男の娘をめちゃめちゃにしたい、クール系女子の気持ち。
本当なら、同居人の男の娘をめちゃくちゃにしたい。
しかしそれは出来ない。
なぜなら彼とはまだ付き合っておらず、彼は薄着で歩いている私に、そっと上着をかけてくれるような紳士、私は彼の信頼を裏切りたくないからだ。
時間は刻刻と過ぎていく、私はどうしたらいい。
もし、私の理性が崩壊して、無理やり迫っても、彼は抵抗しないだろう。
いつもそう、私がこれをしたいって言ったら、決まって「しょうがねえな」って困り顔をしながら受け入れてくれる。
責めも、受けも、いざことに及べば、ノリ気にさせる自信もある。
だけどそれじゃ意味がない、彼の可愛い表現がみたい。
切なげな顔で、懇願する彼に、ちょっとだけ意地悪をして、それから――。
周囲がざわめき始めた。
「麗奈?そんな赤い顔してどうした?」彼、悠太が私の顔を覗き込み、言った。
「本当だ、麗奈さんお熱かな。悠くん、お家に連れて帰ってあげなよ」彼の幼なじみが心配してくれる。
私は決めた。
この欲望は解放せずとっておく。
いつか彼の方から手を出してくれるその日まで、これは私自身に対する枷であり、興奮材料。
その時を迎えるまでのお楽しみだ。
彼に付き添われ、寝室に来た。
優しくベッドに寝かされ、ふわふわの掛け布団が私を包む。
「熱、下がるといいな」
彼の唇が、私の額に触れた、柔らかくて暖かい。
今はそれでいい。