表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
382/383

最後の旅路



 ケイトの尖った声が聞こえて、マサユキは軋む膝をなだめながら玄関に向かった。


「間違いじゃないの?」

「だから、オカモト魔道具店のケイトさんってアンタなんだろ?」

「そうだけど……」

「宛名、間違ってないなら受領書くれよ」


 苛立った配達の少年の声がケイトを急かすが、彼女は差し出された封書を避けるように両手を隠したままだ。


「どうしたの?」

「あ、魔術師先生、娘さんに手紙来てるんだけど、受け取ってくれないんだよ」


 父娘と間違えられて顔をしかめるケイトの腕を優しく叩いて、マサユキは彼女の代わりに署名し手紙を受け取った。


「シュウからの手紙だよ」


 差出人を確かめて渡すと、ケイトは目を丸くして笑った。彼女の交友関係は狭く限られており、手紙を送ってくるような付き合いの知人は少ない。


「何年……ううん、何十年ぶりかな。忘れられてたわけじゃなかったのね」


 懐かしい名前だった。五十年、いや六十年近くなるかもしれない。それくらい遠い昔に、二人を救ってくれた同郷の冒険者の名前だ。


「今まで一度も手紙なんて寄こさなかったのに、どういうつもりかしらね」


 少しばかり恨めしげだが、ケイトの表情は明るい。彼女が正体を隠さずにいられる数少ない友人だ。残念なことにアレ・テタルではそのような人物と出会えなかった。

 喜ぶ妻の笑顔は嬉しいが心苦しくもあり、マサユキは申し訳なくて目を伏せる。

 居間に戻りクッションを重ねた椅子に並んで腰を落とす。膝の痛みを撫でて散らしながら、ケイトが手紙を読み終えるのを待ち、たずねた。


「それで、シュウはなんて?」

「ええとね、ヘル・ヘルタント国に行く途中に寄るそうよ」


 手紙には久しぶりに陸路のゆったりとした旅をしていること、ヘル・ヘルタントの知人を訪ねてゆく途中で、アレ・テタルに立ち寄るので会いたい、と書いてあった。


「五十年以上もなしのつぶてだったクセに、今ごろなんなのかしらね」


 ぷうっと頬を膨らませているが、ケイトは嬉しそうだ。同郷の、しかも同世代の同じ獣人族に会えて嬉しいのだろう。

 妻の帽子の下の愛らしい猫耳がピクピクと跳ねているのに気づき、マサユキは決意した。


「ケイト、俺たちもヘル・ヘルタント国にいかないか?」


 旅行の予定も、仕事で隣国に出かける予定も入っていなかったのに、脈絡もなく提案されて、ケイトはぽかんと口を開けた。


「前に誘われていた転移獣人の隠れ村、そこを訪ねていく良い機会だと思うんだ」

「ど、どうして」


 突然パラデイ村を持ち出されて、ケイトは顔を強張らせた。懐かしい再会への期待が消え、表情が不安に曇る。怒りが湧き出しそうになるのを堪えて、ケイトは何故今ごろになって、と問うた。


「あの村には移住しないって、決めたじゃない」

「そうだね。人族の移住は認めないって、僕が断わられてしまったからだ」


 二十年前、異世界転移者の存在がおおやけになった。もちろん誰もが知るわけではなく、冒険者ギルドをはじめとした各職ギルドの上層部と、領主以上の為政者たちに、自分たちのような者の存在が認知された。同時に冒険者ギルドが主体となって、転移者の一時保護と教育の施策がはじまったのだが、その直後だ、転移獣人の村が冒険者ギルドに密かに接触してきたのだ。

 行き場のなかった転移獣人らが密かに集まり作られたパラデイ村。秘境ともいえる奥地にも、転移者施策の噂は伝わったらしい。存在を隠し続けてきた彼らは、その施策が本当に自分たちの救済になるのか、同胞の救いになるのか、見定めるために現れたという。

 人族の各ギルドの監視と、困窮する獣人らの救済窓口として、密かに村を創設した数名が主だったギルドに接触した。アレ・テタルにもパラデイ村からの使者が訪れていたのだが、ケイトは偶然彼らと出会い、村への移住を持ちかけられたのだ。


「ケイトは行きたかったんだよね? でも俺を受け入れてもらえなかったから、断わった」

「当然でしょ。私はマサユキと別れるつもりないもの」


 アレ・テタルは己を隠して生きやすい街だが、それでも猫獣人であることを隠し続けていたケイトが、転移者だけで暮らす村と聞いて気持ちが揺れていたのをマサユキは知っている。夫婦で話し合い、その村への移住を決めたのだが、パラデイ村は転移者であっても獣人ではないマサユキの移住を認めなかった。

 ケイトだけ移住するか、夫婦でアレ・テタルに残るか。何日も話し合って、二人はアレ・テタルに残る選択をした。それ以来、ケイトはパラデイ村の外部連絡窓口の役割を担っている。数年に一度は村から隠れ獣人が訪れるが、二人に移住をすすめることはなく、ケイトの無事と暮らしぶりを確かめて帰って行くのだ。


「パラデイ村は今も変わってないわよ。去年やってきたナナミさんからもヒトシさんからも、誘いの言葉はなかったじゃない。まだあの村はマサユキを受け入れるつもりはないんだよ。だから」


 だから移住なんて考えていない。ケイトがそう続けようとした言葉をマサユキは遮った。


「俺は無理でも、ケイトだけなら受け入れてもらえるだろう?」

「……何を言ってるの」


 クシャリ、と。彼女の手の中でシュウの手紙が握りつぶされた。

 力のこもる彼女の手は、少し荒れてはいるがシワもなく若々しい。それに重ねたマサユキの皺だらけの手は、配達冒険者の言葉通り父と娘ほどに違っていた。


「ケイト、よく考えよう。俺はもう七十代の後半だ。人族の、俺の寿命はそれほど長くはない」

「魔術師は長生きするって言うじゃない!」

「うん、魔力があるからね、ない人よりは少しだけ長生きできると思う」


 しかしマサユキは、自分程度の魔力量で伸びる寿命は、ほとんど誤差の範囲だろうと確信していた。自分の手と彼女の手を並べて、現実から目を逸らさぬようにと示す。


「でもきみより早く死ぬのは事実だ」

「マサユキ!」


 獣人族は早く成長し、人生のほとんどを成獣期で過ごし、寿命の十年ほど前から老齢期がはじまるのだ。夫婦である二人の実年齢は二歳しか違わないのに、今では父娘どころか、祖父と孫に見えるほどに見た目の差は広がっている。アレ・テタルで暮らしはじめたころは夫婦と名乗っていたのに、今は奇異の目で見られてしまうマサユキのために、ケイトは二人の関係を「家族」と曖昧に誤魔化すようになっていた。


「俺がいなくなって、ケイトは何としてアレ・テタルで生きるの?」


 何として?

 マサユキの問いかけに、ケイトは膝の上の手を強く握りしめた。


「祖父を亡くした孫娘として、アレ・テタルで暮らすの?」

「……酷いよ、マサユキ」

「うん、ごめん。でも、ずっと嫌だったんだ」


 はじめて聞かされたマサユキの思いを知り、ケイトが目を見張る。


「俺は夫婦だって思ってるのに、まわりはそう思わない。仕方ないことだけれど、でもケイトも同じなんじゃないかって思ったら」

「そんなわけないでしょ! マサユキは私の夫!! お爺ちゃんなんかじゃない!」


 歯を食いしばるケイトが、そんなつもりで「家族」と言ったんじゃないと叫んだ。


「私は夫婦だって言いたかった。でもマサユキがロリコンのスケベジジイだって噂されてっ。私のせいで悪く言われるのは嫌だったから!」

「わかってる。八つ当たりしてごめん。俺のせいで嘘をつかせて、ごめん」


 アレ・テタルは住人の入れ替わりの激しい街だ。隣人への興味も薄く、人目を忍ぶケイトには暮らしやすかった。けれど時が経つにつれ、素で生きるには息苦しくなってきた。

 マサユキは妻の握り拳をいたわるように撫で、穏やかに言葉を尽くす。


「俺はケイトと、堂々と夫婦だって名乗って最後まで暮らしたいんだ。でも今のアレ・テタルでは難しい。だからシュウさんたちの旅に同行させてもらって、パラデイ村に行こう」


 転移獣人の村なら、同郷の異種族夫婦を奇異の目では見ないだろうから。それに、自分が死んだ後のケイトの居場所も作れる。


「……でもあの村は、今も人族を避けてるのに。転移者の人族も警戒してるのよ、マサユキが拒絶されたら、私だけで移住するの? そんなの嫌よ」

「そこはね、頼み方次第じゃないかって思うんだ」


 パラデイ村の住人が積極的に移住者を求めていたころは、まだ彼らも人族への警戒が強かった。けれどあれから二十年が経って、ケイトとの細々とした交流の中で、マサユキとの信頼関係もある程度築けている。


「今なら俺が魔術師である利点をアピールすれば、移住が許されるんじゃないかと思うんだよ」


 灰級魔道具師であるマサユキにできることはそれほど多くはない。けれど魔力を持たない獣人の村でなら、きっと役立つはずだ。そこを上手に交渉すれば、特例としてパラデイ村への移住も認めてもらえるのではないだろうか。


「……ナナミが、魔道ランプをいっぱい買っていたのは覚えてるわ」

「こんな遠くまで修理に持ってこなくても、村に移住すれば便利だと彼女も賛成してくれるんじゃないかな」


 それにもう一つ、マサユキには交渉に有利な条件があった。

 人族のマサユキの寿命はあと数年だ。多少魔力で伸びたとしても、八十そこそこで人生は終わるだろう。あと九十年近く生きるケイトら獣人族にとって、人族が隣人となるのはほんの数年だと持ちかければ、彼らも譲歩しやすいのではないだろうか。


「マサユキ……膝、痛いんでしょ?」

「痛み止めがあれば大丈夫だよ。魔道具店を売れば、乗り心地のいい馬車が買えると思うし」

「長旅は危険よ」

「だからシュウに護衛をお願いするんだ」


 ケイトから笑顔が見られなくなったころから、マサユキはアレ・テタルを出ることを考えてきた。けれどシュウからの手紙がこなければ、きっと決断できないままこの街で一生を終えていただろう。五十年もの時間を経た今ごろ、シュウが連絡を寄こし、ヘル・ヘルタントに向かうと知った。それはきっと神様が自分たちの背中を押してくれたのに違いない。


「途中まででもシュウが同行してくれたら安心だし、きっと楽しい旅になるよ」

「そう、ね、楽しかったよね」


 ウナ・パレムを脱出し、雪山を登り、洞窟を這って国境を越え、行商をしながら馬車に揺られた日々が鮮明に思い出されて、ケイトの顔が楽しげにほころぶ。


「シュウに断わられないかしら?」

「交渉は俺にまかせて。昔と変わらないのなら、シュウは老い先短い老人の願いを無碍にできないはずだからね」


 断わられても押しかけよう、と二人は手を取り合って旧友には傍迷惑な決意を固めた。


   +


 シュウが彼らを訪ねてきたのは、手紙を受け取った一ヶ月後だった。


「マサユキさん、貫禄出てるじゃねーか」


 昼下がりにオカモト魔道具店の扉を叩いたシュウは、マサユキを見て驚き、すぐに満面の笑顔になった。手紙がケイト宛てだったのは、マサユキが存命だと知らなかったからだろう。事実、自分たちと同時期に転移し今も生きている人族は少なくなった。アレ・テタルにある人族の同郷会も、ずいぶんと顔ぶれが変わっている。


「シュウって、想像してたより若い……いや、幼いのかな?」


 彼は同じ獣人族のケイトより少し若く見えた。顔つきは三十手前というところだが、表情は相変わらず若々しい。いや、わんぱく小僧の気質が抜けないままといったほうが的確だろうか。


「五十年も音沙汰なしなんて、薄情よね」

「あー、ごめん?」

「シュウくんのことだから、いろいろ満喫するのに忙しかったんだろうけど?」

「ははは、当たってる。ケイトさんも元気そーで安心した」


 帽子を脱いだケイトが、他人の前で心からくつろぐ姿を見るのはずいぶんと久しぶりだ。殺風景になった店に招き入れ、一人でやってきた彼に菓子と茶を振る舞った。

 シュウは店内を見回して首を傾げた。


「商品ねーけど、魔道具店、やめちまったのか?」

「俺ももう歳だしね。ところでシュウ、ヘル・ヘルタントに寄る途中って手紙にあったけど、王都観光か何かかな?」

「ちげーよ。国境から北にのびてる街道、昔一緒に帰ってきたほうの道沿いにある田舎に知り合いがいるんだ」

「急いでるのかな?」

「そーでもねーかな。俺らいっつもバタバタしてたから、たまにはのんびり行こーかって」

「そうか、それはよかった」


 目的地と移動計画を聞き出したマサユキは、シュウをまっすぐに見あげてにっこりと微笑んだ。


「ちょうど俺たちもヘル・ヘルタントのコーリクスって田舎町に行くんだ、よかったら道中の護衛をしてもらえないかな?」

「へ?」

「もちろん護衛費用は払うよ、相場の二倍でどうかな?」

「いやいや、なんでいきなり」

「いきなりじゃない、シュウが手紙をくれてから一ヶ月あったからね。準備をする時間はたっぷりあったよ」

「そーじゃねーよ。マサユキさん、まさかあんたこの店を――」


 年齢を理由に店じまいしたのだと勘違いしたが、自分の来訪にあわせて何もかも片付けたのだと気づいたシュウは大慌てだ。


「マジカー」

「シュウにしか頼めないんだよ。ほら、ケイトはさ」

「お願い、シュウくん。さすがに半月以上も一緒に行動して、バレないでいる自信がないのよ」

「いや、ケイトさんの事情はわかってっけどよー」


 ケイトが人族を警戒するのは理解できる。だが騙し打ちは酷いだろ、とシュウが頭を掻く。

 マサユキとケイトはそろって頭を下げた。


「正式に、契約をお願いしたい。俺たちの護衛を頼めないか? できればコーリクスまで、無理ならシュウの道程と重なるところまででいいんだ。どうだろう?」

「……なんでその町に行きてーんだよ?」


 ケイトが何か困っているのなら、望めば今からでも転移獣人への支援も受けられるはずだ。ウナ・パレムから逃れて、アレ・テタルで生活を立て直して、立派な魔道具店を営むまでになったのに、それらを手放してまで街を出ようとする理由をシュウはたずねた。

 マサユキとケイトは顔を見合わせ頷き合って、パラデイ村の存在と、移住を決めた二人の話し合いの全てを語った。

 途中で口を挟むことなく最後まで聞いたシュウは、その長い話に見合うだけの深いため息をついていた。


「……コーリクスって、どこにあるんだよ?」


 嫌そうに顔をしかめたシュウが、ぼそりと問う。


「まだ引き受けるって言ってねーからな!」

「もちろんわかってるよ。コーリクスはここだ」


 浮かれる気持ちを抑えて、マサユキは地図を示した。コーリクスはパラデイ村に最も近い人族の町だ。マサユキとケイトは村の場所を教えられていないが、コーリクスで転移獣人らと連絡を取る方法は教わっていた。そこまで辿り着ければ、あとは自分たちでどうにかするつもりだ。

 じっと地図を見据えていたシュウが、ぼそりと呟いた。


「……近けーじゃん」


 渋面でポリポリと顎をかく。


「返事は……明後日でいーか?」

「ああ、大丈夫だ」

「ありがとう、シュウくん」

「だから俺はまだ引き請けてねーよ」

「わかってる、これは最後まで話を聞いてくれたお礼よ……私たちの事情を話せる人はほとんどいないから。ありがとう」


 重ねて礼を言われたシュウは、ますます苦くて酸っぱいものを間違って食べてしまったときのような顔になって、悔しそうにそっぽを向いた。

 長い話が終わったころには、もう空が暗くなりはじめていた。

 膝をなだめながら見送りに出るマサユキに、シュウがぼやく。


「そんな体で長旅なんてできんのかよ?」


 老体を考えて依頼を取り下げろ、としかめっ面が訴えている。マサユキは心配するなと笑顔で返した。


「痛み止めは自分で作れるから大丈夫だよ」

「薬草は私が採取するから、シュウくんは何もしなくていいわよ」


 シュウの薬草採取下手を知る二人は、介護は必要ないときっぱり言った。


「じゃーな」

「今日はありがとう、シュウくん」

「会えて嬉しかった。返事、期待しているよ」

「……」


 むすっと口を尖らせたシュウが、二人に背を向け歩き出す。

 足取りは荒く、苛立ちをぶつけるかのようだ。

 そのシュウが角を曲がる前に足を止め、くるりと振り返って、マサユキとケイトを拗ねたように睨む。


「ちくしょーめ」


 二人の前に駆け戻ってきたシュウが吐き捨てた。


「なんで引き止めねーんだよ! 俺が明後日の約束をブッチしたらどーすんだ? あんたら年取って警戒心が鈍ってんじゃねーか?!」


 五十年ぶりの顔見知りをそこまで信用するな、と怒るシュウを、二人は眩しげに見あげた。


「シュウを警戒するわけないよ」

「そうね、シュウならちゃんと約束は守ってくれるって知ってるもの」

「わかんねーぞ、俺だっていろいろ経験して変わってるかもしれねーだろ」


 二人は顔を見合わせ、おかしそうに笑った。


「シュウは変わってないよ」

「うん、良くも悪くもシュウはシュウね」

「なんだよ、くそー」

「それにね、約束を破られたなら、それでもいいと思ってる」

「そのときは冒険者ギルドで護衛を雇って出発するだけだしね」


 マサユキにもケイトにも、信頼できる護衛が雇えなければ二人で旅をする覚悟はできていた。


「あー、もうっ!」


 ガシガシと鉢巻きが外れそうなほど乱暴に頭を掻いたシュウは、むすっとしたまま腰鞄から数個の小瓶を取り出した。

 銀鈴のタグのついた瓶を押しつけられたケイトが何だと視線で問う。


「――土産、渡し忘れてた」

「あら、ジャムなのね」

「ピナとレギルとキルシエだ」

「すてき。美味しそうだわ」

「……じゃ、明後日な」


 今度こそシュウは表通りへと姿を消した。


   +


 二日後の昼下がり、約束通りに訪れたシュウは一人の同行者を連れていた。

 深く被ったフードで顔を隠したその人物は、シュウよりも小柄で気配が薄い。室内に入り、扉が閉まったのを確かめてから、その人物はフードを外した。


「うそっ、あ……アキラくん!?」

「お久しぶりです、ケイトさん、マサユキさん」

「……どうして、だって、えぇ?」

「アキラさんも、獣人だったのですか? いやでも、若すぎるような」


 銀髪の美貌は五十年経ってもほとんど変わっておらず、シュウより十歳近くも年下に見えた。いくら獣人が若作りといっても、限度がある。

 膝の痛みが悪化しそうなほど、マサユキの足が激しく震えていた。

 アキラは腰を抜かしそうな二人を椅子に座らせ、ゆっくりと耳飾りを外した。

 長く尖った耳が、銀髪の間から現れる。


「エルフ……」

「転移獣人がいるのですから、転移エルフがいても不思議ではないでしょう?」


 アキラの微笑みに、二人はぐったりと背もたれに体をあずけた。


「それ、幻影の魔武具だったのね」

「ええ、師匠が私のために作ってくれました」


 アキラの言葉に、ケイトの表情が曇った。

 驚きから立ち直ったマサユキが、目を伏せる彼女の手をやさしく握る。


「シュウへの依頼の返事をする前に、どうしてもお聞きしたかったんです。ケイトさん、幻影の魔武具を使っていないようですが、どうされました?」

「あ……」


 彼女は帽子の上から耳を押さえた。

 ウナ・パレムにいたころの彼女は、猫耳を隠すために派手な飾りを編んだ帽子をいつも被っていた。アレ・テタルに移って、ミシェルから詫びとしてカチューシャ形の魔武具を受け取ってからは、帽子を着用しなくなっていたのだが。


「壊れちゃったのよ」

「修理は……」

「こんな高技術な魔武具の修理なんて、俺にはとても無理ですよ」


 ミシェルが存命なら修理を頼んでいたかもしれないが、壊れたのは二十年近く前だ。制作者はそれよりもさらに二十年も前に亡くなっている。


「捨ててはいないのでしょう? 私なら修理できるかもしれませんよ」


 幻影の魔武具が再び使えるようになれば、アレ・テタルを離れる必要はなくなりませんか?

 アキラがそう問うと、ケイトは涙を堪えるように微笑んだ。


「さすがアキラくん、こんなすごい魔武具も扱えるのね。でも、獣人なのを隠すだけじゃ駄目なの」


 ケモ耳と尻尾を隠せても、マサユキと離れてゆく年齢差は誤魔化せない。パラデイ村から偵察に来ていたヒトシとナナミの兄妹に、ケイトが獣人であると見破られたのも見た目の年齢差が原因だった。

 兄妹が同時期に転移した獣人族同士で、つい警戒を緩めてしまったのが、魔武具が使えなくなるきっかけだった。問われるままに幻影の魔武具を教えたケイトは、同じ物が欲しい、どうやって手に入れるのかと詰め寄られてはじめて、失敗に気づいた。

 制作者が亡くなっていて二度と手に入らないと説明すると、妹のナナミは仕方がないと諦めたが、兄のヒトシは怒った。人族の街で安全に暮らせる場所のあるケイトには不要だ、自分たちのように人族の中で生きられない者にこそ必要な道具だから譲れ。そう言って彼にカチューシャを奪われた。

 シュウのサークレットが彼にしか使えないのと同じく、カチューシャはケイトの猫耳と尻尾は隠せても、ヒトシやナナミの兎耳は隠せない。それがわかるとすぐにケイトの手元に戻ってきたのだが、ヒトシの扱いが乱暴だったのだろう、カチューシャは壊れてしまっていた。

 ナナミが兄の頭を床に叩きつけて、自分も額を地面にこすりつけて謝ってくれた。けれど壊れてしまった物はどうしようもない。それに、ヒトシの言葉はある意味正しいとケイトも感じていたのだ。

 いくら獣人であることを隠せても、マサユキとの見た目の年齢差が開くのを誤魔化すことはできない。アレ・テタルでの暮らしの中でいつしかケイトの隠し事は「獣人族であること」から「夫婦であること」にすり替わっていた。


「ケモ耳を隠せても、私がマサユキの孫に見えてたら、やっぱりのびのびとはできないの」


 マサユキの隣に立って、妻だと名乗りたいのに、それをすると夫が悪く言われてしまう。世間に反発して意固地になっていたときもあった。けれど助けてやろうなんて勝手な思い込みで余計な行動に出る者もいて、身を守るためにも結局嘘をつくしかなくなった。


「もうアレ・テタルはいいわ。マサユキがパラデイ村に受け入れさせるって約束してくれたから、私は一緒に街を出るの」

「……もしその村が、マサユキさんの魔術師としての価値を認めつつも受け入れなかったとしたら、どうするのですか?」


 二人はしっかりと手をつないで、頷き合ってから答えた。


「そのときは別の村か町に行くわ。冒険者ギルドの転移獣人への支援策を頼って、二人で堂々と暮らせる場所を紹介してもらうつもり」

「転移獣人が必要としない程度の魔術師でも、田舎の村や町には歓迎してくれるところはあると思うんだ」


 いろいろな制約はあったけれど、アレ・テタルの暮らしは悪くなかった。けれどマサユキの命の終わりが見えてくると、このまま小さな刺をこらえたまま暮らしたくないと思ってしまった。


「それで、どんな返事をもらえるのかな?」


 ケイトは祈るように、マサユキは穏やかに目を細めて、アキラとシュウの返事を待った。


「マサユキさんたちは移動手段をどうするつもりなのです?」

「馬車を買ったんだ。天井は幌だけど側面はしっかりとした板張りで、扉には内鍵もあって防犯もしっかりしてる」

「馬は冒険者ギルドで予約済みよ」


 床には絨毯を敷いて、椅子やテーブルは壁に収納できるものを特別に作ってもらった。小さな魔道コンロと冷却食料保存庫は自分で作り、片隅にキッチンコーナーも設置している。


「ずいぶん凝ってんなー」

「キャンピングカーっぽいでしょ」

「できるだけ無駄のないように、コンパクトに仕上げてもらったんだ」


 マサユキがキャンピングカーの構造を説明すると、面白がった大工の棟梁がノリノリで仕上げてくれた。乗合馬車なんかよりずっと快適な旅ができると自慢すると、アキラとシュウはそろって苦笑いだ。


「それでは、そのキャンピングカーに、私とシュウが乗る場所はありますか?」


 アキラの返事に、マサユキとケイトは破顔した。


「!!」

「ありがとうっ」

「もちろんだよ。俺のベッドを使ってくれ」

「年寄りから寝台は奪わねーって」

「屋根があれば十分ですよ」


 マサユキとケイトは若々しい友人二人と何度も握手を交わした。


   +++


 オカモト魔道具店は売りに出した。普通の商売をするには向かない立地だが、住居としたならまずまずの場所なので、それほどかからずに売れるだろう。取り引きは魔法使いギルドの知り合いと、商業ギルドの不動産部門に丸投げだ。

 アキラとシュウから了承の返事をもらった翌日、さっそく冒険者ギルドで指名依頼の契約手続きを済ませ、二人の口座に依頼料を支払った。


「全額前払いしなくてもいいのですよ?」

「飯代とか宿代とか、残ってんだろーな?」


 懐具合を心配してくれる二人に、マサユキは大丈夫だと得意げな笑みを返す。


「こう見えても堅実経営でしっかり貯め込んでるんだよ。それに俺たちには子どもができなかったからね、残しておいても仕方ないよ」


 それにもし金が足りなくなっても、道中で稼ぐ方法はいくらでもある。


「ほら、昔みたいに行商すればいいしね」


 売り物はたくさんあるのよ、とケイトが複雑な編み模様の帽子やベストを見せた。心が決まってからというもの、創作意欲ももどってきたらしい。


「それに俺は錬金薬も作れるから、食いっぱぐれはないよ」


 マサユキは灰級の魔道具師だが、冒険者としての活動も長かったため、基礎の回復薬と治療薬の販売許可を得ていた。錬金薬を作ることも考慮して、キッチンスペースには調合道具も仕込んでいる。


「できるだけ町や村で寝泊まりするようにしたいけど、どうしても野営を避けられないときは、ハンモックがあるから安心してね」

「そーいう場合、俺らは見張りだろ」

「護衛なんだから、当然だな」


 気遣いは不要だ、依頼主らしく堂々としていろと叱られたマサユキは、落ち着かない様子だ。


「料理は私が引き受けるわ。食材の調達だけお願いできるかな?」

「おー、狩りは得意だ、まかせとけ」

「あんまり大量に狩らないでね。食べきれないと困るし」

「俺が全部食うから困らねーよ。なぁ?」

「……偏った食事は不健康ですから、野草の調達は私が引き受けますよ」


 普通に農村や市場で野菜やパンを手に入れてもらうつもりだったケイトは、彼らが荒野での現地調達に慣れきった放浪冒険者であることをしみじみと思い出していた。やる気に満ちあふれた二人は止められない。引きつった笑顔で「よろしくね」と返すしかなかった。


「マサユキさん、ちょっとお復習いしましょうか?」


 町の宿や農村の片隅に泊まる夜、マサユキの魔術師の技量を確認したアキラがそう言いだした。


「転移獣人は魔力を持っていません。だから魔術師として売り込む策は正解だと思います。なおかつマサユキさんの価値をもっと高めれば、移住の可能性も高くなると思いますよ」


 アキラはとても楽しげな表情で魔術教本を取り出した。マサユキたちとの同行を決めたとき、アレ・テタルで入手していたらしい。


「基礎錬金薬は保存期間が短いため買取価格も低いのはご存じですよね? 回転率の速い冒険者ギルドならそれでもいいのですが、辺境の町や村では長期保存できる品質の錬金薬が望まれます。とくに行政舎や領主らは、災害備蓄としても長期保存可能な錬金薬を優先的に買い入れるので、腕を磨いておくに越したことはありませんよ」

「お、俺は魔道具師なんだが」

「もちろん魔道具技術もお復習いしましょう。今までのマサユキさんの修理方法ではロスが多すぎて素材がもったいないんです。辺境のパラデイ村で素材が入手できなかったら、せっかくの技術が活かせません。正規素材は新しい魔道具製作にまわし、魔道具修理には別素材の応用でしのげるようになれば、白への昇級も難しくありませんよ」


 いやいや、とマサユキは白くなった髪を派手に振り乱した。とんでもなく高度な技術をさも簡単そうに言わないでほしい。それにだ。


「この歳になって昇級試験を受けるつもりはありませんって」

「技術の認定に年齢なんて関係ありませんよ?」


 キレイだがひやりと怖い笑顔で詰め寄られたマサユキは覚悟を決めた。試験はともかく、学びの機会を逃すのはもったいない。結果、移動途中も復習に追われることとなった。

 アキラの教え方はとてもわかりやすく、無駄がない。マサユキは必要な知識や技術を楽しく学び直していた。

 知識のお復習いついでにアキラに色級をたずねると、治療魔術以外は全て濃紺級だと聞いて、マサユキの心臓が止まりかけた。アレ・テタルのギルド長も濃紺級だが、攻撃魔術限定だ。間違いなく、アキラは大陸でトップの魔術師だ。

 マサユキがそう言うと、彼は複雑そうな表情で「上には上がいるのですよ」とため息のような呟きをこぼした。

 彼よりも上なんて、マサユキにしたらまさに雲の上も上である。想像もできなかった。


「ねぇ、シュウはさ、転移獣人の村が気にならないの?」


 シュウの狩ってきた肉が大きすぎるせいで、ケイトは外に作った簡易カマドで料理をしている。火との距離を調整しながら、肉の焼き上がりを待つシュウに問う。


「ケモ耳の嫁がほしいって言ってたじゃない、パラデイ村なら見つかるかもよ?」

「んー、ケモ耳嫁は欲しーし、転移獣人の村にまったく興味ねーってことねーんだけど、俺の居場所じゃねーとは思ってるかな」

「七十歳になってもフラフラして、まだ居場所を探してるんだ?」


 実年齢はお爺ちゃんなんだから、いい加減に落ち着いたらどうなのかと呆れたケイトだが、シュウは違うと首を横に振った。


「俺はもう居場所見つけてんの。狼獣人がいうところの、群れってヤツはもうあるから、別の群れ(パラデイ村)に入ろうなんて考えねーんだよ」

「群れ……狼ってそういう感覚なの?」

「さーな。他の連中のことは知らねーよ」


 猫獣人の本能はどうなのだと問われ、ケイトは首を捻った。


「本能とか考えたこともないけど……そうね、集団とか群れにあんまり魅力は感じないかな。どっちかというと住み心地の良い場所にこだわりたいかな」

「あー、よく言うあれ? 犬は人について、猫は家につくってやつ?」

「……ちょっと違うかも?」


 ストンと腑に落ちた。

 安全で居心地の良い場所は重要だが、それだけでは最良ではない。ケイトにとってのベストは、マサユキと居心地良く暮らせる場所だ。それがパラデイ村になるのか、別の場所になるのかはわからないけれど、今のアレ・テタルではないのはハッキリしていた。


「なー、それもう焼き上がってんじゃねーの?」

「まだよ、もう少しじっくり焼きたいかな」

「俺は今くらいの生々しーのが好きだなー」


 手慣れた動きで串肉を一本拝借しようとする手を、ケイトが素早く叩き落として退けた。


「ご飯は全員そろってからです!」


   +


 幌屋根のキャンピング馬車は、魔獣や魔物の襲撃を受けることなく、街道をのんびりと進んだ。

 北上する街道は河川と国境を越える。真正面に巨大な山が現れ、東西に分れた街道を東へ折れた。そこから山間をしばらく進み、街道が北へと大きく曲がる手前の小さな町が、四人の旅の終着点だ。


「コーリクスって、意外にちっせー町なんだな」


 町門と壁を眺めたシュウの呟きに、ケイトも少し不安げに頷いた。マサユキとケイトが長く過ごした街はどちらも魔術で栄えた大都会だ。それと比較したら王都以外の全ての町は小さくなってしまう。


「冒険者ギルドも商業ギルドも医薬師ギルドもあるから、暮らすのに不自由はないはずだよ」


 マサユキの事前調査では、長期滞在に向いた宿屋もあると確認している。これからコーリクスに滞在し、転移獣人との接触を待ち、パラデイ村への移住の意思を伝えてから交渉がはじまるのだ。

 もし拒絶されても、もう彼らに戻る場所はない。

 手綱を握るケイトの手に力がこもった。

 大丈夫だと、マサユキは彼女の拳に手を重ねて頷いた。


「じゃあ俺たちはここで」


 入門待ちの列の後ろにつくと、アキラとシュウがするりと馬車を降りた。

 護衛報酬を受け取るために冒険者ギルドまで同行するのが原則だが、先に全額を受け取ったアキラとシュウにその必要はない。

 二人は少ない手荷物を既にまとめ終えていた。

 馬車を降りようとする二人を、シュウが手を突き出して「そのままで」と止める。


「久しぶりの行商旅、楽しかったぜ」

「こちらこそ、シュウくんのおかげで集客が楽だったわ、ありがとう」

「食べ物に困らない野営は幸せだったよ、ありがとう」


 ニカッと笑ったシュウは、大きな手をパタパタと振った。

 その横に立つアキラは、待機列の人々の視線を避けるようにフードを深く被る。


「いろいろとレクチャーをありがとう。それに、無理を言ってすまなかった。ここまでありがとう」

「楽しかったわ……また会えるといいんだけど」


 御者台のマサユキとケイトは、名残惜しげに目を細めている。

 そんな二人に、アキラは一枚の紙を差し出した。


「マサユキさん、これを渡しておきます」

「……これ、魔紙じゃないですか!」


 アキラに差し出された魔力を帯びた一枚の紙を、マサユキは両手で捧げ持つようにして受け取った。下級魔術師の彼にとって、上級魔術師たちの連絡道具の実物など、見るのも手に取るのもはじめてだ。


「もし私に連絡する必要ができたら、使ってください」


 使い方は知っていますか? と小声で問われ、マサユキは力強く頷いた。


「ありがとう……ほんとうに、最後まで面倒をかけてごめん」


 パラデイ村の人々に拒絶される不安を隠してきたマサユキは、魔紙を大切なお守りのように両手で包み込んだ。


「じゃあ」


 また明日、とでもいうような軽い別れの言葉を残し、アキラとシュウは背を向ける。

 街道を西へと戻ってゆく二人の姿は、旅の箱馬車に隠れてすぐに見えなくなった。


「いっちゃったね」

「そうだね」

「また会えるかな」

「会えるよ、きっと」


 ケイトなら、という言葉を飲み込んで、マサユキは周囲から隠すように魔紙を渡した。


「この魔紙を持っていてほしいんだ」

「私が持ってても使えないけど?」

「使えるよ。あとで使い方は教えるから……これはケイトに持っててほしいんだ」


 戸惑いつつも、ケイトは渡された魔紙を丁寧にたたんで懐に仕舞う。

 列が短くなり、二人の番が近づく。

 門兵の向こうにコーリクスの町が見えた。

 人々の歩調はゆっくりとしており、その表情も穏やかで素朴だ。

 低層の古い木造建築が並び、空が広く感じられる。

 少しいびつな石畳の道で荷馬車が大きく揺れる様も微笑ましい。

 アレ・テタルの石造りの高層建築に慣れた二人には、新鮮で開放感に満ちて見えた。


「次の馬車」

「はいっ」




【人物】

ケイト/猫獣/73歳(外見30代)/先のことは考えたくない。今はマサユキとの時間を最優先にする。

マサユキ/人族/75歳。/灰級魔道具師。オカモト魔道具店を営む。自分が死んだ後は、アキラたちにケイトを保護して欲しいと思っている。


アキラ/エルフ/74歳(見た目20歳前半)/ケイトが望めば深魔の森に迎え入れることも考えて、マサユキに魔紙を渡した。

シュウ/狼獣人/74歳(見た目20代後半)/見送らねばならないケイトを見て、自分は見送られる側だとあらためて実感した。でも残してゆくのはもの凄く不安。

コウメイ/隻眼/74歳(見た目20代半ば)/義眼の副作用は明かせないので、二人とは別に同ルートを移動してました。アレ・テタルで別れ、コーリクスで合流し目的地へ。


パラデイ村

転移獣人たちが集まる隠れ村になっている。転移エルフたちが集まった隠れ村との交流あり。

現在の住人(の一部)


サヤカ/狼族/77歳(外見40歳)女性

ユウサク/狼獣人/76歳(外見40歳)男性

カツヤ/狐獣人/75歳(外見40歳)男性

ヒトシ/兎獣人/82歳(外見45歳)男性

ナナミ/兎獣人/71歳(外見35歳)女性

クロス/狼獣人/38歳(外見20歳)男性

グランド/狼獣人/38歳(外見20歳)男性

【宣伝】

隻眼とエルフ、あとケモ耳。シリーズの電子書籍のKindleが、現在2巻まで発売中です。

大幅改稿&書き下ろし閑話多数で読み応えあり。

本文とあわせて、素晴らしい表紙イラスト&挿絵をぜひ堪能してください。


1巻は8/22までKindle本(電子書籍)サマーセールにて半額です。

この機会にぜひ。


AmazonKindle → https://amzn.to/4nEWPNq

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ