「21」 God Created Everything By Number, Weight, And Measure―神は、すべてを数と重さと尺度から創造された
―A large tree starts out as a single seed, then a stem grows, becomes a trunk, and finally becomes a dead tree. The tree grows slowly, but it withstands GRAVITY and stretches toward the sky―
「これは、これは、お久しぶりでございます。」
「うん。そうだね。」
「大丈夫ですかね?」
「問題ないよ。ノープロブレムさ。」
おやおや、どうしたのでしょう。私の脳内にあるマイクロチップから様子を見ていましたが、少し様子が変ですね。何かが違いますね。これは?なんでしょうか。暗くてよくわかりませんが、倒れているのでしょうか。私は、現在、AZと視覚の共有をしています。この脳内にあるマイクロチップに頼れば、人智を超越したことも可能なんですよ。おっと、AZの視界から史也さんが消えましたね。史也さんは、一体どこへ行ったのでしょうか。なるほど………どうやら、TRANTSCENDと戦っているようですね。いや、違いますね。そうですか。数義さんがいるんですね………となると、私の出番はまだのようですね。いやあ、体が疼いてしまって、仕方がないですよ。lol
とはいえ、私の番は回ってくるでしょう。その前に少し、皆さんに向けて語りましょう。おっと、私が誰か言っておいたほうが良さそうですね。
私は、ニュートン。皆さん覚えているでしょうか。『日本語は面白いですね』と私が言ったのを。そうですね。言うなれば皆さんご存知の変わり者です。名前は、ポールと言います。ですので、ニュートンは姓です。ポール・ニュートンが私の名前になります。お気づきの方もいるかもしれませんが、かのアイザック・ニュートンと同じ姓です。
By the way,世の中には、数字があります。皆さんは、数字といったら、何を思い浮かべるでしょう。女性の方は、気にしてやまない年齢でしょうか。歴史が好きな方は、西暦?はたまた数学好きな方は値?もしくは、お金が好きな方は金額?などなど。数字は、この世に溢れかえってます。では、みなさんに質問です。数字に関することは、好きだと思うんですよ。お金だったり、同じく給料だったり、カラオケの点数だったり、はたまた、学生はテストの点数だったりと、ですが、数字そのものを好きな方って、あまりいないんじゃないですかね?確かに多い方がいいし。高い方がいい。だけれど。数式を見たりしても、「別に気持ちが高ぶるわけじゃないな。」といった考えではないでしょうか。稀に数字そのものが好きな人間がいます。ああ、そうですね。源数義さんも確か、数字が好きとおっしゃっていましたよね。そして、数字の中でも特別「9」という数字に奇妙な程狂おしい程好むのが、彼です。数字といえば………彼なのですが、知らない方も多いかと思いますので、紹介しておきます。HERO=Kです。本名を数多京。私は、わかったのですが、彼を視覚の共有や、監視カメラ等のハッキングで追っていくと、いくつもの能力があるんです。つまりですよ。彼は、NUMBERを表しているんです。なぜなら、彼は数字に準えた能力を使うからです。
また、ナンバーズという生命体も存在するそうですね。とある人物から聞きましたよ。数多京はその生命体と戦っていたとかどうとか、しかし、いずれにせよ、それはホログラムだったのか。もしくは、夢だったのか。悪夢だったのか。現実なのか。非現実なのか。私は、彼ではないので、わかりかねますね。おっと、忘れていましたが、MEASUREについてはまたの機会に―――
次に重さについて話しましょう。私が、『重い力と書いて、重力。それに、動くとも読めます』と発言しましたね。そういえば、ガリレオ・ガリレイが『And yet it moves』と言ったのを覚えているでしょうか。おっと、脱線してしまいましたね。
実は、私の自己紹介は紛れもないヒントであり、私からすれば、自己開示です。では、何を表しているのか。―――私の力です。私は『Gravity Manipulation』と呼んでいます。日本語で言うと、そうですね。『重力操作』ですが、〈神の創りえし全て〉を満たす内の1つですね。日本に数があり、アメリカに重力がある。その関係は等しく。英雄とジャディシャルズが対をなしているように、存在します。ここからは、私ニュートンの話です。是非、聞いていってください。
―Graduation? I won't―
誰にでも、名前というものが存在する。その名前は親から与えられ、一生背負っていかなければならない。
もちろん私には、名前があった。ニュートンという、それこそ偉大な名前が。私の先祖は、偉人であり、かの有名なアイザック・ニュートンである。アイザック・ニュートンは数々の名言を残しており、『神の叡智は創造の業の中に現れている。』や『私は仮説を用いない。』等が有名である。アイザック・ニュートンの凄さはそれだけに留まらず、彼は力学分野において、運動と力の関係を示した三つの基礎法則「運動の法則」を確立し、すべての物体間に普遍的に作用する引力を見出した「万有引力の法則」を発表したほか、数学分野では微積分法を発明するなど、偉大な業績を後世に残した。
力の国際単位である「ニュートン」(N)は、質量1kgの物体に1m/s2の加速度を生じさせる力のことで、アイザック・ニュートンの業績にちなんで名づけられた。
話は戻り、私の話です。私は当時、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国つまり、イギリスのロンドンの近郊に住んでおり、幼い頃から、そのアイザック・ニュートンがいたとされるケンブリッジ大学に憧れていました。憧れるあまり、電車で50minutsかけて、ケンブリッジ大学に赴きました。あのニュートンの林檎の木の子孫とされる、木も現在でも残っており、近くにあるフィッツウィリアム美術館にもよく行きました。
そういえばウィリアム・・・いえ、マイクロン………彼は何をしているんでしょうか?
アイザック・ニュートンは、ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジにいたとされていますが、トリニティ・カレッジは現在では存在しません。
私は、幼い頃から夢見ていました。その「ケンブリッジ大学に行くこと」をです。
ですが、私は養子でした。親は誰かわかりません。名前だけは名付けられました。名付け親は祖母だと聞いています。
私は、中学生になった時、FAGAMの特殊施設の見学中に反重力空間の模擬実験にて、事故に会います。
そんな時。救済者が現れました。別の名をホーリー。ホーリーは、ジャディシャルズの元リーダーでした。偶然、私がアメリカに行くことになり、FAGAMで見学をしている時でした。
その事故が原因で、私はホーリーにより間接的に力を与えられるのです。あの事故がなかったら、今の私はいませんよ。
力というものは、大いなるもので、応えてくれるとは限りません。時には、その力の使用者にさえ刃を向くことだってあります。ですから私も、最初は思うままに力を扱えず、苦労したのを覚えています。初期の初期は、自分を軽くするつもりが、自分に重力の負荷をかけてしまい、危うくぺしゃんこに潰れるところでした。
ホーリーについてですが、イギリス訛りの英語もなかったですが、時々、声を出さずに口をもごもごと動かしては、誰かと話しているようでした。あの時は、その行動がどういう意味かわかりませんでしたが、今ならわかります。彼女はこう言っていたんです。
『The ball's in your court.』
私は彼女が去った後、決意しました。学校を辞めることを。理由はいくつかありますが、私は養子なんです。義父や義母がどれだけの出費を私に重ねていたか、その苦労して稼いだお金が、どれだけの労力で、給料になるのかを知っていました。それなのに、やりたいこともわからず、ただ、漫然と学校に行き、お金を消費していくのが、私の性に合わず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そんなことをして、親を………Excuse me.Um,仮かもしれませんが、親を泣かせたくはなかったので、私は決意したんです。あのジャディシャルズに加わり、夢を捨てること。夢は捨てても、希望は失わない。かつてのホープのように、正義を執行するんです。それは、自己犠牲かもしれませんが、多くの人々を助けられると考えたら、体がやる気で満ち溢れていきまいした。
私は、いつも考えていました。ホーリーが何を考えていたのか。「あなたの番です」とは、誰に言っていたのか。ホーリーは、未来人と現代人のミックスで、私に日本語を教えてくたこともありました。
力を付与してくれました。
そしてもう一つの名前をくれました。
私のもう一つの名前は、アプフェル。
―Genesis―
アプフェルである私は、彼女の目的は知りませんでした。如何なる考えを持って行動をしているのか。ホーリーが去った後も徐々に、メンバーは集まっていきました。ホーリーが去った後は、私とMr.Gしかいなかったそうです。
Mr.Gは、元リーダーで、彼女が去ってすぐに、その座を授かったそうです。
特筆すべきは、彼女がリーダーだった時、アメリカ全土から志願者が現れ、今の少し前のジャディシャルズが結成されたのです。
ホーリーはたまに不思議なことを言います。「未来では私が生きている」と言ったのでした。
本当に不思議な話ばかりでした。不思議な話はどれも未来で起こることを予言していました。通常であれば未来で起きることを人間は知りません。
それに、人間には寿命というものがあるはずです。
彼女が例え、未来人だとしてもいつの時代の人間かもわからないのに、なぜ私は生きていると断言できるのでしょうか。
私にはわかりませんでした。
何が起きるかは、わからないはずです。
なぜ、知っているのでしょう。
答えは、神のみぞ知る…いや、ホーリーのみぞ知る…なのでしょうか。
私にとって、ジャディシャルズは居場所でもありました。
与えられた重力操作は神の力。神通力とでも言うのでしょうか。
ホーリーは、こうも言っていました。
「私は、行かなければならない」
意味がわかりませんでした。
ホーリーは、希望なのです。引き止めるべきでした。
ですが、私もホーリーも忙しく、それ以上は、聞けませんでした。
アメリカで、W.D.C事件が起きたのは、私が、ヒーローになる前のことでした。
とある実業家が、人工知能を搭載した、ロボットを造りました。それは人々を守る計画でした。ロボットは、武装こそしていましたが、犯罪者を倒し、街に平安を築いたのです。それにより、ジャディシャルズは必要とされなくなりました。
そんな時、私達の世界とは別に存在するとされる、異なる世界から、ヴィランが現れました。ヴィランは恐ろしく強く。人々や、ロボットを洗脳し味方を増やしていきました。気づいた時には、アメリカは、国の機能を著しく失っていました。ジャディシャルズも圧倒されていました。
そんな時でした、希望の光が現れました。彼こそが、ホープです。あれは、魔法です。それ以外に考えられません。実は、それも予言通りなんです。ホーリーは言っていました。「メサイアが現れる」と。
私が、彼に訊ねると、彼は戦いの後自分の歴史を語りました。そして、言ったのです。ジャディシャルズを再結成すると………私は、落ちこぼれでした。「私でいいのですか?」と聞きました。「君だからいい」とい言われました。ホープは、日本語で話すことが多かったので、私は日本語を必死で勉強しました。そして、幾度も巨悪と戦いました。ジャディシャルズは、ホープの指示の元、その名を再びアメリカ全土に轟かせます。そして、ホープは役目を果たしたかのように、忽然と消えます。必死に探しましたが、見つけられませんでした。どこに行ったのでしょうか。
そんな時でした。
私の前に、七星と名乗る日本人が現れたのです。私が、カフェでTeaを飲んでいると、彼は入ってきて、話しかけてきました。
「You like tea, right?」
「日本語訛りが強いですね。日本語でも結構ですよ。」
「そうかい、君は?」
「ニュートンです。」
「これは、失礼。申し遅れたようだね。僕は、数多七星。」
「何が目的ですか?」
「君にはわからないよ。僕たちはね、人間に似ているけど、人間とは違うじゃないか。」
「そうですね。それは、私も同じです。ホーリーから、力を授かりました。この大いなる力を、行使して、悪を倒してきたのです。ところで、私の質問に答えてください。もう一度問います。何が目的ですか?」
「おっといけない。僕の悪い癖だ。僕にはね、変異体がいてね。その変異体は、元は単なる有機体に過ぎなかったんだよね。それがさ、ナンバーズ7なんだ。でも僕は、人間かのように振る舞い生きてる。で僕に話してくれた。HERO=Kと戦った時。敗北した時。無に帰った時。彼は言ったんだ。『僕は、これでよかったのかな』ってね。でもさ、よくないと思うんだよね。誰も喜ばないんだよね。ホーリーは、いないのかい?僕は、彼女と話がしたい。」
「・・・どういうことですか?」
「僕に、日本は狭すぎたのさ。もっと広い土地で、活躍したい。もっと、多くの人を救いたい。知ってるかい。アプフェル君。今、日本は、未来人たちによって結束しつつある。アメリカにも、ジャディシャルズがあるだろう。で、だね。日本にも、英雄という名前の組織があるんだ。」
「話が読めません。」
「―――僕を、ジャディシャルズに、入れてくれないかい?」
「何を言っているのです。」
「あんまりだなあ。ガッカリさせないでくれよ。僕は、喜びたいんだ。君もだろ?ポール・ニュートン君。」
「名乗っていません。なぜ知っているのです?」
「僕は、お見通しさ。ジャディシャルズを集めてくれないかい?」
「………わかりました。」
一週間後。ジャディシャルズの緊急会議が開かれました。リーダーの去ったこのチームは、崩壊寸前でした。私はこうしたい。やりたいことをやりたい。俺は、必要ないと思う。なぜなら、必要とされていない。等。様々な意見がありました。
「お待たせ。ヒーローはいつも遅れてやってくる。」
「Beat it.」
「I couldn't careless.」
「Who is him? I haven’t clue.」
「I’m SEVEVNSTATR.」
「Um, what ?」
「How many of you are there?」
「Excuse me. If Holly was there, there would have been six.」
「So I'm the seventh. That's why I'm SEVENSTAR.」
そして、数多七星ことセブンスターは私達の前で、驚くべきことを行いました。ここでは、黙っておきますね。
彼は触れるだけで―――
ジャディシャルズ総員でも、彼には敵いません。なぜなら―――
「………わかりました。あなたがリーダーに相応しいですよ。」
日本人が、リーダーになること自体異例の事でした。Mr.Gも彼には勝てません。その地位を譲ることになります。今のアメリカの平穏は、彼によって守られているのです。何者なのでしょうか。ホーリーとも、ホープとも違う彼は、ひょっとして、純粋な未来人なのでしょうか。未だに謎の多い人物です。
「僕の話かな?アプフェル君。」
「記憶を思い返していました。」
「そろそろ出番じゃないかな。ニュートン君。最後のピースを手に入れるんだ。」
「ええ、わかっています。」
「セブンスター、歴史也に会ってきた。おお、アプフェルも一緒か。心強いな。」
「ミスターG!戻られたんですか?」
「史也君の様子は?」
「問題なしと言ったところだ。」
「なぜ連れてこなかったんだい?」
「奴は、俺より速い。俺を凌いだ。」
「本当ですか!?」
「なあ、セブンスター。あの化物と、俺達はいつか戦うことになるのか?」
「まだ、わからない。でも、彼はきっと更に強くなる。期待を上回ると信じているからね。」
番外編
「澹」There is no way the world should be―世界にあるべき形など無い
目を覚ますと、太平洋の上にポツンと浮かんだように、体が宙にふわふわと浮いていた。
「僕は…何を………」
《気がついたか》
どこからともなく、その声は聞こえた。突然だった。いきなりだった。その声は僕を知っているようで、待ってくれていたらしい。僕は、その声の主が知りたかった。まるで、テレパシーみたいに。頭の中に直接響いてくるから、テレパシーかと思えば、少し道理が違う。僕が今考えていることに対して、相手は反応してこない。これは・・・テレパシーじゃない。そう確信すると、口が反射的に、手が熱いものに触れた時のように、動いていた。
「あなたは?」
《アクシオム》
「誰なんですか。」
知らない名前だ。僕は今どこにいる。辺り一面真っ暗で、体がやんわりとした暖かい何かに包まれていくのがわかった。これが、”彼”なんだろうか。いや、考えても、考えても答えなんて一向にわかりやしない。わかるのは、ここが極楽浄土か、地獄のどちらかだということ。消えてゆく。滅んでゆく。跡形もなく、それは災害と思わしき何かであり、人智を超えた、何かだ。
《歴史也という青年を知っているだろう》
レキフミヤ・・・誰だろうか。僕がその人物を知っていると”彼”は思っている。生憎、僕は知らない。特徴的な名前だ。覚えておこう。何かに役立つかもしれない。
「…知りませんよ。」
《無駄だ。俺に嘘は通用しない》
「本当に知らないんだ!誰なんだ!」
《俺と手を組め。世界の頂きを見たくないか?》
世界の頂き、この目で一度見てみたい。あのエベレストに登れば見れるだろうか。その景色は僕に何を感じさせるだろうか。
だが、胡散臭い。
「あなた、悪人ですよね?いかにも悪人みたいなセリフを吐いて、『俺と手を組まないか?』えっ、本気で言ってるんですか?誰があなたなんかと…」
《親父に会わせてやる》
「へえ、そうですか。悪いですけど、僕に父はいませんよ。」
《これでもか?》
父との記憶…僕には、父がいない。なのに、僕は父と今話している。父と本を購入している。これは、僕が初めて買った本達だ。僕の好きな作家さん達。
『アい沢沙呼』
『クら知淳』
『シげ松清』
『オ野不由美』
『ムら上春樹』それを、この順番で手にしていく父の姿。父の顔は見えなかった。靄がかかっているみたいで、はっきりとしない。曖昧なんだ。なんで、こうなるんだろう。僕は父に会いたい。
『さあ、受け取りなさい』
「え、お父様!?」
それは、僕の父の声だった。誰が聞いても、その人の声にしか聞こえない。
《声だろうと、音だろうと、どれだけ難解な曲だろうと、思うがままだ。もっと、聞きたくはないか?》
「人の弱みに付け込んで、懐にはいろうとする。そんな人間が嫌いだ。やってることは詐欺師と同じ。でも、僕はあなたが人間じゃないとわかる。もう一度訊きますね。あなたは誰なんですか。」
《アクシオム》
「アクシオム。僕に力を貸してください。目的はなんですか?」
《俺達は、概念だ。欲もなければ、終わりもない。だが、終わらせることはできる》
次回までどうぞよしなに!
Please wait until next time :-)




