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1.「教祖って羨ましいな」

 本日は第三話までアップロードする予定です!このまま第三話まで見て貰えると幸いです。

 はじめまして皆さん。俺の名は寺島光当てらしまみつまさという者だ。

 彼女いない歴=年齢35歳、休日に一緒に遊ぶような友人ゼロで童貞フリーターだよ。

 平たく言うと、駄目で虚しいおっさんということさ。


「ああ。カルト教祖羨ましじゃなくてムカつくわぁ」


 せっかくの休日を家のパソコンで世界のインチキ宗教、カルト教祖について調べているところだ。

 悪質なカルト宗教は時には凶悪な事件を起こし、それらの事件を見ると胸糞悪りぃ。

 しかし、それでも俺はカルト教祖に興味を持った。それは以下三つの理由からだ。


 一つ。

 信者からのお布施により多額の富を得ていたこと(つまり金)


 二つ。

 この国だと宗教法人として認められれば、宗教活動で得たお金に税金がかからない特典があること(やはり金)


 三つ。

 そしてなにより俺が一番興味を引いたのは、カルト教祖が女性信者を侍らせハーレムを築きあげていることだ!!!(これが一番重要)


 世界のカルト教祖を調べてみると、高確率で女性信者のハーレムを作っているところをよく目にする。


「信者に禁欲を強いながら当の教祖様はやりたい放題ってことですかい?」


 と返答するはずがない、ネット上のカルト教祖に向けて俺は語りかける。


 カルト教祖にムカつくけど、怪しいインチキみたいな教祖を信じて、教祖のやりたい放題を許している馬鹿な信者達にも腹が立つ。「お前ら利用されっぱなしでそれでいいのか!」そう言いたくなってしまう。


 でも、もしも俺がカルト教祖の立場でやりたい放題できる環境なら……同じようにやりたい放題するかもしれない。そう思うと……


「教祖って羨ましいな」


 俺はぽつりとそうつぶやいた。


 どうか世間様に迷惑をかけるような凶悪な事件を起こさないから、俺を神としたインチキ宗教を作ろうかなぁ。


 信仰活動と称して、俺の代わりに信者に働いてもらう。そして、信者に渡す給料は、お布施として結局は俺が貰うサイクルを作る。そうすることによって、俺は働かず、教祖としてそれとなく高尚っぽく、素晴らしき教えを信者に与え、信者に幸せだと思われるウィンウィンな関係を築いていく。


 そしていずれは美人な女性信者とムフフフなことを。


 大したスキルが必要ない仕事で食っていて、承認欲求に飢え、童貞を拗らせた俺は歪んだ妄想をする。


「いっそ本当にインチキ宗教を立ち上げてみるか」


 社会的信用なんて無いに等しい。趣味もこれといって特にない。

 このまま人生歩んでいたところでお先真っ暗なことは確実。


「だったら一発大きなことをしてみようかな。失うものなんてないし」


 大きなことをしたいなら起業というビジネスで一攫いっかく千金せんきんを狙う道もあると思う。


 でも俺は手に職があるようなスキルもないし、なによりビジネス方面に関しては、自信がない。仕事を覚えるのだって遅いタイプだしな。


 なら今一番興味がある、教祖で頑張ってみよう。その辺の宗教のいいとこ取りを選んで、それっぽい教義を作ればいけるだろうと楽観的に考えてみた。


 ……まあ、深く考えてみたら、布教活動だって営業のスキルが求められるし、教団を大きくしていくには、経営のようなスキルも必要そうだから、結局は宗教もビジネスかもしれない……


「おっと、俺の悪い癖が出たよ。やる前から不安なことやできない理由を考えていたら結局なにもできない、やらないままじゃないか……それに自分の宗教を立ち上げるには、お金がかからないし飽きたらいつでも辞めたらいい」


 そう前向きにとらえ、とりあえず俺を神としたインチキ宗教を立ち上げることに決めた。



 満たされない日々を送る寺島はカルト教祖になろうと目指すのであった……

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