第1章 真実教編裏話②(本編での補足事項)
今回は、その②として、本編での補足事項を載せたいと思います。
Q1. エピソード7.「インチキ教祖ですか!?」より、インチキ教祖はなぜジュダスの悩みを見破れたのか
A1. 見破っていません。インチキ教祖は、占い師やマーケティングでもよく使われる「バーナム効果」を使っただけです。これは本当に書き忘れていました。
「(クク……馬鹿め。バーナム効果を使ったまでよ)」みたいなインチキ教祖のモノローグくらい入れておけばよかったな。
バーナム効果については、簡単に記載すると、誰にでもあてはまる一般的なことを自分だけが当てはまると錯覚させる心理現象のことです。
「あなた今悩みがありますよね?」って問われたら、悩みの種は一つや二つくらい誰しもありますよね?
パッと悩みを思いつかない人がいたとしても、「悩み?」と考える時間を与えれば、「そう言えば、あの件で悩みがあったかも!?」みたいな心当たりくらい考えることだってありそうですしね。
インチキ教祖はそれを悪用しただけです。
・真実教について
Q2.本編でウンコウはなぜ、ナレーザにいたの?
A2.人によっては気にならないかもしれませんが、一応ウンコウがナレーザに来る経緯もあります。
経緯)
新しき世界へと転生した当初から真実教を布教していたウンコウ。ほとんどの者は、ウンコウの言葉に耳を傾けませんでしたが、一人のエルフがウンコウの教えに感銘しました。
ウンコウにとっては、転生後初の教徒となりました。
そのエルフからナレーザという集落を聞き出し、案内を経てナレーザで布教に至るわけです。(つまり最初に教徒となったこのエルフが戦犯)
補足その一)
ナレーザで布教する際は、当初は宗教組織というより自己啓発セミナー系の組織として皮を被って布教していました。
ウンコウがなぜそうしたのかと言うと、転生する前の現実世界でもそのような手法で多数の教徒を獲得した経験があるため、このやり方が効率的だと考え、新しき世界へ転生後も同じ手法を採用したということです。
補足その二
エルフ達のウンコウへの当初の印象は、素晴らしいお方というよりは、人間という物珍しい種族と面白そうなお話をするおじさんの印象が強かったとのこと。
ですが、そういう風に油断させるのがウンコウの策略であり、セミナーに参加していった者を少しずつ真実教の教えを刷り込ませ、教徒を獲得していきました。
そして本編開始時点では、ナレーザの約8割のエルフが真実教徒になりました。(出家・在家含め)
Q3.タマルとカリオテが真実教へ出家するまでの経緯について
A3.ジュダス一家が真実教と出会い、出家するまでの経緯を簡単に記載。
出会い)
物語開始から約一年半前、タマルが近所の誘いから真実教のセミナーに参加。タマルは自己啓発として家族の中で一番ハマっていきました。
タマルからジュダスとカリオテに真実教をオススメされます。ジュダスもカリオテもタマルほどではないが、教えは素晴らしいと思い、自己啓発として取り入れていきました。
出家まで)
トルカ一家が真実教と出会ってからその後半年後くらいに、ジュダスは魔術訓練校に向けてナレーザから出発。
ジュダスがいない生活は、タマルの心の中で想像以上にぽっかりと、胸に穴が開いたようでした。無くした穴を埋めるように真実の教えにのめり込むようになるタマル。
カリオテは、変わっていくタマルに対し、当初は、「ジュダスの安全を願っているから、真実教の祈りに夢中になっているのだな」と楽観視をし、気晴らしのためにもタマルが真実教にハマっていくのを静観していました。
しかし、やがて生活が苦しくなるほど、必要以上にお布施をし、タマルがこれ以上真実教にハマっていくのはまずいと考え、カリオテはタマルを説得しますが、タマルは真実教にハマっていくのを止めようとしませんでした。
そして、カリオテの反対を押し切りタマルは出家を強行。
出家教徒のタマルと在家教徒のカリオテでは、会える時間は極端に少なくなりました。カリオテは一人家で悩み、悩んだ末、出した回答は、「自分も出家してタマルと話す時間を増やす。そして最低でも在家教徒まで戻してもらおう」ということでした。
カリオテも真実教へ出家しますが、しかしそこで真実教の教えに感銘します。当初の目的である、タマルへの説得は止め、真実への道を極めるために修行する目的へと変わっていくのでした。
Q4.ウンコウはインチキ教祖を悪魔だと見破っていたのか
A4.読者の皆さんなら薄々と気付いていたと思いますが、ウンコウが言った悪魔のお話はウンコウのでっち上げです。
真実教の教え上では、出家は教徒から出家する旨の意思が必要なので、無理矢理出家させることはできません。しかし、ウンコウとしては早くジュダスを出家させたく、タマルがジュダスを強引に出家させるように仕向けるために悪魔というお話をでっち上げました。
そして、偶然にもタマルにとってインチキ教祖はジュダスの出家を妨害する存在として悪魔として映ったのです。
ですが、インチキ教祖が悪魔か悪魔ではないのかについては、これは別のお話でして、ウンコウも後からインチキ教祖を悪魔と後付けして倒そうとしましたが、もしかしたら、ウンコウ自身図らずも、インチキ教祖を悪魔扱いにしたことは、あながち間違っていなかったかもしれません。
次回は、魔術、魔力、スキルタイプに関して補足事項を記載したいと思います。