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やたら長い人生のすごし方~隻眼、エルフ、あとケモ耳~  作者: HAL
8章 チェトロ火山の禍

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戦いの終わり

※グロ注意



「錬金薬だ、飲め」


 マイルズがアキラの口に容器を押し込んだ。咽せそうになりながら飲み干すと、ぼやけていた視界に輪郭がよみがえる。気を失いかけていたのだと知ったアキラは、唇を噛んでその痛みに安堵する。


「合流は無理だ。ここから魔核を攻撃できるか?」


 マイルズの狩猟服はあちこちが破れ鈍黒く汚れていた。尖った尾や牙や爪によって負った無数の傷から出血しているのだろう。生臭い鉄のような匂いが鼻についた。全身の負傷を感じさせない彼の戦いは、武蔵坊弁慶のようだと何となく思った。もう一人の冒険者も浅くはない傷を負いながら火蜥蜴を蹴散らしている。ずいぶんと足手まといになっているらしいと、アキラは自嘲気味に笑う。


「読みが、甘かったな……」


 噴火の力と魔核の大きさを低く見積もっていた自分の失敗だ。足場確保用に作った魔術玉は威力が足りず、魔核攻撃用は上位種との戦いに消費せざるを得なかった。魔核の影響を受けた溶岩はアキラの魔力への抵抗を強めており、思うように冷やしきれない。


「すまんが、気絶させてやれんぞ」


 身体の力が抜けたように見えたのだろう、再び口元に押しつけられた錬金薬をアキラは首を振って拒否した。杖にある手は置かれただけだ。腕は重く、細剣を握った手に力は入らない。自分に向かってくる火蜥蜴を追い払うこともできない彼に残された武器は魔法だけだ。


「大丈夫……やります」


 できないとは言えない。アキラは剣を腰帯に戻し、両手を杖の魔石に重ねた。

 火竜を生み出すほど巨大になった魔核を、攻撃魔術なしに砕くのは不可能だろう。いくらシュウが獣人の力を解放したとしても、マグマの熱に守られた魔石は破壊できない。

 顔をあげたアキラは、コウメイらが魔核を攻撃するタイミングに合わせて魔力を放った。

 蒸気を冷やし固めた氷の槍で魔核を突く。

 その攻撃で魔核が軋んだ。

 前方の彼らから喜声があがる。


「いけるぞ、もうひと踏ん張りだ」


 マイルズは魔石に亀裂が入ったとの声を聞きアキラを励ましながら火蜥蜴を蹴散らす。数匹程度なら熟練冒険者にとってさほど難しい魔物ではないが、押し合いへし合うほどとなれば脅威だ。剣の一振りで複数を散らしても追いつかない。

 背に受けた傷の痛みもすでに鈍く感じられる。懐を探って残る錬金薬がわずかだと確かめたマイルズは、使いどころを間違えるなと己に言い聞かせる。

 彼とともにアキラを守るソロンのギルド長も、満身創痍だ。マイルズよりも多くの傷を負い、軸足がふらつきはじめている。


「バル、錬金薬を飲め」

「っ、余裕が、ない」


 全方位から襲いかかる火蜥蜴から魔術師を守る戦いは、たった二人ではあまりにも厳しかった。腰の錬金薬に手を伸ばす余裕もない。


「……風、刃」


 小さな声とともに、風の渦が彼らの周囲を舞った。

 二人の死角にいた火蜥蜴が斬られ飛ぶ。


「こっちは放っておけ、集中しろ」


 思わず叱りつけたマイルズだが、助かったのは事実だ。錬金薬を飲むための数秒を稼げたバルが「ありがとよ」と礼をいいながら、回復した足で火蜥蜴を蹴り飛ばす。

 二人に答えるように小さく息をついたアキラは、紫魔石を握る手に力を込めた。


「うまく、いった……」


 異なる属性の魔法を同時に操るのは難しい。溶岩の冷却と魔核の攻撃に全神経を集中している状態で放たれた風刃は、下手をすれば味方や自分を斬り裂いていた可能性もあったのだ。

 コウメイらの攻撃は微々たるものだが、着実に魔核の力を削ぎはじめている。だが時間をかければかけるほど自分たちは不利になる。決定的な攻撃が欲しい。

 アキラは焦りをおさえてコウメイとシュウの戦いに目をやる。二人が剣を振りおろすタイミングにあわせ氷の槍を放ち続ける。魔力と物理の攻撃は、わずかずつではあったが着実に魔核を削っていた。終結を早めるため魔力の配分を攻撃に傾けようと測っていたときだ。

 左足に激痛を感じた。


「くぅ……っ」


 一瞬気が乱れ、魔力の流れが途切れかけた。

 即座に意識を強く持ち、魔力の放出を維持する。

 痛みの場所に目を落とした。火蜥蜴が左足に噛みつき、身体に乗り上がろうと爪をかけている。

 アキラは左手で細剣を抜き、震える剣先をその頭に突き刺した。

 掻きついていた爪が離れ、足に深く埋め込まれていた牙の力が緩む。

 火蜥蜴の絶命を確認する前に、アキラは視線をコウメイらの戦いに戻した。

 ノエルがコウメイに何かを言い、魔術玉を投げ渡している。次に氷の槍を放つのは魔術玉が投げつけられた瞬間だ。特大の攻撃で片を付けよう、そう意識してアキラはコウメイの動きに集中する。


「うぐっ」


 今度は右足だった。火蜥蜴の強い顎が右のふくらはぎに噛みつき、ゴリゴリと骨に牙を埋め砕こうとしている。もう一度剣でと剣帯に手をやって、先の火蜥蜴に刺したままだったと気づいた。魔核を攻撃する仲間に顔を向けたまま、探るように手を伸ばすが剣を触れない。

 ゴキリと、嫌な音がして、激痛が襲った。


「ああぁ……!」


 痛みに、意識が飛びかけた。

 放出し続けた魔力が途切れ、冷却の魔法が緩む。


「アキラ!」


 足の裏に感じた焼けるような熱とアキラの呻きに振り返ったマイルズは、彼の足が火蜥蜴に噛み砕かれる瞬間を目にした。

 反射的に火蜥蜴を斬り払い、アキラに駆け寄り支える。

 溶岩の上に流れ落ちる血が嫌な音を立てて蒸発した。


「傷が……止血するぞ」


 手早く患部を縛ったマイルズは、アキラの右足を探した。このまま治療薬で傷を癒やせば、欠損は避けられない。だが足があれば。

 自分が屠った火蜥蜴はどの火蜥蜴だ? 腹を斬ったのだったか、頭を砕いたのだったか、自分はどのようにしてあの火蜥蜴を屠っただろうか。思い出そうとするのに、彼が覚えているのは血みどろのアキラの足だけだ。そこかしこに転がる死骸は、どれも似たり寄ったりで判別できない。


「れん、金薬、を、使って……くだ、さ」


 杖を支えに立つアキラの苦しげな声に、マイルズは悲愴な顔で振り返った。

 彼が咽せながら魔力回復薬を飲み干すと、足裏を焼いていた熱が引き、硬くゴツゴツとした岩の感触が戻ってくる。


「はや、く」


 痛みと出血が続けば、魔法を維持しきれなくなるからと、アキラは重ねて頼んだ。


「俺、は意、識、失う……わ、け、には、ゆかな、い……です」

「……すまん」


 マイルズはアキラの右足に錬金治療薬をふりかけた。

 出血が止まり、肉が盛り上がり剥き出しの骨を隠し、白い皮膚が患部を覆う。だが食いちぎられた足が蘇ることはない。

 アキラの背後に立ったマイルズは、彼を支えながら鬼神のごとき気迫で火蜥蜴を屠ってゆく。マイルズの足にも火蜥蜴が噛みつき、尖った尾が腿や背を刺し、皮膚と肉が食い奪われたが、彼は揺るぐことなくアキラを守り戦い続けた。


   +


「これを使え」


 ノエルが仲間から回収した魔術玉を投げ渡した。


「コウメイの魔力だけじゃ魔核にとどめは刺せない」


 亀裂から突き込んだ剣に水の魔力をまとわせ押し込んでいたが、ノエルの指摘通り結果は芳しくない。


「剣を凍らせられないのか?」

「冷てぇのは苦手だ」

「魔力の恩恵にあぐらをかき、鍛錬を怠けていたか」


 彼らの周囲に群がる火蜥蜴を蹴散らすノエルが、容赦なく咎める。コウメイは受け取った魔術玉を握りしめた。彼は己の魔力を野営でも困らない便利な水道扱いし、魔力量を増やしはしても、それを武器として積極的に使ってこなかった。剣に魔力をまとわせる戦いを経験しているのに、それを極める努力をしなかった。怠けていたと非難されても返す言葉がない。


「人族の身でエルフと獣人とともに戦いたければ、その恩恵を磨かずしてどうする」

「うるせぇ」

「コウメイ!」

「たった今、嫌というほど実感してんだ、説教は後にしてくれ」


 魔核から湧き出る火蜥蜴のほとんどをシュウとノエルが受け持っていた。コウメイは露わになった魔核を任されているというのに、微々たる傷すらつけられないでいる。シュウの作った亀裂を利用して、魔核の奥へ、深みへと剣先を差し入れ、魔力で削ろうとしていたが、彼が送り出す水の魔力は冷却する力が足りない。ノエルの言うように訓練していれば、温度を操れるようになっていれば、この討伐はもっと楽になっていたはずだ。


「ちくしょうめ!」


 剣を握る手に力を込め、亀裂を削り、魔術玉を叩きつけた。

 足場確保用の弱い冷却魔術は、わずか数秒だけ魔核を凍らせる。

 そこに魔力を注ぎ込み、氷の力を奥へと押し込めた。

 コウメイの動きと同時に、魔核の直上から氷の槍が落ち刺さった。アキラが彼の動きに合せて魔法を放っているのだ。魔核が軋み、コウメイの剣先が亀裂に沈む。


「あと、少し」


 魔核の正確な大きさはわからない。コウメイがこれまで砕いてきた魔核とは比べものにならないほど巨大なのは確かだ。正直、砕けるという自信はない。だがやらなければならないのだ。

 コウメイはシュウが火竜に使った物と同じ魔術玉を取り出した。亀裂から剣を抜けば、魔核の魔力に埋められてしまう。だがその前に火竜すら凍る力を押し込めば、とどめを刺せるかもしれない。


「シュウ、手伝え」

「りょーかい、っと」


 魔核から頭を出したばかりの火蜥蜴を斬り飛ばしたシュウは、コウメイが剣を手前に引いてこじあけた亀裂に、太く重い剛剣を差し入れる。剛力で押し込まれた剣の先端が亀裂を広げた。

 シュウが剣を抜くタイミングで魔術玉を叩きつけようと構えたその時だった。

 足下の岩が燃え溶けた。


「あちぃっ」


 靴底から革が色を変える。

 足を焼かれる痛みで叫ぶ声が、あちこちから聞こえた。


「アキ!?」

「気を逸らすな!」


 振り返ろうとした彼を怒鳴りつけたノエルが、コウメイの足元に魔術玉を投げる。


「お前の役割は魔核だ!」


 アキラに何かが起きているのは間違いないのに、彼はこの場を離れられない。


「いくぜーっ」


 シュウが剣を引き抜いた。

 魔力で埋められてゆく亀裂に、魔術玉を叩きつける。

 凍りついた魔核の表面を、再びシュウが剛剣で亀裂を突いた。

 急激に冷やされた魔核は脆かった。

 シュウの剣が半ばまで魔核に埋まる。


「コウメイ、やっちまえ」


 足下の溶岩は魔術玉の効果が切れても固く冷めたままだ。

 アキラは無事だと分かり、コウメイの気が研ぎ澄まされた。


「一気に終わらせてやる!」


 錬金薬の瓶を口にくわえたまま、魔剣に大量の魔力を注ぎ込んだ。

 剣が受け止めきれない魔力は水となって溢れ、瞬時に蒸発する。

 ロビンの剣が熱に負けそうだ。

 コウメイは己の魔力のありったけを注ぎ、魔核の奥へと剣を突き進めるも、すぐに抵抗を感じた。魔力の塊、あるいは熱の固まりが、コウメイの流し込んだ力を押し返している。


「まだ魔物を吐き出す力があるのかよっ」


 渦を巻く炎の色が形を作りはじめた。

 チリチリと嫌な音がして毛先が灰に変わる。


「……デカいぞ」

「またかよ、いー加減にしろっ!」


 火竜を凍らせられる魔術玉はあと一つきり。

 コウメイはそれをシュウに投げ渡した。


「頭が現れたら、殺れ」

「まかせろ。そっちは頼んだぜ」

「ああ、絶対に砕いてやる」


 魔核の端が溶けるように歪み、そこからゆっくりと火竜の鼻先が浮かび上がる。

 シュウは火竜の頭が形作られるまで待った。首が半ばまで出たところで火竜を蹴りつける。魔核から生じた魔物は、全身が脱するまで目覚めない。下等な魔物ならばこの段階でも蹴り屠れるが、さすがに上位種はシュウの力でもびくともしない。


「くっそー、口を開けやがれーっ」


 固く閉じられた竜の口にかけたシュウの爪が、ピキピキと嫌な音を立てて割れる。爪が剥がれる前にこじ開け、露わになった牙を殴り砕いたシュウは、そこから喉奥へと左手の拳を突き入れた。


「あー、そういや錬金薬、残ってたっけ?」


 確かめていなかったなと気づいたときは、すでに魔術玉を握りつぶした後だった。

 火竜の喉が凍る。

 素早く抜き取ったシュウの左腕も、肘から下が凍りついていた。


「っせーのっ」


 左腕を庇いながら凍った火竜の首を蹴るシュウに、錬金薬を持ったダコタが駆け付けた。


「無理に動かすなよ! 欠けてないか? 砕けてないな?!」


 指の数を数えてから、ダコタが錬金治療薬を振りかける。


「サンキュー、おっさん」


 元に戻った腕に力を込め、火竜の首を強打する。二度三度、蹴りも交えて凍りついた首を狙い、亀裂が入ったところで両腕で抱え込む。


「うおぉ――!!」


 気合の雄たけびとともに渾身の力をこめた。

 狼頭の体毛が雷を帯びたかのように立ち震える。

 シュウは抱え込んだ火竜の首を、強引に捻り折った。


「さすが馬鹿力」

「怪力王だっつーの」


 目覚める前に討ち取られた火竜の身体は、魔核に吸い込まれて消えた。シュウは火竜の頭部を溶岩の池に投げ捨てる。どこからか「もったいない」と悲鳴が上がったが無視だ。それよりもコウメイだ。あきらかに魔力が足りないという顔色だ。


「錬金薬飲んでねーのかよ」

「飲んでる。けど、足りねぇ」


 一般人にしては魔力量の多いコウメイだ。魔術師の基準でも多いくらいだというのに、この魔核にはそれでは到底足りない。

 シュウが火竜の首を落としている間に、コウメイの魔剣は柄まで埋まっていた。だがまだ中心の黒い固まりは砕けていない。


「最後の一本だ、飲め」


 ノエルに押しつけられた錬金薬を飲み干すと、魔力が満ちるのがわかる。

 魔核の上にあがったコウメイは、シュウの剛剣と己の剣を抜き取ると、回復した魔力のすべてを二振りの剣に注ぎ込み、魔核に突き入れた。

 鋭さと冷たさを増した水の魔力が熱を割く。

 ぐらりと傾いだ背をノエルが支え、シュウは手を重ねて剛剣を圧し入れる。


 一気に魔力を搾りだしたコウメイは、枯渇寸前で朦朧としていた。そこを強烈な頭痛が襲い、意識が鮮明になる。

 右目の奥が激しく脈打ち痛む。

 まるで脳に太い釘を打ちつけられているようだ。

 気が狂いそうになるほどの痛みは、それゆえに意識を失わせてくれない。


 すでに限界を突破しているはずのコウメイの魔力は、剣へ流れ続けていた。この力はどこから来るのか。その疑問に思考を割く余裕はない。一秒でも早く魔核を砕くのだと、コウメイは得体の知れない魔力を一気に引き出すと、背を叩くノエルの合図で剣とともに魔核へと押し込めた。


「いい加減に、壊れろ――っ!!」


 青かった剣が魔力を受けて虹色に輝いた。

 圧倒する量が一度に侵入を果たし、魔核を蝕んでゆく。

 剣先から放たれた虹色の魔力は、魔核を割り進み中心にある黒い塊を貫く。

 硬く高い亀裂音とともに、魔核の輝きが消えた。


 輝きの消失を見届けてから、コウメイは意識を手放した。

 マグマに頭から倒れ込むコウメイを抱えて飛び退いたシュウは、邪魔な火蜥蜴を蹴散らす。

 コウメイの中にこれほどの魔力が存在したのかと、ノエルは蒼白で二人を見つめている。


 湯のように沸騰していた溶岩の動きが鈍くなり、重く粘りのある流れに変わる。輝きを失った魔核からは、新たな火蜥蜴が生まれることはない。

 火蜥蜴らの動きもわずかに鈍ったように見える。


「や……やったぞ!」

「砕けた! 魔核が!!」


 あとは残された火蜥蜴を全て討伐すればスタンピードは完全終結する。噴火がおさまるのを待って魔核を掘り出し、火蜥蜴や火竜の魔石や素材を回収するのだ。

 誰もが終わりを確信し安堵したときだった。


「撤収!!」


 まだ蹴散らさねばならないほど火蜥蜴がいるというのに、討伐隊長マイルズの声が響いた。


「全員退避だ! 今すぐ壁の外へ退避しろっ」


 何事かと振り返った彼らは、マイルズが支える銀髪の魔術師が血に染まっていることに気づいた。


「早くしろ! 溶岩の冷却が保たない!」


 その声と同時に彼らの足がぐにゃりと溶岩に包み込まれる。靴越しに感じる熱に冷却魔術が切れかかっているのだと気づき、彼らは慌てて駆け出した。襲いくる火蜥蜴などかまっていられない。火蜥蜴の死骸を踏み越え一目散に壁の外を目指した。


「アキラ、もう十分だ。全員撤収をはじめた」


 腕の中でぐったりとしているアキラの視線は虚ろだ。だが杖の魔石を握る手の力は強く、今も溶岩を冷やし続けているのだろう。マイルズはアキラの手ごと杖を掴んで抜いた。その途端に足下の溶岩が熱を持ちはじめる。意識を失っているコウメイを抱えたシュウが走り抜け、しんがりのノエルを確認して彼もアキラを抱え壁外を目指し走り出す。


「……代償が、大きすぎたな」


 ため息とともにこぼれた彼の声を聞いて、ノエルが顔を歪めた。



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