2.「インシュレイティド・チャリティ教」
教団誕生秘話
新興宗教をつくるために色々と宗教をパソコンで検索し、時には本を買って調べてみた。
後は、カルト教団が使うようなマインドコントロールでどうやって信者を増やすのかその手口を調べてみた。結構内容がエグいため、調べていて引いたのだが。
そうやって調べていき、稚拙ながらも自分なりの宗教を創り上げていった。
「神の化身は当然俺として……後は、教団名を決めるだけだな。宗教っぽくかつ滅多に見ないような斬新な名前がいいよな~」
と悩みながら、プリントアウトした資料をまとめるために使う輪ゴムで遊んでいた。
「輪ゴム……輪ゴムって英語名でなんて言うだろう。調べてみるか……何々、RubberBand、ElasticBandね」
ラバーバンド教、エラスティックバンド教? うーん、なんか宗教団体っぽくないなぁ、どっちかというと音楽団体っぽいなと思い、この案を却下する。引き続き、輪ゴム、ゴム、そこから連想されるキーワードを考えてみる。
「ゴムだから電気は効かねえ……絶縁体って英語でなんて言うんだろう……、絶縁といえば、信者がカルト教団から脱会を防ぐために、親や友人など身近な人間関係を絶縁させるのが常套手段なんだよな」
「一つは、身近な人から説得されてマインドコントロールが解けるのを防ぐためと、もう一つは、信者にとってカルト教団こそが唯一の居場所となれば余計に抜けづらくなるから」
ブツブツと独り言をしながら検索結果を調べてみると一つの英単語が目に入った。
「insulated」
「insulated」とは、主に二つの意味を持つ英単語である。一つ目は「絶縁した」という意味で、電気的な絶縁を指すことが多い。例えば、電線がプラスチックやゴムで覆われている状態を指す。二つ目は「隔離した」という意味で、物理的または社会的な隔離を指す。例えば、音や熱を遮断するための断熱材によって隔離された部屋や、社会から孤立した人々を指す。
「社会から孤立した人々か……社会に居場所がない人達が俺の教団で居場所を見出だす……インシュレイティド……うん! 教団名に相応しいかも!」
教団名に「インシュレイティド」だけでは味気ないと思うので、慈善を意味するチャリティを加える。
「社会から孤立した人々への慈善するための組織(表向きはそれで実態は俺様の欲望を満たす居場所にする予定だが)、インシュレイティド・チャリティ教! いいじゃん!! これで行こう!!!」
自分が埋めようとしているパズルのピースがようやく当てはまったように感じた。
動きだす、寺島!
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