表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
If I wasn't me 俺が俺じゃなかったら  作者: VIKASH
Longevity and Misfortune-寿夭禍福
21/24

「21」 God Created Everything By Number, Weight, And Measure―神は、すべてを数と重さと尺度から創造された

―A large(大木も) tree(最初は) starts(1粒の粒子) out(なのだ) as a single(そこから茎) seed(が伸び), then(幹となり) a stem grows, becomes a trunk, and finally(最後には) becomes(枯れ木となる) a dead tree. The(木の成長) tree(はゆっくり) grows(だが) slowly, but it withstands GRAVITY(重力) and(に耐え) stretches(抜き空へと伸びゆく) toward the sky―



「これは、これは、お久しぶりでございます。」


「うん。そうだね。」


「大丈夫ですかね?」


「問題ないよ。ノープロブレムさ。」




 おやおや、どうしたのでしょう。私の脳内にあるマイクロチップから様子を見ていましたが、少し様子が変ですね。何かが違いますね。これは?なんでしょうか。暗くてよくわかりませんが、倒れているのでしょうか。私は、現在、AZ(アズ)と視覚の共有をしています。この脳内にあるマイクロチップに頼れば、人智を超越したことも可能なんですよ。おっと、AZ(アズ)の視界から史也さんが消えましたね。史也(ふみや)さんは、一体どこへ行ったのでしょうか。なるほど………どうやら、TRANTSCEND(トランセンド)と戦っているようですね。いや、違いますね。そうですか。数義(かずよし)さんがいるんですね………となると、私の出番はまだのようですね。いやあ、体が(うず)いてしまって、仕方がないですよ。lol


 とはいえ、私の番は回ってくるでしょう。その前に少し、皆さんに向けて語りましょう。おっと、私が誰か言っておいたほうが良さそうですね。

 私は、ニュートン。皆さん覚えているでしょうか。『日本語は面白いですね』と私が言ったのを。そうですね。言うなれば皆さんご存知の変わり者です。名前は、ポールと言います。ですので、ニュートンは姓です。ポール・ニュートンが私の名前になります。お気づきの方もいるかもしれませんが、かのアイザック・ニュートンと同じ姓です。


By(とこ) the(ろで) way,世の中には、数字があります。皆さんは、数字といったら、何を思い浮かべるでしょう。女性の方は、気にしてやまない年齢でしょうか。歴史が好きな方は、西暦?はたまた数学好きな方は値?もしくは、お金が好きな方は金額?などなど。数字は、この世に(あふ)れかえってます。では、みなさんに質問です。数字に関することは、好きだと思うんですよ。お金だったり、同じく給料だったり、カラオケの点数だったり、はたまた、学生はテストの点数だったりと、ですが、数字そのものを好きな方って、あまりいないんじゃないですかね?確かに多い方がいいし。高い方がいい。だけれど。数式を見たりしても、「別に気持ちが高ぶるわけじゃないな。」といった考えではないでしょうか。稀に数字そのものが好きな人間がいます。ああ、そうですね。源数義(みなもとかずよし)さんも確か、数字が好きとおっしゃっていましたよね。そして、数字の中でも特別「9」という数字に奇妙な程狂おしい程好むのが、彼です。数字といえば………彼なのですが、知らない方も多いかと思いますので、紹介しておきます。HERO=Kです。本名を数多京(あまたけい)。私は、わかったのですが、彼を視覚の共有や、監視カメラ等のハッキングで追っていくと、いくつもの能力があるんです。つまりですよ。彼は、NUMBER(数字)を表しているんです。なぜなら、彼は数字に(なぞら)えた能力を使うからです。

 また、ナンバーズという生命体も存在するそうですね。とある人物から聞きましたよ。数多京(あまたけい)はその生命体と戦っていたとかどうとか、しかし、いずれにせよ、それはホログラムだったのか。もしくは、夢だったのか。悪夢だったのか。現実なのか。非現実なのか。私は、彼ではないので、わかりかねますね。おっと、忘れていましたが、MEASURE(尺度)についてはまたの機会に―――


 次に重さについて話しましょう。私が、『重い力と書いて、重力。それに、動くとも読めます』と発言しましたね。そういえば、ガリレオ・ガリレイが『And yet it moves』と言ったのを覚えているでしょうか。おっと、脱線してしまいましたね。

 実は、私の自己紹介は紛れもないヒントであり、私からすれば、自己開示です。では、何を表しているのか。―――私の力です。私は『Gravity Manipulation』と呼んでいます。日本語で言うと、そうですね。『重力操作』ですが、〈神の創りえし全て〉を満たす内の1つですね。日本に数があり、アメリカに重力がある。その関係は等しく。英雄とジャディシャルズが対をなしているように、存在します。ここからは、私ニュートンの話です。是非、聞いていってください。




Gradu(卒業?)ation? I won't(しませんよ)




 誰にでも、名前というものが存在する。その名前は親から与えられ、一生背負っていかなければならない。

 もちろん私には、名前があった。ニュートンという、それこそ偉大な名前が。私の先祖は、偉人であり、かの有名なアイザック・ニュートンである。アイザック・ニュートンは数々の名言を残しており、『神の叡智は創造の業の中に現れている。』や『私は仮説を用いない。』(など)が有名である。アイザック・ニュートンの凄さはそれだけに(とど)まらず、彼は力学分野において、運動と力の関係を示した三つの基礎法則「運動の法則」を確立し、すべての物体間に普遍的に作用する引力を見出した「万有引力の法則」を発表したほか、数学分野では微積分法を発明するなど、偉大な業績を後世に残した。

 力の国際単位である「ニュートン」(N)は、質量1kgの物体に1m/s2の加速度を生じさせる力のことで、アイザック・ニュートンの業績にちなんで名づけられた。



 話は戻り、私の話です。私は当時、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国つまり、イギリスのロンドンの近郊に住んでおり、幼い頃から、そのアイザック・ニュートンがいたとされるケンブリッジ大学に憧れていました。憧れるあまり、電車で50minutsかけて、ケンブリッジ大学に(おもむ)きました。あのニュートンの林檎の木の子孫とされる、木も現在でも残っており、近くにあるフィッツウィリアム美術館にもよく行きました。


 そういえばウィリアム・・・いえ、マイクロン………彼は何をしているんでしょうか?


 アイザック・ニュートンは、ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジにいたとされていますが、トリニティ・カレッジは現在では存在しません。


 私は、幼い頃から夢見ていました。その「ケンブリッジ大学に行くこと」をです。

 ですが、私は養子でした。親は誰かわかりません。名前だけは名付けられました。名付け親は祖母だと聞いています。


 私は、中学生になった時、FAGAMの特殊施設の見学中に反重力空間の模擬実験にて、事故に会います。


 そんな時。救済者(メサイア)が現れました。別の名をホーリー。ホーリーは、ジャディシャルズの元リーダーでした。偶然、私がアメリカに行くことになり、FAGAMで見学をしている時でした。  

 その事故が原因で、私はホーリーにより間接的に力を与えられるのです。あの事故がなかったら、今の私はいませんよ。

 力というものは、大いなるもので、応えてくれるとは限りません。時には、その力の使用者にさえ刃を向くことだってあります。ですから私も、最初は思うままに力を扱えず、苦労したのを覚えています。初期の初期は、自分を軽くするつもりが、自分に重力の負荷をかけてしまい、危うくぺしゃんこに潰れるところでした。

 ホーリーについてですが、イギリス訛りの英語もなかったですが、時々、声を出さずに口をもごもごと動かしては、誰かと話しているようでした。あの時は、その行動がどういう意味かわかりませんでしたが、今ならわかります。彼女はこう言っていたんです。


The(あなたの) ball's(番です) in your court.』


 私は彼女が去った後、決意しました。学校を辞めることを。理由はいくつかありますが、私は養子なんです。義父や義母がどれだけの出費を私に重ねていたか、その苦労して稼いだお金が、どれだけの労力で、給料になるのかを知っていました。それなのに、やりたいこともわからず、ただ、漫然と学校に行き、お金を消費していくのが、私の性に合わず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そんなことをして、親を………Excu(失礼)se me.Um,仮かもしれませんが、親を泣かせたくはなかったので、私は決意したんです。あのジャディシャルズに加わり、夢を捨てること。夢は捨てても、希望は失わない。かつてのホープのように、正義を執行するんです。それは、自己犠牲かもしれませんが、多くの人々を助けられると考えたら、体がやる気で満ち溢れていきまいした。


 私は、いつも考えていました。ホーリーが何を考えていたのか。「あなたの番です」とは、誰に言っていたのか。ホーリーは、未来人と現代人のミックスで、私に日本語を教えてくたこともありました。


 力を付与(ふよ)してくれました。


 そしてもう一つの名前をくれました。


 私のもう一つの名前は、アプフェル。




Genesis(創世記)




 アプフェルである私は、彼女の目的は知りませんでした。如何(いか)なる考えを持って行動をしているのか。ホーリーが去った後も徐々に、メンバーは集まっていきました。ホーリーが去った後は、私とMr.Gしかいなかったそうです。

 Mr.Gは、元リーダーで、彼女が去ってすぐに、その座を(さず)かったそうです。

 特筆すべきは、彼女がリーダーだった時、アメリカ全土から志願者が現れ、今の少し前のジャディシャルズが結成されたのです。


 ホーリーはたまに不思議なことを言います。「未来では(ニュートン)が生きている」と言ったのでした。


 本当に不思議な話ばかりでした。不思議な話はどれも未来で起こることを予言していました。通常であれば未来で起きることを人間は知りません。

 それに、人間には寿命というものがあるはずです。

 彼女が例え、未来人だとしてもいつの時代の人間かもわからないのに、なぜ私は生きていると断言できるのでしょうか。

 私にはわかりませんでした。


 何が起きるかは、わからないはずです。


 なぜ、知っているのでしょう。


 答えは、神のみぞ知る…いや、ホーリーのみぞ知る…なのでしょうか。


 私にとって、ジャディシャルズは居場所でもありました。


 与えられた重力操作は神の力。神通力とでも言うのでしょうか。


 ホーリーは、こうも言っていました。


「私は、行かなければならない」


 意味がわかりませんでした。


 ホーリーは、希望なのです。引き止めるべきでした。


 ですが、私もホーリーも忙しく、それ以上は、聞けませんでした。


 アメリカで、W.D.C事件が起きたのは、私が、ヒーローになる前のことでした。


 とある実業家が、人工知能を搭載した、ロボットを造りました。それは人々を守る計画でした。ロボットは、武装こそしていましたが、犯罪者を倒し、街に平安を築いたのです。それにより、ジャディシャルズは必要とされなくなりました。


 そんな時、私達の世界とは別に存在するとされる、異なる世界から、ヴィランが現れました。ヴィランは恐ろしく強く。人々や、ロボットを洗脳し味方を増やしていきました。気づいた時には、アメリカは、国の機能を著しく失っていました。ジャディシャルズも圧倒されていました。

 そんな時でした、希望の光が現れました。彼こそが、ホープです。あれは、魔法です。それ以外に考えられません。実は、それも予言通りなんです。ホーリーは言っていました。「メサイアが現れる」と。


 私が、彼に訊ねると、彼は戦いの(のち)自分の歴史を語りました。そして、言ったのです。ジャディシャルズを再結成すると………私は、落ちこぼれでした。「私でいいのですか?」と聞きました。「君だからいい」とい言われました。ホープは、日本語で話すことが多かったので、私は日本語を必死で勉強しました。そして、幾度も巨悪と戦いました。ジャディシャルズは、ホープの指示の元、その名を再びアメリカ全土に轟かせます。そして、ホープは役目を果たしたかのように、忽然(こつぜん)と消えます。必死に探しましたが、見つけられませんでした。どこに行ったのでしょうか。


 そんな時でした。


 私の前に、七星(ななせ)と名乗る日本人が現れたのです。私が、カフェでTeaを飲んでいると、彼は入ってきて、話しかけてきました。


You(紅茶) like(好きなん) tea(ですよね?), right?」


「日本語訛りが強いですね。日本語でも結構ですよ。」


「そうかい、君は?」


「ニュートンです。」


「これは、失礼。申し遅れたようだね。僕は、数多七星(あまたななせ)。」


「何が目的ですか?」


「君にはわからないよ。僕たちはね、人間に似ているけど、人間とは違うじゃないか。」


「そうですね。それは、私も同じです。ホーリーから、力を授かりました。この大いなる力を、行使して、悪を倒してきたのです。ところで、私の質問に答えてください。もう一度問います。何が目的ですか?」


「おっといけない。僕の悪い癖だ。僕にはね、変異体がいてね。その変異体は、元は単なる有機体に過ぎなかったんだよね。それがさ、ナンバーズ7なんだ。でも僕は、人間かのように振る舞い生きてる。で僕に話してくれた。HERO=Kと戦った時。敗北した時。無に帰った時。彼は言ったんだ。『僕は、これでよかったのかな』ってね。でもさ、よくないと思うんだよね。誰も喜ばないんだよね。ホーリーは、いないのかい?僕は、彼女と話がしたい。」


「・・・どういうことですか?」


「僕に、日本は狭すぎたのさ。もっと広い土地で、活躍したい。もっと、多くの人を救いたい。知ってるかい。アプフェル君。今、日本は、未来人たちによって結束しつつある。アメリカにも、ジャディシャルズがあるだろう。で、だね。日本にも、英雄という名前の組織があるんだ。」


「話が読めません。」


「―――僕を、ジャディシャルズに、入れてくれないかい?」


「何を言っているのです。」


「あんまりだなあ。ガッカリさせないでくれよ。僕は、喜びたいんだ。君もだろ?ポール・ニュートン君。」


「名乗っていません。なぜ知っているのです?」


「僕は、お見通しさ。ジャディシャルズを集めてくれないかい?」


「………わかりました。」





 一週間後。ジャディシャルズの緊急会議が開かれました。リーダーの去ったこのチームは、崩壊寸前でした。私はこうしたい。やりたいことをやりたい。俺は、必要ないと思う。なぜなら、必要とされていない。等。様々な意見がありました。


「お待たせ。ヒーローはいつも遅れてやってくる。」


Beat(失せろ) it.」


「I couldn't(気にしてないけどね) careless.」


Who(誰ですか) is him? I() haven’t(は知らない) clue.」


I’m(僕は) SEVEVN(セブンスターさ)STATR.」


Um(あの), what(なんて) ?」


How(君達は) many(何人いる?) of you are there?」


Excuse(失礼) me. If(もし) Holly(ホーリーが) was(がいれば) there(6人だった), there would have been six.」


So(だから) I'm(僕は) the(7番目) seventh. That's(だから僕は) why I'm SEVEN(セブンスター)STAR.」


 そして、数多七星(あまたななせ)ことセブンスターは私達の前で、驚くべきことを行いました。ここでは、黙っておきますね。

 彼は触れるだけで―――




 ジャディシャルズ総員でも、彼には敵いません。なぜなら―――


「………わかりました。あなたがリーダーに相応しいですよ。」


 日本人が、リーダーになること自体異例の事でした。Mr.Gも彼には勝てません。その地位を譲ることになります。今のアメリカの平穏は、彼によって守られているのです。何者なのでしょうか。ホーリーとも、ホープとも違う彼は、ひょっとして、純粋な未来人なのでしょうか。未だに謎の多い人物です。


「僕の話かな?アプフェル君。」


「記憶を思い返していました。」


「そろそろ出番じゃないかな。ニュートン君。最後のピースを手に入れるんだ。」


「ええ、わかっています。」


「セブンスター、歴史也に会ってきた。おお、アプフェルも一緒か。心強いな。」


「ミスターG!戻られたんですか?」


「史也君の様子は?」


「問題なしと言ったところだ。」


「なぜ連れてこなかったんだい?」


「奴は、俺より速い。俺を(しの)いだ。」


「本当ですか!?」


「なあ、セブンスター。あの化物と、俺達はいつか戦うことになるのか?」


「まだ、わからない。でも、彼はきっと更に強くなる。期待を上回ると信じているからね。」

番外編

「澹」There is no way the world should be―世界にあるべき形など無い

   



 目を覚ますと、太平洋の上にポツンと浮かんだように、体が宙にふわふわと浮いていた。


「僕は…何を………」


《気がついたか》


 どこからともなく、その声は聞こえた。突然だった。いきなりだった。その声は僕を知っているようで、待ってくれていたらしい。僕は、その声の主が知りたかった。まるで、テレパシーみたいに。頭の中に直接響いてくるから、テレパシーかと思えば、少し道理が違う。僕が今考えていることに対して、相手は反応してこない。これは・・・テレパシーじゃない。そう確信すると、口が反射的に、手が熱いものに触れた時のように、動いていた。


「あなたは?」


《アクシオム》


「誰なんですか。」


 知らない名前だ。僕は今どこにいる。辺り一面真っ暗で、体がやんわりとした暖かい何かに包まれていくのがわかった。これが、”彼”なんだろうか。いや、考えても、考えても答えなんて一向にわかりやしない。わかるのは、ここが極楽浄土か、地獄のどちらかだということ。消えてゆく。滅んでゆく。跡形もなく、それは災害と思わしき何かであり、人智を超えた、何かだ。


《歴史也という青年を知っているだろう》


 レキフミヤ・・・誰だろうか。僕がその人物を知っていると”彼”は思っている。生憎、僕は知らない。特徴的な名前だ。覚えておこう。何かに役立つかもしれない。


「…知りませんよ。」


《無駄だ。俺に嘘は通用しない》


「本当に知らないんだ!誰なんだ!」


《俺と手を組め。世界の頂きを見たくないか?》


 世界の頂き、この目で一度見てみたい。あのエベレストに登れば見れるだろうか。その景色は僕に何を感じさせるだろうか。

 だが、胡散臭い。


「あなた、悪人ですよね?いかにも悪人みたいなセリフを吐いて、『俺と手を組まないか?』えっ、本気で言ってるんですか?誰があなたなんかと…」


《親父に会わせてやる》


「へえ、そうですか。悪いですけど、僕に父はいませんよ。」


《これでもか?》


 父との記憶…僕には、父がいない。なのに、僕は父と今話している。父と本を購入している。これは、僕が初めて買った本達だ。僕の好きな作家さん達。

『アい沢沙呼』

『クら知淳』

『シげ松清』

『オ野不由美』

『ムら上春樹』それを、この順番で手にしていく父の姿。父の顔は見えなかった。靄がかかっているみたいで、はっきりとしない。曖昧なんだ。なんで、こうなるんだろう。僕は父に会いたい。


『さあ、受け取りなさい』


「え、お父様!?」


 それは、僕の父の声だった。誰が聞いても、その人の声にしか聞こえない。


《声だろうと、音だろうと、どれだけ難解な曲だろうと、思うがままだ。もっと、聞きたくはないか?》


「人の弱みに付け込んで、ふところにはいろうとする。そんな人間が嫌いだ。やってることは詐欺師と同じ。でも、僕はあなたが人間じゃないとわかる。もう一度訊きますね。あなたは誰なんですか。」


《アクシオム》


「アクシオム。僕に力を貸してください。目的はなんですか?」


《俺達は、概念だ。欲もなければ、終わりもない。だが、終わらせることはできる》












次回までどうぞよしなに!

Please wait until next time :-)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ