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波乱の幕開け
「はぁ?第二王子が庶民に惚れた??何言ってんの?」
将来とても有望な絶世の美少年がまるで氷のような声音で部下に問う。
問われた部下は顔を紅潮させながらも主人に告げた。
「はい、どうやらそのようで。学園内ではその噂が絶えず、しかも騎士団長の息子や宰相の息子まで惚れてるようで」
「は?」
第二王子のみならず、騎士団長の息子(脳筋)や宰相の息子(腹黒)まで?
どんな奴だよ、マジで。
あいつらの好みを合わせるとなると、天真爛漫、頭脳明晰な女子力()系女子しか思いつかないんだが?
「因みに第三王子は?アイツどうなってんの?」
「いつも通りです」
いつも通りとは兄大好きブラコン?である。最早ブラコン通り越しているのではというレベルの第一王子溺愛ぶり。
ここまでの執着ぶりには第一王子も貞操の危機を感じている。
そんな少年こと第一王子・ルーファスははぁとため息を吐く。まるで疲れた大人のような態度は見た目に不相応で、ひどくアンバランスだ。