CQC
鼓膜がいたくなるような激しい爆発音とともに、建物が揺れ、電機が落ちた。
「な、なに!?」
耳鳴りが終わった。
先に聞こえて来たのは、激しい銃声だった。
「くそ!!ここで待ってろ!」
警察官は懐中電を付けて、セロを牢屋に押し戻し、ドアを閉めて、本を持ったまま出て行った。
「な、何が起きているの!?」
星羅は床に伏せながら言った。
「銃撃戦!!外からだね!多分、音からしてここから近い!」
静は両手で頭を覆った。
銃声が続けて聞こえた。
「この連射速度とから、多分AK47かな!?」
鈴鹿は地面に伏せて、両手で頭を覆っていた。
「分かるの!?」
「うん、ユーチューブの動画で何回も聞いたから!」
「あっそう!」
セロの耳に警察官の足音が複数聞こえた。
(くそ!このタイミングでこんなアクシデントが起きるとはな!!恐らく、この事件で俺の事情徴収は当分先になるだろう・・・チッ!やるしかねえな!それに、ランヤード(ピストルとベルトをつないでいる紐みたいなもの)もないからいけるだろう!)
自分の手で自分の首を絞め始めた。
ショットガンで武装した先ほどの警察官と右手にピストルと左手に3人分の手錠を持っている警察官がドアを開け入ってきた。
「ここは危険だ!保護室に移動する!」
警察官は怒鳴った。
「手錠をかけるから、床に伏せてろ!」
ピストルを右手で構えながら警察官は言った。
「うえっ!」
低い男の声が聞こえた。
「!?」
警察官達は声のする方にライトを向けた。
「く、苦しい・・・!」
真っ青でいまにも倒れそうで足もおぼつかないセロがいた。
「大丈夫か!?」
ピストルを所持している警察官がセロに駆け付けた。
瞬間、右手でピストルのスライド部分を掴んだ。
下に捻るように下げた同時に、左腕で警察官の右腕を下から叩き上げた。
反動で警察官はピストルから手を放した。
「!!?」
セロが自分のピストルを持っている事に気が付いた。
警察官の腹部に蹴りを入れた。
警察官は後ろに倒れた。
ピストルのスライドを左手で引いて装填させた。
「!?」
同僚が倒れていく姿を見た警察官はおぼつかない手で、ショットガンを構えようとした。
ショットガンを構えようとしてる警察官の方にピストルを向けた。
警察官はショットガンのスライドを引いて装填させた。
人差し指でトリガーを引いた。
室内に乾いた音が響いた。
警察官はショットガンを手放した。
額に開いた警察官は倒れた。
セロは起き上がろうとしている警察官にピストルを向けた。
「クッ!!?」
警察官の動きが止まった。
トリガーを引いた。
乾いた音と共に警察官は力なく倒れた。
セロはドアの方に銃口を向けた。
(足音も騒ぎ声が聞こえない・・・外の騒ぎのせいか?)