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異世界に転生した俺はインチキ教祖としてハッピーライフを目指す  作者: 朝月夜
第3章月の星団編

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【総集編】第一章から第三章までのストーリーまとめ⑤ ※ネタバレあり

 第3章月の星団編・前編

 インチキ教祖「ああ……会議会議また会議。インチキ教祖もインチキタウンの長も大変だよ……まったく」

 ジュダス「あっ! 見つけた!! インくん!!! まだ仕事終わってないわよ~」

 ――インチキ教祖がタウンの長に就任してから、二ヶ月が経っていた。インチキ教祖は、慣れないタウンの長として日々苦戦していた。

 そんな折――

 妖精族シルヴァーナ「アンナ隊に……危険が迫っています!!」

 タウンの住民(信者)であるシルヴァーナから知らされたのは、調達部を率いるエルフ族のアンナが、隊ごと何者かに襲われ、行方不明になったという衝撃の報せだった。

 急ぎ救援作戦が立ち上がる。

 ヴェダ、マミー、スザンナ、そして――。

 リチャード「おれが行こう」

 獣人族(イヌ科)のリチャード・モロサスまで加わることになった。

 彼はヴェダのように元々タウンに住んでいた者ではなく、インチキ教祖が長に就いて二日後、このタウンへやってきた新参者だった。


 ・月の星団との出会い

 グリフィン族のグーリュの案内で、ヴェダたちはアンナ隊が運んでいた荷車に辿り着いた。

 そこはシルヴァーナの報告通り――魔術で交戦した後があった。しかし肝心のアンナ隊の姿はどこにもなかった。

 手がかりを失い途方に暮れる一行に、リチャードが提案する。

 リチャード「手がかりならある! ここにアンナ隊の匂いが残っていることは幸運だった。獣人族イヌ科のおれにかかれば、匂いでアンナ隊を探すことが出来るのさ!!」

 ヴェダ「本当ッスか!? やった! これでアンナ隊を見つけられるッス!!」

 リチャードの追跡によって、ついにアンナ隊の居場所を突き止めた。

 だがそこには、川向こうで頭から血を流し倒れるエルザの姿が……。

 ヴェダ(助けないと……エルザが!)

 リチャード「待て! 様子がおかしい。なぜ、アンナ隊はエルザを助けようとしないんだ?」

 ヴェダは、リチャードの制止の声を振り切り、無我夢中で川を渡ろうとした。

 アンナ「来るなぁああ! ヴェダぁああ!! 敵が襲いにくるぞぉおお!!!」

 だが、それは敵の罠だった。

 ヴェダは潜んでいた敵に襲われそうになる。

 間一髪のところをリチャード、マミー、スザンナに助けられるヴェダ。

 ヴェダ(リチャードが止めに行かなければ、アタシは死んでいたかもしれない……アタシはなんてことを!)

 ヴェダ「リチャード! すみませ」

 リチャード「構うなぁ!! 動いたなら救えッッ!!!」

 その叱咤で我に返り、ヴェダはエルザの救助を優先する。

 そして、アンナ隊、ヴェダを襲った敵の正体は――オーク族、ゴブリン族、獣人族(ウシ科)だった。

 オーク族、ゴブリン族は特に砂漠地方で暮らす種族であり、この辺りで見かけるのは異例の状況だった。

 しかし、ヴェダたちを襲う敵はそれだけに留まらなかった。

 さらに加勢する者が現れる。

 ???「やれやれ。何に時間を食っているのかと思いきや……この〝礼拝〟のハサンを待たせるとはいい度胸ですね」

 声のした方へ振り向くと、川の頂上に頭に深くフードを被った黒いローブの男が立っていた。

 オーク族、ゴブリン族「「ハサン……」」

 新たに現れた黒衣の男――ハサン・アッ=サイヤード。

 彼は月の星団において、〝礼拝〟の称号を与えられた者であった。

 ハサン「カヒール、サギル、ワスト。あなたたちともあろう者が、敵にも集合場所にも遅れを取るとは情けないですね」

 彼は名を呼びながらそれぞれを見やる。

 オークをカヒール、ゴブリンをサギル、獣人族(ウシ科)をワストと。

 カヒール「返す言葉もありません。ですが、その敵と交戦中であります。あのインチキタウンの信者と」

 ハサンたちは露骨な敵意を隠さず、ヴェダたちを睨み据える。

 そして語られた言葉は、思いもよらぬものだった。

 ハサン「我ら月の星団の信者を意味する()()()()。この委ねる者が何者かに殺される事件が最近多発していましてね……そして襲われた者の共通点は背中に、あるマークが刻まれているのですよ」

 ハサン「そのマークとは、四つの手を描いた絵ですよ。そして、奇しくもその絵は()()()()()()()()()()()()()とまったく同じ絵だ」

 ヴェダ(四つの手を描いた絵? まさかそのマークって!?)

 ハサン「インチキタウンのシンボルマーク。殺された委ねる者の共通点は、このマークが背中に刻まれていた。後は、私たちが何を言いたいのかわかりますよね?」

 ヴェダ「そ、そんな嘘ッス! アタシたちインチキタウンの信者があなたたちを殺すなんて」

 砂漠地方を拠点に活動するという武闘派教団――月の星団。

 その信者である委ねる者たちを、インチキタウンの住民(信者)が殺害している――それが彼らの主張だった。

 身に覚えのないヴェダたちは必死に否定する。だが話し合いで解決する余地はなく、戦いは避けられなかった。

 月の星団は、スキルタイプ・インファイターの集団。

 その圧倒的な武力に、ヴェダとリチャードたちは苦戦を強いられる。

 それでも、ヴェダの奇策とリチャードの奮闘によって、ついにハサンたちを追い詰め、撤退させることに成功する。

 ハサン「我々月の星団。仲間を殺されたなら必ず報復するそれをお忘れなきよう」

 ハサン「近い将来、月の星団とインチキタウンは戦う運命となる。その時にまたお会いしましょう」

 リチャード「勝手に襲ってきて、勝手に復讐を誓うとはとんでもねぇ教団だな。おれたちの言い分に耳を貸す気もねぇのか」


 ・動きだす月の星団

 戦いに敗れたハサンたちは、月の星団の聖地――すなわち本拠地へ帰還していた。

 そしてとある礼拝堂の中で――

 ???「あらぁ。みんな随分と酷い怪我じゃない? 〝礼拝〟の称号を持つあなたまでそんな傷を負うとはね」

 ハサン「耳が痛いですよ。慣用句としても。敵に殴られたことによる意味でも」

 ???「敵はそれなりに強いと見ていいのかしら?」

 ハサン「ええ。敵の総戦力は不明ですが、それなりの逸材(いつざい)がいることは確かですよ」

 報告を受けているその男こそ――月の星団の指導者リーダー。その名をイブリース・タージュ・マリクという。

 イブリース「ふむ……そろそろ来る頃のはず。()()が集まってから詳しい報告を聞きましょう」

 イブリースがそう言った直後、柱の影から一人がニュイと現れた。

 サラーフ「酷い怪我だな。ハサン。君がそんな重傷を負うとは」

 現れたのは、獣人族(ネコ科)の戦士――サラーフ・ガジ。彼は月の星団において、〝巡礼〟の称号を与えられていた。

 イブリース「来たわね……残るは、喜捨と断食ね」

 アミーラ「あれ? ボクたちが一番遅いみたいだよ。イブン」

 イブン「これは申し訳ございません。遅れましたイブリース」

 続いて現れたのは、中性的な顔立ちのオーク族――アミーラ・ハナズィール・バリ。その者は〝断食〟の称号を持つ者。

 そしてもう一人は、深い皺を刻んだ老練のゴブリン族――イブン・ハッラーク。彼は〝喜捨〟の称号を持つ者であった。

 イブリース「これで集まった。〝礼拝〟、〝巡礼〟、〝断食〟、〝喜捨〟、そしてワタクシの〝信仰告白〟。五行緑月ごぎょうりょくげつここに、つどう!!!」

 〝五行緑月〟。

 それは月の星団において最高幹部にして、最強の五名を意味する称号であった。

 最高幹部が揃い、ハサンの報告を聞き終えたところで、イブリースは最終判断を下す。

 イブリース「タウンの長がザスジーからインチキ教祖に変わったばかりということはまだタウンを治めることに精一杯のはず。つまり攻めるのが早ければ早いほど勝ちの可能性は高い。タウンの総戦力が不明だとしても」

 イブリース「だが神のためにも……彼らにも慈悲(じひ)を……生きるチャンスくらいは与えないとねえ~」

 イブリース「インチキタウンに使者を送れ。月の星団の要求は二つ。一つ。インチキタウン全員が月の星団に改宗すること。二つ。改宗しない者は、タウンを我々に引き渡しあなたたち住民は出ていくこと。このどちらかの要求を飲み込まなければ、月の星団は全勢力を持ってタウンに攻め込むと」

 こうしてインチキ教祖とインチキタウンは、――〝降伏〟か〝戦争〟か、二択を迫られることとなった。


 次回、第3章月の星団編・後編の総集編の予定!!

 頑張って……一話で纏められたらいいな。


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