7.「第六十代目神鬼魔鏡教団の教祖」 前編
今回のエピソードは、前編・中編・後編の三本立てでお届けする予定です。
なお、三本目となる後編は明日の投稿を予定しております。
お待たせして申し訳ございません。
「そんな……曽根弥が……」
テレビのニュースを見つめながら、私様は呆然とつぶやいた。
画面には、逮捕された曽根弥の姿が映し出されている。その隣には、被害者の顔写真――黒髪の男性。そして、その下に表示された名前。
名前は――寺島光当。
曽根弥が殺したのは、泉生ではなかった。
それどころか、教団とはまったく関係のない、ただの一般人だったのだ。
(……私様が……私様のせい? あの時、私様が曽根弥を止めていれば、この無関係の人の命も……曽根弥が殺人の道へ堕ちることもなかった?)
もう遅いのに、今になって私様はあの時行動しなかった自分に後悔した。
そして、ニュースで曽根弥がこの教団の信者であることが判明すると間もなく、抗議の電話、教団への批判が殺到した。
――そのとき、母の反応は。
「知らない知らない知らない知らない! 曽根弥の馬鹿が勝手に判断したことよ。妾様は悪くない!!」
「妾様は泉生を殺すように仕向けたのに……なんで、それがどこぞの赤の他人を殺すことになるのよ!」
母は現実逃避するかのように叫びながら部屋を歩き回った。そして八つ当たりするように、手にしていた物を銅鏡に投げつけ、パリンと音を立てて割った。
「母……」
私様は母のところに来た。取り返しのつかない事態になった。母はこの責任をどう取るつもりなのか――それを聞こうとした。
「ハァ……ハァ……娘?」
母は私様に気づくと、やがて汗をかきながら、ニヤリと苦笑を浮かべる。
「……そうだ! 娘よ。そなたに大事な話がある。これからの教団の存続に関わる大事な話だ」
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