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ぼエ恋  作者: えび
1/4

おまえの弱さをごまかすな。人生の目的を1つにしろ。


「ぼくは、たくさんの生き物を飼うことが夢なんだ。」

小さいころ、ぼくの大切な人に話した言葉である。





人は自分の好きなものに囲まれて生活をすることに喜びを感じる。


それは、車、時計、服、鞄といった物にとどまらず、犬や猫、熱帯魚などのペットも、かわいいさを求められファッション化されていった。

それは、いつの時代も変わらない。



—————西暦2112年。とある惑星。


「ほら、はやく歩けよ。」


ぼくは、めんどくさそうに話す。


虫と魚を適当に混ぜたような生物がだるそうに動きだす。


太く重い錆びた鎖が腕と首らしき部位に繋がれて無理やり歩かされている。唾液をだらだらと出している。


ぼく 「ジック、頼むよ。はやくなんとかしてくれ。調教してほしい。こいつの唾液が臭くてかなわない。」


ジック 「わかった。」


ジックはレトロな金属探知機のような棒で、隠し持った武器を探すような仕草で、その生物の周りを入念にチェックしている。


“キュンキュンキュン”


スキャンの機械音が鬱蒼とした森の中で目立つ。


ジック 「刺すぞ!暴れるから気をつけろ。」


その棒から鋭い針が飛び出し、目には見えないスピードで針のようなものが一瞬で飛ばされ、生物の体に食い込み、体内に入っていった。


“ガン!ダン!”


その生き物は、歯の隙間からを唾液と舌を垂らしながら暴れた。


マキ「きたねえな。こいつ。こいつが食物連鎖1位とは、実にぬるい星だな。本当に戦闘系か?」


マキは独り言のように話す。


ぼく 「これで、ソル9(ナイン)はちゃんとビットに埋め込められたか?」


ソルというのは、注射器のような針のことだ。

ビットというのは、言語と行動をつかさどる箇所であり、ほとんどの生物に存在することがわかっている。


埋め込むソルにはIDがふられており、それが、そのままそのエイリアンの呼称となるのが、一般的であった。


ジック 「大丈夫だ!お前の名前は9(ナイン)だ。何本に見えるか言え。話してみろ。」


ジックは汚い太い親指と半分にちぎれた人差し指を見せる。


9 「2本。あなたがたの声に従わざるをえない。不満も不服も一切ない。」


ぼく 「よし。運が悪かったとおもってくれ。」


9「......」



ぼくら、ぼくとジックとマキは中古の宇宙船にのり、

あまたの星で、エイリアンを捕獲する。



エイリアンを捕まえる彼らは捕獲者と呼ばれ、

調教する彼らは、調教士と呼ばれていた。


【1つの星の食物連鎖の頂点を見極め、彼らを捕獲する】


それは、ぼくらの手段にすぎない。




ぼくは捕獲者であり、みんなからはミウラと呼ばれている。


ぼく「おい、マキ、今月は何体納品するんだ?」


マキ「知るかよ。ふざけんな。おまえの3(スリー)が獲物を捕まえる前に食ってしまうんだろうが」



訂正する。ぼくはマキからはほとんど、ミウラと呼ばれず、おまえ呼ばわりだ。

マキはぼくと働いて1年となる。マキはボサボサな長い髪が特徴的なリーダーだ。顔は整っている歳上の女だ。


ジック「そろそろ仕事で金を得ないと、メシもろくに食べれないねぇ」


冷静に、タバコを噛みながらジックは話す。


ジックは調教師であり、ぼくとは幼少期から共にしている。そして話した言葉の後には必ず唾を吐く。

昔からの癖だ。


ぼくは三体のエイリアンを飼っている。9が四体目になった。周りから見れば、比較的、優秀な捕獲者に違いない。


ぼくは小さいころ弱かったし、いまでも弱いとおもっている。虚勢をはりつづけてやる。


ぼくには目的がある。


ぼくの大切な人を殺した”アイツ”をエイリアンに殺させる


【優秀なエイリアンを捕獲し、調教し、そして人を殺させる、ぼくは自分の手を汚さない殺し屋だ。】


それが、ぼくの目的だ。

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