陰謀の気配
駆けつけた斥候隊によって大蛇の魔核を囲むように複数の陣が作られた。各陣には三つの討伐小隊が配置され、じりじりと包囲網を狭める戦いをしている。
「突風の魔術玉を、とりあえず五箱だ。明朝までに。追加は戦況を見て注文させてくれ」
「忌避剤はどうする?」
「そちらはハリハルタの薬魔術師が用意する」
各陣に配備されるのは、大蛇の嫌う臭いを放つ忌避剤だ。それを突風の魔術玉で大蛇側に広く放ち、動きが鈍くなった隙に討伐する。
「ああそれと、余裕があれば解毒の錬金薬もほしい」
「朝までに五百個も作るんだぞ、余裕あるわけねぇだろ」
コウメイは手のひらサイズの小さな魔紙に注文を書き殴って送った。アキラとリンウッドが夜通し制作し、シュウが届けるだろう。これで本格的な討伐をはじめられる。
宙に消えた魔紙を見送ってコウメイは、不満げな顔で振り返った。
「お貴族様を自分の陣に抱え込むなんて、面倒見がよすぎるだろ」
「コウメイの疑念を聞いてしまうとな、他の奴に預けるのも不安だ。目の届く場所に置いておけば不測の事態も回避しやすい」
苦笑いのマイルズが指揮する陣では、毒の回復が遅れている一人を除いた黄金の鷲五人が、彼の直属として討伐に参加していた。慣れない集団戦に苦労しながらも、なんとか生き延びているようだ。
コウメイはマイルズ指揮下の討伐隊に加わった。
「ライオネル様、左を」
「わかった!」
右手の大蛇を受け止めながらのルーシャスの声に応え、ライオネルは左前方の大蛇の顔を斬りつける。
剣刃が眼球をかすり、大蛇がのけぞり逃げた。彼はその下顎に剣先を突き入れる。両手で力を込めた剣先が、皮を割き肉を切り骨に達する。だがライオネルにはそれを貫くだけの力がなかった。
剣を抜き戻し、勢いをつけてもう一度突こうとしたが、剣が骨に刺さって抜き取れない。このままでは退く大蛇に剣を奪われてしまう。
握る手に力を込めたライオネルの身体が、大蛇の引きで浮いた。
魔物は無防備な敵を決して見逃さない。
「ライオネル様っ」
「ぐっ!」
二匹の大蛇に挟まれたルーシャスは動けない。
何匹もの大蛇が一斉にライオネルに襲いかかった。
「最後まで剣を手放さねぇ根性は認めるが、最後に目を閉じてちゃ冒険者とはいえねぇぜ」
無防備な腹に食いつこうとした三匹を、コウメイが一刀両断にする。そのままライオネルを抱え大蛇の顎から剣を取り戻した。
「さ、三匹を一度に……すごい」
「あんたは非力なんだ、他の連中の戦い方を真似ても意味がねぇぜ」
むっとした彼を地面におろしたコウメイは、彼に剣を返してすぐに大蛇に向き直る。
邪魔な大蛇を屠って駆けつけたルーシャスが、彼をかばうように立った。
「お怪我はありませんか?」
「私は大丈夫だ」
「お疲れかも知れませんが、交代まで休めません。我慢ください」
「わかっている……足を引っ張らないように努力するよ」
そう応えるライオネルの決意に満ちた顔は、彼らの抜けた穴を埋めて戦う眼帯の背に向けられたままだ。主の視線を追ったルーシャスが不愉快げにその背を睨みつけた。
足手まといを自覚したライオネルは、ルーシャスやマイルズの指示に素直に従い、堅実な討伐を心がけるようになった。それに比べて片手剣のモーガンと槍使いのリチャードは、忌避剤の効いていない大蛇を深追いするなど血気盛んだ。突っ込みすぎて陣形を崩し、他の冒険者らを窮地に陥れたのは何度目だったか。そのたびにマイルズが注意を促すのだが、貴族の傲慢を抑えられない二人は、忠告を無視して陣形を乱してばかりだ。
困ったといえば年長のルーシャスもだ。決してライオネルの側から離れず、彼が屠るのはルーシャスに襲いかかる大蛇ばかり。
「ライオネル様っ!」
大蛇に牙をむかれる彼の肩を押したルーシャスが、己の剣を振り下ろす。
かばわれたライオネルの背後で、カン、と弾き折られた矢が落ちた。
「そこの弓使い、気をつけろ」
「すみませんっ」
弓使いのサディスは大蛇の大群に怯んでいるらしく、彼の射る矢は狙いを外してばかりだ。今もコウメイが打ち落とさねば同士討ちになっていただろう。黄金の鷲の近くにいる冒険者らは、大蛇だけでなく背後の警戒もしなくてはならず気が散漫になっている。
「期待はしてなかったが、せめて最低限の働きはしてくれよ……」
他の冒険者も彼らとの連携を諦めたようだ。その穴埋めをさせられるコウメイはうんざりしていたが、貴族が負傷すればマイルズやハリハルタの町が責めを負わされるのだ。そうならないためにも目を離せないと、半ば自棄になって援護を続けていた。
冒険者らは魔術玉が届けられる明朝まで、しっかりと大蛇の大群を包囲線の内側に留めてみせた。
魔術玉を装備した小隊が交代し、戦いは攻めに転じる。
投擲の得意な者によって忌避剤が投げ込まれた。
続いて投げ込まれた魔術玉の突風が、包囲の中心へと大蛇の苦手とする臭いを拡散させ、つぎつぎにその動きを鈍化させる。
「突撃!」
号令とともに動きの鈍った大蛇を屠ってゆく。死骸の始末を任された見習らが追いつかないほどの勢いだ。冒険者らは目の前の大蛇を一掃し、包囲を数歩分内側に狭めていった。
交代した冒険者たちは、幕で囲われた陣内のあちこちに腰をおろしている。配られた水と食料を食べ終えれば、その場で横になって目を閉じる。
「休息だ、食って寝て、疲れをとっておけ。短くなったとはいえスタンピード討伐は長丁場だ。四六時中気を張っていては自滅するだけだぞ」
マイルズは自ら食事と水を黄金の鷲に手渡し声をかけた。素直に頷いたのはライオネルとモーガンだけだ。ルーシャスは警戒を隠しもせずライオネルの側に控えているし、リチャードは能力を低く見られたと不満そうだ。サディスは味方を射りかけた気まずさからか、手渡された配給食の味もわからないほどピリピリしている。
彼らから離れて腰をおろしたマイルズは、自分の配給食を水で強引に流し込んだ。
「コウメイの飯じゃないのか」
薄切りにした蛇肉を少し濃い味付けに炒めてパンで挟んだそれは、干し肉やハギ粉の硬団子に比べれば冒険者の評価は高い。だがコウメイの野営飯になれたマイルズには物足りない食事だ。
「おっさんのおかげで俺は飯係やってる暇なんてねぇよ」
マイルズの正面に腰をおろしたコウメイは、黄金の鷲に見えないように折れた矢を差し出した。
「鏃は触るなよ。毒が塗られてる」
「……所有の印がないな」
弓使いの冒険者や狩人は、獲物の権利を主張するため、鏃や羽根やシャフトなどに個人かパーティーの印を刻むものだ。
鏃に触れないように指で挟み持ったマイルズは、目線でアレかと問う。ルーシャスにもたれて目を閉じるライオネルは、疲労困憊で起きていられないようだ。カクリと頭が落ちた拍子に、頬から耳、首に至る黒い痣が露わになった。
「あいつの素性はわかってるのか?」
「聞けば巻き込まれるぞ?」
「もう半分かかわってるようなもんだろ。何の情報もねぇままじゃ怖くて近寄れねぇよ」
それもそうだな、と息をついたマイルズは鏃をコウメイに返すと、静かに立ちあがり、促すように天幕の外を視線で示した。デロッシに彼らの監視を頼み、無言で陣を離れる。
スタンピードの最前線はすぐそこだ。物資の運搬や伝令の冒険者が走り、普段の森とは思えぬほど人目は多い。
人の気配のないほうへと歩く二人の前に、スタンピードから逃れてきた魔鹿が飛び込んできた。コウメイは飛び逃げようとする魔鹿の腹を、件の鏃で切りつける。
横腹に細い線を描かれた魔鹿は、地面へ上手く着地できず崩れ落ちた。
倒れた身体が痙攣し、すぐに動かなくなる。
「かすっただけでほぼ即死か」
「大蛇の毒より強力だぜ、これ」
「だがあの混乱では誰も疑わんだろうな」
暗殺、という言葉がマイルズの喉の奥で引っかかった。コウメイが不審に思いこの鏃を拾わなければ、知らずのうちに隠謀に巻き込まれていた可能性がある。心底から助かったとマイルズが礼を言う。
「どう考えても平民には手に負えないぞ。どうしたものかな」
「あのリーダーは暗殺されるようなお家柄の坊ちゃんなのか?」
「本人から聞いたわけではないが、状況証拠から判断して……おそらく、この国の第一王子だろう」
「……マジかよ」
貴族だろうと予想はしていたが、まさかのウェルシュタント国の次期国王と聞いて、さすがのコウメイも絶句する。そもそも一国の王子が冒険者としてこんな田舎で一体何をしているのか。いやできるものなのかとマイルズに問い返した。
「間違いねぇのか?」
「第一王子の名は彼と同じライオネル。年齢も髪の色も一致する。なによりあの顔半分に広がる黒痣は間違いない」
第一王子は幼いころにかかった病が原因で、全身に黒い痣が残っているというのは有名な話だ。
「やっぱりか……くそっ」
コウメイの悪態が妙に感情的で気になったマイルズが、問いかけるように視線を向ける。だがすぐに取り繕われた。この様子ではしつこくたずねても口を割りそうにないが、つけいることはできそうだ。
「さて、知ったからには手伝ってもらうぞ」
「……王子を守れって?」
「いや、黄金の鷲の六人全員を守ってくれ」
彼にとって、ハリハルタの冒険者ギルドにとっては、黄金の鷲の全員を生きてこの地から追い出す事こそが最も重要なのだ。
冒険者の身分で遊んでいるような王子は王族には相応しくないとしても、その程度は王侯貴族にはよくあることだ。命を狙われるほどの欠点ではない。
「こんなところで暗殺しなきゃならねぇほどやべぇ王子なのか?」
「わからんよ」
戦いの現場で見る限り、王子には暗殺されるほどの問題があるように見えないが、貴族や王族の物差しと自分たちのそれは違う。彼らには必須の理由があるのだろう。
「それで、やってくれるんだろう?」
「俺一人で四六時中はキツいぜ」
「もちろん俺も目を離さないし、デロッシも手伝う」
「ったく、暗殺者から王子を守りつつ、暗殺者が返り討ちにあわねぇように守れとか、無茶が過ぎるだろ」
投げやりに聞こえるセリフを吐くが、コウメイはすでに腹を括っていた。
これほど簡単に引き受けるとは予想外だったと、マイルズは目を丸くしている。
「絶対に断わられると思っていたんだが。どういう心境の変化だ?」
「引き受けたかねぇけど、ちょっとした因縁があるっていうか……」
言葉を濁すコウメイの視線は、聞いてくれるなといっていた。王族がらみの事情が厄介なのはマイルズとて身をもって思い知っている。
「可能な限り連中の近くに配置する、上手くやってくれると助かる」
「あんたの秘蔵の酒でも安すぎるくらいだぜ」
「来月来る予定の行商人が、異国の美酒を届けてくれるはずだ。それもつけるぞ」
ただし肴はコウメイが作ってくれ、と続けた。
「俺の慰労に俺が飯作るのかよ」
アキラやシュウに作らせるよりいいだろうと慰めて、マイルズは顔をしかめるコウメイの肩を叩いた。
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魔術玉が安定して供給されはじめると、討伐隊は順調に大蛇の包囲を狭めていった。
危なっかしかった黄金の鷲も、戦いで揉まれその顔つきはずいぶんと変わってきた。特にしっかりしてきたのはライオネルだ。彼は周囲で戦う冒険者の動きを観察し、自分に近い体格の一人を見つけると、その男の戦い方を真似るようになった。自身の戦い方が定まってくると、包囲の戦に穴を作る頻度も減りはじめ、自信がつけば動きもよくなる。
スタンピードの戦場で貴族の若造が遊んでいる、そんな厳しい目で遠巻きにしていた冒険者らも、ライオネルが自分たちと同じ食事をし、戦い、地面に寝転がって休む姿を見て、少しずつ視線から刺が消えていった。戦いで指示を飛ばせば素直に聞入れ、未熟を自覚して努力するライオネルを、根の単純な冒険者らはいつまでも邪険にできなかった。
「連中、故郷の息子か年の離れた弟を相手にしてるみてぇな顔してたぜ」
「うまく冒険者らを焚きつけたな」
天幕の端で休憩していたコウメイに白湯のカップを渡したマイルズが、その隣に腰をおろす。
「きっかけは作ったが、王子が素直だから連中も受け入れたんだろ」
「確かにな。あの素直さと真面目さは美点だ」
為政者としては物足りないがとマイルズの口端が歪んだ。
スタンピードのどさくさでの暗殺を防ぐには、常に誰かが彼を見守ればいいと考えた。それはマイルズと二人でする必要はない。ライオネルを案じる者が増えれば、それだけ注意して見守るだろうし、彼に近づく魔物以外の危険にも気づきやすくなると考えたのだ。
今のところコウメイの策は上手くいっていた。
「苛ついてるのはルーシャスって騎士と、弓使いのサディスだな」
どちらも大蛇討伐に本腰は入れておらず、ライオネルの隙を探してはピリピリとしており余裕がない。スタンピードの攻略は順調にすすんでおり、あと数日のうちには魔核を破壊できると見込んでいる。だからだろうか、二人の焦りは日に日に増しているように見えた。
「コウメイはどちらだと思う?」
周りに悟られないように声を落し、唇を読ませないようにカップで隠してたずねるマイルズに、コウメイも同じように口元を隠して返した。
「両方」
「……本気か?」
「あんたも疑ってたんだろ?」
自身の考えを裏付けるためコウメイの意見を聞いたマイルズは、憂鬱そうに頷きを返す。
毒鏃の証拠がなくともサディスは最初から怪しかった。
「弓が下手すぎたからな」
「下手じゃなきゃ、万一の時に過失を主張できねぇもんな」
サディスはハリハルタに来る前に弓をはじめたと言っていた。一ヶ月の滞在中も、スタンピードの戦いでも、彼は初心者のお手本のような腕前から全く成長していない。ライオネルがここ数日で目を見張るほどに剣の腕をあげたのとは大違いだ。
「実質時なパーティーリーダーはルーシャスだ。彼が物資の手配をしていた。錬金薬も彼自らが調達して仲間に配分していた」
「効かない錬金薬を配るのはいい手だぜ。最初のころの王子様なら、数匹の大蛇に囲まれただけで全身毒牙の痕だらけだったろうからな」
ライオネルにとっては運良く、暗殺者にとっては間の悪いことに、他の仲間が彼をかばって毒牙を受けた。解毒薬は体質によって効きの悪い人もいる。ましてや深魔の森の魔物は他の森とは少しばかり強さが違う。そんな不運が重なって命を落とすこともよくあるのだ。
「けどなぁ、どうも腑に落ちねぇ」
「何がだ?」
「どっちも敵対しているようにしか見えねぇんだよ」
標的が同じなのだ、協力すれば早く目的を達せられるだろうに、両者はライオネルに悟られないよう牽制し合っているのだ。コウメイの疑問に、苦々しさを露骨に顔に出したマイルズが答えた。
「依頼主が異なれば、協力などありえんだろうからな」
「殺すのが目的ならどっちが殺ってもいいだろうに」
「おそらく、どちらが先に目的を達するのかを競っているのだろう」
第一王子の暗殺に成功した側が何らかの恩恵を受けるのであれば、手柄を相手に奪われてはなるものかと牽制も妨害もするというものだ。
「……貴族とか王族ってのは何考えてんだろうなぁ」
一生理解できないだろうし、したくないと頭を掻くコウメイに、マイルズも同感だと深く頷いた。
ともあれ対立する勢力が牽制し合うことでライオネルの命が守られているのだから、彼は相当に運がいい。
「で、おっさんはアレを守ってどうしたいんだ?」
世間知らずの王子を殺す機会など、旅の道中でいくらでもあっただろう。なのに深魔の森に来るまで実行を控えていたのは、王子の死は誰にも疑われない殺し方でなければならないからだ。不幸な事故、あるいは不運の結果、と何者かを納得させる必要に迫られている、とコウメイは読んだ。
「暗殺者らはスタンピードっていう絶好のチャンスを逃さねぇはずだ……守るにしても、それで終わりじゃなさそうだぜ?」
その後をどうするのかと問うと、マイルズは逡巡しているのか声に力がなかった。
「この町を離れるように仕向けるつもりだったが」
「よその町で同じことをするに決まってる」
「だろうな……」
冒険者ギルドのある近隣の町といえばサガストはナモルタタルだ。そのどちらにも押しつけるなと睨まれたマイルズは、投げやりとも思えるつぶやきを漏らした。
「もう暗殺させるのが一番のような気がしてきたぞ」
町やギルドに害が及ばないよう王子を守ろうと苦心していたマイルズが、一転して暗殺者の味方をしようと零すのだ、策が思いつかないのだろう。コウメイは呆れと不快感に顔を歪める。
「見殺しかよ」
「彼らは冒険者としてハリハルタに入ったんだ、冒険者の生き方の結果に誰も文句は言わせんよ」
冒険者の自立と自助の精神は、権力者らに守られてこなかった彼らが手に入れた誇りだ。その身分を名乗ったからには、その矜持を尊重してもらわねばならない。たとえ真の身分は王侯貴族だとしても、本人が望んだ生き方だと突っぱねるだけの力はある。ましてや現在はスタンピード討伐の真っ最中だ、終結は何においても優先されるものであり、犠牲の一人や二人は致し方ない。
王族や貴族がライオネル死亡の責任を問うてくるなら、マイルズは己の伝手を使って大陸中の冒険者ギルドとともに徹底抗戦するつもりである。
「そっちのほうが面倒そうだぜ」
「なるほど、コウメイは介入したいんだな?」
「あんたもだろ、後味悪いの嫌なんだろ?」
ライオネルに情を感じている冒険者は少なくはない。コウメイの問いに頷いた彼もその一人だ。
「だが策が思いつかん。妙案はないか?」
「妙案つってもなぁ、俺らの思惑で動いて、王子の望んでねぇ結果になるのも不味いだろうし」
冒険者を名乗る意味を知るならば、彼にも相応の覚悟があるはずだ。それが何なのかがわからなければ、ありがた迷惑なお節介になってしまう。
「王子の目的を聞き出せりゃいいんだが」
「そうだな……少し連中を引き離してみるか」
マイルズの権限で黄金の鷲らを異なる場所に配置する。それぞれを彼の部下と組ませ王子から引き離している間に、コウメイが彼の真意を探ると決めた。




