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異世界に転生した俺はインチキ教祖としてハッピーライフを目指す  作者: 朝月夜
第4章社陸幻鏡という女

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24.「アイツがインチキ教祖か!?」 前半

 すみません、また例によって文章が長くなってしまったため、前半と後半に分けて投稿します。

 後半は、もう少し時間を置いてから投稿します。

 

 今回は幻鏡のターンです。

「さあ〜〜らっしゃい、らっしゃい!

 安いよ安いよ、当店自慢の豊富な品揃え! 見てびっくり、買ってびっくりの大安売り! 

 ……おっと、そこの紫髪でオッドアイの美人さん! 良かったら、ぜひ覗いていきませんか?」


 私様――幻鏡がインチキタウンの雑踏を歩いていると、声を張り上げる商人に呼び止められた。

 振り向けば、それは獣人族ネコ科。白い毛並みに首鈴を揺らし、衣服には金色の小判の柄。まるで〝生きた招き猫〟といった風情である。


「……フフ、嬉しいことを言ってくれるじゃないか。どれどれ、せっかくだから私様が見てやろうじゃないか」


 その猫商人の口上にまんまと乗せられ、私様はずらりと並ぶ品々へと視線を移した。

 ちなみに今の私様は、天岩戸の魔術を解いている。

 つまり――透明人間ではなく、誰にでも見える状態だ。


 魔術を解いた理由。それはインチキタウンの〝開放性〟にある。

 カルト教祖が支配するタウン――その言葉からイメージされるものは、信者が逃げられない閉鎖的な場所、そして部外者が簡単に入れない排他性な空間だろう。

 しかし、このインチキタウンは真逆だった。

 信者は自由にタウンを出入りできる開放性を持ち、私様のような部外者も、門番による簡単な調査(名前・持ち物・危険な魔術の確認)を通せば、あっさりとタウンへ入れる。融和性に満ちた場所なのだ。

 これは長であるインチキ教祖の方針らしい。


(もしかしたら……わざわざ潜入しなくてもよかったかもな)


 そう考えた私様は、魔力の節約も兼ねて天岩戸を解いたのだ。

 だからこそ今、部外者の私様がこの辺をうろうろしていても、住民にとってはごく当たり前の光景。

 誰もそれを〝侵入者〟だとは疑いもしない。


(豊富な品揃え――たしかに言うだけのことはあるな……)


 品揃えは、回復薬ポーション時空系タイムスペース魔術による携帯用テント、魔装具、携帯食、地図と、実に多彩だ。


(値段も悪くない……本当に安いし、いくつかはそのまま買いたいくらいだ)


 しかも、この一店に限った話ではない。周囲には屋台も立ち並び、香ばしい匂いと共に食欲を誘う品々が並んでいる。食べ歩きにも良さそうで、まるで祭りのような賑わいだ。

 プライベートで過ごすなら、悪くない場所かもしれない……


(おっと、目的を忘れてはならない――私様はここに遊びに来たのではない! インチキタウンとインチキ教祖の正体を探りに来たのだ!! お祭り気分は捨てろ!!)


 気を引き締め直し、私は再び調査に意識を戻した。


「毎度あり~~っ!!」


 ……とはいえ、結局は買い物をしてしまったのだが。

 タイムスペース魔術による携帯用テントと、魔力回復に効く「マナレバー」と呼ばれる肉を購入した。

 これでも抑えた方だ。もし――久奈子が一緒なら、きっと両手いっぱいに買い込んでいたに違いない。

 そうしてマナレバーを頬張りながら、インチキタウンを進むと――


「おっ、インチキ教祖とアミーラさんじゃん! ふたりともデートですかい?」

「また会議サボっているのかよ、インチキ教祖」

「あれ? アミーラっていつの間に、新しいハーレム要員になったの?」

「ってことは、三人目のハーレム要員?」


 後方でざわざわと騒がしくなってきた。

 だが、今の言葉は聞き捨てならん。


(……インチキ教祖、だと!?)


 今回の目的ターゲットであるインチキ教祖。奴が近くにいるというのだ。


 幻鏡とインチキ教祖……運命の二人が、ついに邂逅!?

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