3つの要員
着校から2日目、僕らは騎士幹の制服に初めて袖を通した。黒ベースで赤いラインのある、前を3つのボタンで止める襟付きの上着、下は胸に刺繍の入ったシャツ、ズボンは黒く、外側に赤いラインが上から裾まで伸びている、そんなカッコいい制服だ。
靴は革靴なのだが、制服もそうだが僕が朝着替えようとする時にはもうしわも伸ばしてあり靴も磨かれていた。いつのまにやったんだろう。
でもこの制服を着ると身が引き締まる思いだ。
今日は入校式練習兼この学校の説明会らしい。僕らは舎前に整列し、ぎこちない部隊行動をとって会場へ向かう。
こうしてみると僕らの部屋や中隊以外にもたくさん1年生がいるようだ。当然といえば当然なのだが、この人数は圧感だ。
僕らは会場に着くと、席について背筋を伸ばす。
「えー、ではまずは騎士幹の説明会からしましょうか」
1年生が全員会場入りしたのを見て、司会者の教官がそう言った。
「えー、皆さん知ってると思うけど、ここは王国騎士の幹部を育成する学校です。皆さんはここで4年間みっちり学んでもらいます。皆さんは共通要員なのでまだ関係ないですが、2年生から3つの要員に分かれてもらいます」
司会者は部下に合図を出す。すると部下が大きな模造紙を3つ持ってきた。
「まずはこれ、戦争の要であり花形、陸戦士要員! 次は超ロングレンジから攻撃や防御を行う、己の魔力と知能が武器の騎士、魔導戦士要員! 最後はワイバーンに乗って空で戦う航空戦の要、航空騎士要員! この3つに分かれて専門教育を受けることになります」
騎士ってひとつじゃなかったのか。僕はどうしようかな。
「今皆さんが分かってなければならないのはこれくらいですかね。あとは追々学んでいけばいいです。次に入校式後の流れを説明しますね」
教官が言うには、入校式後に剣貸与式を終えてから、1年生としての生活が始まるそうだ。結構緊張してきたなぁ。
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