第0話 ~始まりの物語~
よろしくお願いしますm(_ _)m
「はぁ…はぁ…はぁ…」
突然ですが、はじめまして。私は瑠優奈。どこにでもいる普通の高校生です。…いえ、普通の高校生、でした。何故なら私は今、
青くてサッカーボールサイズくらいのスライムという生き物に追われているのだから……!!
「やった…! 森を抜けた! これならなんとか」
さっきは木々が生い茂ってる森の中で、スライムが木に隠れながら近づいてきて、手も足も出せずにいた。…まぁ、タックルしかしてこないし、当たってもぷよんっとしてて、そこまで痛くないんだけど。
でも、スライムの癖に木に隠れながら攻撃。木に隠れながら攻撃とうかいうヒットアンドウェイ戦法で来られてぶっちゃけイライラしてた。くそ、スライムの癖に、スライムの癖に。
だけど、これでどうだ! 森を抜けた先はちょーひろい草原。ふっ、これはもう勝ったな。
「ふははっ! いくよスライム! 恨むなら私じゃなく、ここにきた自分を恨むんだな!」
ぽつん、と棒立ち? しているスライムめがけて武器を振るう。ちなみに私の武器は、木の棒だ。
嘘じゃないよ? むしろ普通の高校生だった私が木の棒持ってるだけでもすごいと思わない? まぁ、これ森で拾ったんだけどね!
「私の! 勝ちだ!」
そう高らかに宣言し木の棒をスライムめがけて振り下ろす。
…だが、私は1つミスをしていた。スライムと聞いたら、ほぼ誰しもが思うであろう。それはスライムの能力。具体的にいうと、スライムには必ずと言ってもいいほど、物理耐性もしくわ無効を持っていることを。
そして私の武器は木の棒。
「…あ、」
私が華麗に振り下ろした木の棒は、スライムに当たると、ふよんっとした感じで跳ね返された。
…冷や汗がヤバイ。
「いや~、スライムさん。よく見たらとても美しい色してますね~。それにぷるんぷるんしててプリン見たいでとっても美味しそうです~。あはは~」
一歩下がる。
スライムがじーとっ私を見てくる。
「あ、えっと、あのー。…あっ! スライムさん! あんなところに美味しい果物が!」
だがしかし無反応。
万事休すか…
「くぅ…わかった。私だって女だ。さぁこい。一思いにやってくれ!」
その場に座り手を広げる。できれば、痛くないようしてください! と心に祈りながら。
「……」
そんな祈りが通じたのか、とことこと歩いてくるスライム。正確にはジャンプしてかな?
そんなスライムは私の所に、一部をうにょーんと伸ばして、私の腰に巻き付いてきた。
「? なにしてるの?」
スライムの謎の行動にちょっと驚く。そして、スライムはそのまま、ジャンプして、私の頭の上に乗った。軽く位置調整すると、腰に巻き付いてた腕? を戻して、止まった。
「……ふふ、なるほど。そういうことですかスライムさん」
私は全てを知った。そう。これは。
「私のパートナーとして、一緒に活動するんですね!」
お母さんお父さん。私は今日からスライム使いになります。
「あ、でも、頭の上じゃなくて、抱き抱えたいな」
ぷよぷよしてるからね。きっと抱き心地抜群だと思うの。
というわけで、失礼して……。
「あれ? スライムさん。なんかここに固いのあるけどこれなに?」
なんか普通に動かせるし、体の一部ではないのかな。それじゃあ遠慮なく。
「んー? 青色の石?」
なにこれ? と思っていたら、上からなにやらどろっとした液体が、
「…あれ、そういえばスライムって」
事前に聞いた話だとスライムの弱点は、体の中のどこかにある核といわれている、石。
どろっとした液体をよく見てみると色は青だ。おそるおそる頭を傾けてみると、どろっと青色の液体が落ちてきている。
手で頭を触ったら、そこにスライムはいなく、液体だけがどろっとついていた。
…やっぱりこれって、
「…す…スライム……さん」
どうやら私が取ったのは核だったらしい。
「ま、まぁ、過ぎてしまったことは仕方ない仕方ない、うん」
それにこれで試練はクリアしたから、ウィンドウ出ると思うんだけど、
『ぱっぱかぱーん! おめでとうございます! ちょっと倒しかたがあれでしたが、クリアはクリアです! 試練用の特殊スライム討伐本当におめでとうございます!」
ブゥンと、目の前に透明なウィンドウが表示された。
う" …わ、悪かったね。あれな倒しかたで。
「ではでは、今から目の前にゲートを出しますので、核を持ってって、着いた先でその核を食べてください! あ、食用にちゃんと改造してますので大丈夫ですよ!」
ブォォンっと、目の前に白いゲート出現する。
…これ食べるのか。うぅ…。
「……よし! もう忘れた! さっきのことは忘れたよ! とういうわけでいざレッツゴー!」
核を持ってゲートに入る。中も真っ白だった。地面には矢印が書かれているので、たぶんこの方向に進めばいいのだろう。うん。まっすぐだね。
真っ白な空間を歩くこと数分、少し先にいきなりゲートが現れた。たぶんあれが出口だろう。
ゲートの前で止まり、思う。
ここからは全くの未知の世界だ。いくら能力を貰ったところで使いこなせなければ、普通に…死ぬ。
大丈夫大丈夫、と、心の中で思う。何が起こるかはわからないが、私は死にたくないからこそ、あの能力を選んだんだ。死ねば終わりだが、死ななければ、どうとでもなる。
さぁ、いこう。
「とりあえずの目標は…慣れる! 以上!!」
私はゲートくぐる
ありがとうございましたm(_ _)m