表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生した俺はインチキ教祖としてハッピーライフを目指す  作者: 朝月夜
第4章社陸幻鏡という女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

166/186

24.「アイツがインチキ教祖か!?」 後半

「どいてもらおう!」


 私様は無理にでも雑踏をかき分け、前に出る。

 この新しき世界で目覚めた、私様の才能オリジナル――オーラの判別分析法。

 それによって、その者がどれほどの強者かを、一目である程度見極められる。

 すると――横から姿が見えた。おそらくインチキ教祖の姿だ――。


(ア、アイツがインチキ教祖か!? 漂うあのオーラ……アフリマン・ゲルメズ級か!?)


 インチキ教祖――種族も性別も見た目もわからなかったが、一目でソイツだと直感した。

 見た目は、灰色が混ざった暗い緑の肌、中性的な顔立ち、茶色のマッシュショートに軽装の弓兵服、そして、ゲルメズ並みの身長とオーラ……間違いない。あの豚人オーク族がインチキ教祖だ。


 私様は確信した。

 以前戦ったゲルメズに匹敵、いやそれ以上のオーラの強さ――奴がインチキ教祖である証拠だ。


(なるほど……たしかにアイツなら、六百を超える信者を率いてもおかしくない……その凄みはある)

(まさか女オーク族だとは思わなかったが……)


 予想とは違ったが、見た目を確認した私様は納得した。中性的な顔立ちだが、女性であることは直感でわかる。


(相手にとって不足なし! 戦えば手強そうだ……)


 私様がインチキ教祖を見つめていたら、目が合った。


「あれ? 見慣れない顔のような……インちゃん」

「ん? なんだ、アミーラ?」

「あの化粧の濃い紫髪の人間族も……タウンの信者だっけ?」

(なっ、アミーラだと!? 奴がインチキ教祖じゃなかったのか!?)


 私様がインチキ教祖と思っていたオーク族は、「アミーラ」と呼ばれていた。

 そして、アミーラは隣にいる者に喋りかけている。

 前方にアミーラがいるため姿は隠れているが……「インちゃん」……間違いない。アミーラの隣にいる者こそが、本物のインチキ教祖だろう。


(一体……どれほどの大物だと言うのか? あのアミーラすらも信者として従わせるほどの者とは!?)


 すると、アミーラの隣から、本物のインチキ教祖がひょいと姿を現した。

 その者は――


(……えっ!?)

(ア……アイツが、インチキ教祖……なのか)

(オーラちっさ……)


 正直、拍子抜けした。

 見た目は、白衣に黄金の羽織をまとった黒髪の人間族の男性。そこまでは良い。

 問題は、そのオーラの小ささだ。

 今まで戦ってきた中で、最弱のカルト教祖レウコス・カルポースよりも小さいオーラだった。


(えっ、あ、あれが本当にインチキ教祖なのか!?)


 私様は自分を疑った。

 ――そうだ、もう一度、よぉーく目を凝らして見てみよう。

 きっと、もう一度見れば、インチキ教祖の真のオーラがわかるはずだ。

 一度、目を閉じて深く息を吐く。

 そして――再び、インチキ教祖を見つめた。

 うーん……やはり、オーラは小さい。


(ああ、そうか。もしかしたら人違いかもしれないな……あのオーラで六百を超える信者を率いるのは無理があるだろう……)


 私様が、人違いの可能性を考えていると――


「いや……タウンの信者じゃないな……お客さんか。一応、挨拶しておくか」


 インチキ教祖らしき、オーラ小さな人間が私様のほうへ歩み寄ってくる。


「やあ! そこのオッドアイの女性さん、本日はこのタウンに来てくれてありがとう。俺はこのタウンの長をやっている者だ。俺のことは〝インチキ教祖〟と呼んでくれ」

(……えっ? マジ!?)


 こうして、私様は自らをインチキ教祖と名乗るその男と出会った。


(しかし……気のせいか? この顔……どこかで、私様は……見たことがある気がするのだが)


 近くで見るほどに、インチキ教祖の顔に()()()()()()()()()()()()()()()()

 初対面のはずなのに、初対面ではないような、不思議な感覚が胸をかすめた。



 幻鏡は、なぜインチキ教祖の顔に見覚えがあるのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ