やら必死に叫んでいるらしいが、俺の意識が暗闇に包まれていくのと比例するようにその男性の声も聞こえなくなっていった……


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