5話 陰謀
「ねえねえ、そろそろ本気でやばい!ウンコ漏れそう!」
静は肛門を閉めた。
「鈴鹿の口でしたら?喜ぶんじゃない?」
星羅は笑顔で言った。
「ええ!?そうなの!?」
「違うから!!静ちゃんも本気にしない!」
「だったら、その辺で野糞してきたら?どうせ見えないんだから。」
「ええ!?真っ暗で怖い!手をつないでくれない?」
「うん、絶対に嫌だ。あと、なるべく離れてやってね!」
「うう~寂しいよ・・・」
静は悲しそうに呻きながら歩いて行った。
「話は戻すけど、もしかしたら、私達、生きているかもしない!」
星羅は言った。
「え!?何で!?」
鈴鹿は聞いた。
「あいつらの人外な能力、そして、ゴブリン・・・こいつらは恐らく、私達の様な一般人がまず知ることも無い裏の人間だと思う、それも相当な力がある組織だと思う。」
「秘密の組織・・・イルミナティ!!もしかしたら、イルミナティの陰謀に巻き込まれたとか!?」
鈴鹿は嬉しそうに言った。
「何嬉しそうにしているの?こっはギロチンと言う体験をしたのに!?いいよね!死後直後の事を覚えていなくて!もう1回殺してあげよっか?」
「ご、ごめん!こういうオカルト好きで・・・」
「・・・まあ、何らかの陰謀に巻き込まれたのは間違いないと思うけどね。」
「それで、何で私達が生きているって分かるの?」
「つまりね、そんな相当な力があるやつらの目的は本でね、ただの本だったらここまですると思う?」
「うん、確かに・・・特別な本・・・」
「そう、もしかしたら、本が光ったあの時、その特別な能力が作動して、今に至るんじゃないのかていう事。」
「なるほどね・・・もしかしたら、時が戻ったり、行きかえるような能力かもしれないしね・・・」
「そういう事。」
「それで、ここは何処?」
「・・・さあ?」
「何の解決にもなっていない・・・」
鈴鹿は悲しそうな声で言った。
「うわ!?何かいる!!」
静は突然叫んだ。
「今度は何!?」
星羅は静を睨んだ。
「うんこをしようとお尻を出したら、何かに当たったの!」
「本当にしようとしたんだ・・・拭く紙もないのに・・・」
「何なのこれ!?生暖かい!」
静は触りまくった。
「あ、あああ・・・」
男の声だった。
「Waht!?」
起き上がった。
「おお!動いた!」
「・・・Here's where?(訳:ここは何処だ?)」
外国人は周りを見渡した。
「It's dark・・・」(訳:真っ暗だ)
「外国人だ!?誰!?」
「えと・・・Can you speak Japanese?(訳:日本語話せますか?)」
星羅はうろ覚えの英語で聞いた。
「・・・一応な・・・」
男は流暢な日本語で言いながら体を探った。
(服はあるが、所持品がないようだな。)
「あの・・・お名前は?」
鈴鹿は戸惑いながら聞いた。
「ジョン・セロだ。おい!何か道具は持っていないか?」
男は聞いた。
「一文無しです。」
「私も・・・」
星羅と鈴鹿は答えた。
「本当だ!何もない!もともと何が入っていたのか覚えてないけど、何もない!」
静はポケットの中に手を入れながら叫んだ。
「だろうな・・・何か心当たりはないか?ここまでの経緯について?」
「・・・聞き覚えがある声だと思ったら、あの時、ゴブリンに無残に殺された人ですよね?」
星羅は聞いた。
「え!?」
鈴鹿と静は驚いた。
「はあ?何のことだ?俺はただのアメリカからの旅行者だ。歩いていたら急に意識を失ってこのざまだ!」
セロは声を荒げた。
「馬鹿でもわかる嘘ですね。ガキだと思って舐めていますか?」
星羅は冷たく言った。
「文句あるか?」
セロは眉間を寄せて星羅を睨んだ。
「私達、お前のせいでこうなったんだけど?文句しかないんだけど?」
「・・・」
「責任は勿論、あの本が何なのかと、あいつらが何者なのかを教えて欲しいですね。」
「はあ?何で教える必要があるんだ?責任なら一生遊んで暮らせる謝礼金をやるから黙ってろ。」
「ふーん、セロさんが気絶した後、本どうなったか知っていますか?」
「・・・どうなったんだ?」
「さあ?先に、あなたの正体と、本の正体について教えてくれたら、思い出すかもしれないですね。」
「てめぇ・・・!」
セロは星羅を睨んだ。
(せ、星羅ちゃん調子に乗りすぎでしょ!!し、静ちゃん止めてよ!)
鈴鹿は少し離れた所で祈りのポーズをした。
「そうだ!説明する義務があるぞ!」
静は怒鳴った。
(やっぱり・・・私知らない。)
鈴鹿は口を開かない事にした。
「・・・言う必要ないだろう?だから、遊んで暮らせる金をやるからさあ、なあ?」
セロは言った。
「ふーん、言えないのならこちらも言わないわ。」
「チッ・・・まあ、別に本の事は、言いたくなければ無理やり吐かせればいい話だからな!!」
セロは手の骨を鳴らした。
「・・・」
(ど、どうするつもりなの!?多分物凄い起こっているよ!)
鈴鹿の鼓動が早くなった。
「・・・って!こいつが言っていました!」
星羅は鈴鹿を指さした。
「・・・はい!?私!?私のせいにした!?」
「そうだったの!?」
静は驚いた。
「うう、そうなのよ!言わないと、心臓を食べるって!脅されて・・・うえーん!うえーん!」
星羅は両手で顔を覆った。
「ええ!鈴鹿ちゃん!そんな人だったの!?」
「いやいや!!そんなことしていないし!しかも、うえーんて嘘臭すぎでしょ!!」
「・・・何なんだ?こいつら?」
セロはため息をはいた。




