6/10
秋山麗奈の心の内 あなたという光に小さな花を
自ら閉ざしたはずの未来。
全身が冷たく震えるような灰色の世界に差し込んだ小さな光は眩しくて。
光は、安寧と言うには程遠く、ちらりと闇が見え隠れするけれど、私の世界を色で満たそうと、それでも煌々と照らしてくれた。
花が咲き、いつしか色めき始めた世界に胸が沸き立つ。
だから私も花を咲かせたい。私という花であなたの世界を色で満たしたい。
空回りする現実。
凍り付いた土を溶かすには繋いでいた時の鎖は硬すぎて。
少しずつ溶けていく氷、滴る水滴は感情の受け皿に溜まっていき、氷が溶け切ることは無いけれど。
時間をかけて小さな花を咲かせたよ。