さよならち○ぽ
ち○ぽできた
「おまえ、あそこだけは立派なのにね」
下半身に強い衝撃が伝わる。快感すら覚える振動、目の前の景色がスローモーションになる。ジーンズのファスナーから差し込むやわらかな光が死を予感させる。
俺はこのまま死ぬのだろうか……
1.
人には何かしら特技や特徴、他人と違うものを少なからずもっているはずだ。それはもちろん俺にも当てはまった。
それは、『あまりに大きい男根』である。
俺はあまりに大きいアレに幾度となく恥ずかしめを受けた。衣服に隠していても強烈に主張してくる奴は、同級生たちの格好の的でありさんざんおちょくられた結果、俺は孤独になった。
部位が部位だったため女子はもちろん教師も扱いに困り本当の意味での孤独を味わった。しかし悪いことばかりでもなく、この物が、きっかけで彼女ができたのだ。彼女が求めていたのは自分自身ではないとわかっていたが、それでも嬉しかった。
いままでに感じたことのない気持ちに高ぶった俺は、浮かれて歩道にステップを踏んでいた。そんな矢先、俺は道脇から出て来た原付に跨がるババアとぶつかったのだ。
目覚めたとき、俺は病院にいた。死ぬような速度ではなかったし体に痛みもなく感覚も正常だった。ある一部を除いて…
「ない?!俺のち○ぽがないぃ!!!」
発狂した俺の声を聞き届け、ナースさん達が駆けつける。非力な俺はいとも簡単には押さえつけられた。今まで連れきたあいつはどこにいってしまったのだ。
生産性のないち○ぽ