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壱の魔術  作者: 川犬
第3章
34/38

7月7日 曇り後――、-3

ずいぶんと更新が遅れてしまいました。サーセンwww

最近、部活で家に帰るとへとへとなんです……。

とりあえず、ひと段落ついたのでまた再開しまs

@@@@@change



 その日、私は学校に行けませんでした。いけなかったのには理由があります。その理由を今から語りましょう。



@@@@@



 時はさかのぼる。


 私は、いつものようにハジメが登校する時の途中で通る道で待っていました。10分ぐらい早くきて待っています。なぜそんなに早くかって? ふふ、私はA型だからですよ。


 まあそれで、待っていたわけですが、突然誰かに見られているかのような感覚に陥りました。


 私は、その視線によって背筋がぞくりとしたので、一気に周りを見渡しました。しかし、何の姿もありません。


「……?」


 いったいこのいやな視線はどこから来るのでしょう。


 そこで私はいくつか仮説をたてました。


 まず一つ目。不審者。まあこれが一番有力かと思われますが、そしたら、私を狙うということは、金銭目的なのでしょうか。それとも……無差別殺人? いえ、さすがにそこまでのことはないでしょう。もし無差別殺人なら、隠れながら、殺すだなんてことしませんからね。そのまま、近づいてグサリなんてことになるはずです。


 二つ目。ハジメ達が隠れて私を驚かそうとしている。……こうなる確率は低いでしょう。もしそれが本当なら、『いやな』視線なんてものは感じませんし、それに私を驚かす理由なんてものはありません。ハジメ君は、やる気にならないとなんでも面倒くさがる人ですからね。


 三つ目は、……これは一番可能性が低いでしょう。なぜなら、この世界には――


「しゃべるなよ、しゃべったら死ぬぞ」

 ――魔術なんてものはないのですからね。


 …………。残念です。どうやら、この世界への旅行者がいましたか。


 誰かが風が吹いてくるように忍び寄ってきて、私を押さえつけてきました。


 私は冷静な声で返答しました。


「なんなんですか。痴漢なら逮捕しますよ」


「んなわけねーだろーが」


 あっさり、否定されました。まあ、そのような回答になるのは予測できてはいましたが。それに私は男ですしね。私に痴漢をするような方なら、ドドドドド変態と言えるでしょう。


「おまえを、」


 ここから先もこの方が何と言うか予測できています。それは、


殺しにきた「殺しにきた」


 私が予想していたものと全く同じですね。


 私は、右足をわずかに持ち上げて、思いっきり相手の右足めがけて踏みつけました。


「ッ!」


 わずかに緩んだ腕から私は脱出し、即座に相手側に体を向けます。その容姿を見て警戒を強めました。


 ……なるほど。あなたでしたか。


「あなたは、指名手配されている暗殺者のディルバさんですね」


 相手はにやりと、感情のこもっていない眼でこちらを見てきます。ふふふ、怖い怖い。


「いてえなコノヤロウ。……ああそうだ。俺はディルバだ」


「ここで戦うのもあれですし、場所を変えませんか」


 暗殺者ディルバとは、5年前、私たち神判隊を破滅させると計画し、それを1人で実行した凶悪犯です。その時私はまだ子供でしたから詳細は分かりませんが、チーム(10人1チーム)を3つほど壊滅させたという記録が残っています。その後、計画は失敗に終わり、姿を消したという記録が残っていますが、まさかこの世界に来ていたとは思ってもみませんでしたね。


「まあ、いいだろう」


「では、私についてきてください」


 さて、どこにご案内いたしましょうか。人気のないところがいいですね。


「っていうとおもったか」


「――――!?」


 私は何が起こったか理解できませんでした。ディルバが、私をだましたというのはわかります。ですが、その後何をされたのかは――、何をされたのかは?


 いったい何をされたのでしょうか。おかしいですね。体が全く動きません。


 ドサッ。


 どうやら、やられたようです。一本取られましたね。最初で最後の一本ですが。まさかディルバが、ここまでとは・・・・・・


「安心しろ。痛みはない」


 つまり、


 つまり、


 つまり。


 私は、今回の件については|リタイア(dead)っていうことですね。ですが、私がいなくなったとしても、運命は変わらないでしょう。絶対に。間違いなく。


 なぜなら、ハジメくんがいるのですから。



@@@@@change



 早速だが、一時間目休み時間。俺の周囲に俺含めて4名集まった。


 俺。マイ。コノハ。レイド。いつものメンバープラス1だ。


 さてさて、どうしたものか。マイとコノハは、なんかめちゃくちゃ複雑そうな表情をしていらっしゃる。レイドは、涼しい表情をしているが。


「ハジメ、ちょっとどういうことなのよ」


 マイは、俺の机を小さな手でバンっとたたいた。威力は低そうだな。スライムぐらいなら倒せそうか?


「どうもこうも……、って、ここで話すのもあれだ。場所を変えよう」


「どこによ」


「そうだな……」


 どこにすべきか。これから話すことをこいつら以外誰にも聞かれないような場所は――、


「屋上に行きましょう」


 と、コノハが真剣な顔で指定してきたので、俺たちは、屋上へ移動した。


 それから、屋上に移動し、俺はまだ状況を理解していないマイとコノハにさっきのことを全部話した。


 マイは、腕を組んでなんだか納得のいかなさそうな目でレイドを見ながら、

「それじゃあ、誰にハジメが狙われてんのよ」


「それは……あなたも大体わかってるんじゃない? それにコノハちゃんも」


 コノハは、黙り込んで青ざめながら下を向いている。


 レイドは、コノハをちゃん付けした。ということはどうでもいいが、大体わかってるとは一体どういうことなんだ? 俺が狙われてる。それを信じたとしたらだが。


「……」


 みんなが黙り込んで、風の音がよく聞こえた。


 なんだ。コノハとマイは、俺が誰に狙われているのかなんて既に知っている事柄だったのか? ……疑問が多すぎて、???が多くなってしまう。誰か解決してくれ。


 俺は、この沈黙に耐えきれなくなり、

「とりあえず、これだけは言えるんじゃないのか。レイドは、もう敵じゃないってことは」


「なんだか、あやしいわ。だって、この人この前ハジメを……殺そうとしてたじゃない」


 ビシッと、マイはレイドのことを指差した。レイドは、暗い表情になった。


「そうだね。確かにそういうこと、したかな。でもね、仕方がなかったんだよ、本当に。『ゼロ』のリーダーに逆らったら、僕は殺されちゃうしね」


「だから、ハジメを殺そうとしたの!? 有り得ないわ。そんなことするなんて、最低の最低の最低じゃない!!」


「僕だって、そう思ったよ。……でも僕が死ぬわけにもいかなかったんだ。コノハは知っているだろうけど、僕には生きる理由、いや生きなければならない理由ってのがあったんだから」


「なによ、生きる理由って」


「僕の口からは言いたくはない。後で僕がいないところでコノハに聞いて」


「だからって、だからって……!!」


 マイは、顔を真っ赤にしてお怒りになっているようだった。俺のために起こってくれてるのは別にいいことだが、もう少し冷静になれといいたい。まあいったところで、聞かないだろうな。


「私は、レイド君のことを信じてもいいです」


 そこで、今までずっと黙り込んでいたコノハが口を開いた。


「信じてもいいって、そんなの!」


 仕方がない。これ以上他の誰かがこいつに言ったところで、何も聞いてくれちゃあなさそうだから、俺が納得のいくような回答を言うとするか。


「まあそんな大きい声出すな。俺が、レイドのことをおーけーしたんだ。それでいいじゃないか」


「ちょっとまって、したの!?」


「ああ」


 そういや、俺がレイドにおーけーを出したことをマイとコノハに言ってなかったな。ミス。


「……分かったわよ」


 マイは、まだ納得していないわよ! とでも言いたげな顔をしているが、ついに了承してくれた。さっき、コノハも了承したので、これで、決定だ。


「マイ、ありがとな」


「……ふん」


 マイは、俺のほうを数秒見てから、ぷいっと顔をそらした。耳が赤いがどうしたのだろうか。


 レイドは笑顔になりかけながら、

「それじゃあ、いいんだね?」


「ああ。このマイがおーけーしたんだ。もう誰も反論するものはいないだろう、レイドお前は今この瞬間から、」


 長かったな。だが、許されたんだ。もういいだろう。


「俺たちの仲間だ」


「うん!」


 なんだか、子供のような喜び方だった。



@@@@@



 それから、1時間目の休み時間が終了し、2時間目の授業が終了した。


 2時間目が終了してから、俺たち4人は再び屋上へ移動した。行く途中、周りから「あの4人組は屋上に行って●●●●●●●●●●なんだってー」「え? まじでー? ドンビキなんですケドォ!」とか聞こえてきたが、まあスルーするとしよう。しなきゃ、俺の心が壊れる。


 ところで、なんでまたこうして屋上に行くことになったかって? そりゃ、前の休み時間じゃ話しきれなかったことについていろいろ話すからだよ。


「そんなわけで、私たちはどうすればいいのよ、レイド」


 早速、マイは相変わらずの敵視しているような目でレイドを睨みつけて問うていた。


「うーん、そうだね……。出来るだけ、多人数で行動することぐらいしかないかな」


「ふーん……わかったわ」「分かりました」


 それくらいでいいのか。なら、楽でよかったなお前ら。


 レイドは、あっと声を上げた。


「どうした?」


 と、俺が聞くと、レイドは、

「ハジメ君を襲おうとしている敵は、7月7日に襲おうとするはずだよ」


「そんな言い方するな。なんかそれだと、勘違いされそうで怖い」


「?」


 レイドは首をかしげ、それから、どこが? とでも言いたげな口を開く。


「とにかく、7月7日は特に気をつけて。それで、もし、襲われたら僕に意思疎通で伝えて」


「戦っちゃあまずいのか? 多人数でなら、なんとかなるんじゃねえのか?」


「それはないよ」


 レイドは、きっっっっぱりと言った。それはないよ、と。


 コノハは、そのレイドの言葉を聞いて、少々目を見開く。


「まさか、あの人・・・なんですか」


 あの人って誰だよ。俺とマイが分からんぞ。


 俺がそう言おうとしたが、レイドが無意識的にさえぎった。


「うん。あの人・・・だよ。――、『ゼロ』の中ではセカンド。主に暗殺を得意とする暗殺者。ディルバって言うんだ」


「そいつがどれぐらい強いんだ?」


「そりゃ、僕もまだ完全にディルバを把握したわけじゃないけれども、過去に神判隊を何グループも破滅させたって聞いたことがある」


 神判隊ってえと、ルフィーナとかが所属している警察みたいなものだったな。ルフィーナがあれだけ強いんだ。そういうやつらのグループをいくつも破滅させた……。そのディルバってやつは、よほどの腕前だな。なるほど、俺じゃ勝てない。諦めよう。


 ってあきらめてどうするんだ俺! 狙われてるのは俺なんだよっ! その俺があきらめるってことは、死ぬってことじゃないか!! 俺のバーカバーカバ――――カッッ!!


「どうしたの、ハジメ。思いっきり首を振っちゃって」


「い、いや、なんでもない」


 まあ俺の脳内はどうでもいいとして。


 俺は、腕を組んだ。


「というと、俺の周りにお前らが集まればいいってことだな」


「うん。そうだよ」


「それなら問題ないな。なぜなら、マイとコノハは俺の家に――、むぐぅッッ!?」


 俺が残りの言葉を発しておこうとした瞬間、突然口をコノハとマイがふさいできた。二人とも両手で。


「ば、何言おうとしてんのよあんたは!?」


「そうですよ! あ、レイドさん。今のは聞かなかったことにしておいてくださいね」


 コノハは、悪魔のような微笑で、ぎろりとレイドを見る。あくまで、見る。お、なんか俺今うまいこと言ったような気がする。


「う、うん。わ、わ、わかった……」


 ……レイドがなんだか可哀想に見えてきたのは俺だけだな。


 俺は無理やり、コノハとマイの手を払って、呼吸を整えてから、


「まあそんなわけで、問題ないんだが、その理由は言えない。すまないな」


「いいよ。なんとなくわかるから……」


 今更ながら思ったが、わかってもらっちゃ困る。考えてみるとさっきの俺の発言は危なかったな。もし、俺がさっき「俺の家にマイとコノハが居候してる」だとか言ってしまったら、レイドからのヒマラヤほどの~冷たい視線~♪ みたいなことになっていただろう。


 セーッフセーッフ!


 まあ、レイドにばれたところで何にもないと思うがな。ただ俺が何にでもある。


 勘違いなんてされたくない。何の勘違いかって? 自分で考えてくださいお願いします。


「……さっきのレイドのセリフはなかったことにしてっと。それじゃあそろそろ戻ろうか」


「うん」「わかったわよ」「はい」


 というわけで、チャイムが鳴るまで残り1分になったので、俺たちは解散した。


 無理やりじゃないからな。

「次回は次回はー!?」

「次回は次回だ」

「え、意味わかんね」

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