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元勇者だった最強魔法師  作者: パル猫
零章 『プロローグ』
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零章四話 『最古の勇者』

いやー寒いですねぇ!ミカンが美味しい!コタツ無いけれど!人肌恋しいですねぇ…恋人?クリスマス?なにそれ?美味しいの?

 正直に言うと神威は強すぎた。今までの階層の敵はアンデット系が多く能力の絶対浄化で即死または致命傷を負わせて止めだった。それ以外の敵も魔法系なら反射し物理系も反射からの多段追撃と敵達は成すすべなく葬られていった。そして即死の能力なのだが…あれはチートの中のチートだ。黒いモヤモヤに包まれたかと思うとモンスターはアイテムに変わるという…チーターや!こんなのチーターや!そんなことを思いながらもイヴに置いてきぼりにされかけていた。


「マスター!早く早く~!」


「はぁ…はぁ…やっと追い付いた…」


 追い付いた所は巨大な門の前だった。経験上はこれはボス部屋への扉なのだがいつものいかにもボスが居ますよという雰囲気が感じられない。まぁここが最終階層である10000階だ。

 最終階層にはもう勝てないんじゃね?って位のボスが出てくるものだと思っていたのだが?まぁここもこれが最後だ、約100日で10000階まで来ている。え?どうやって?まぁ次の階層の転移先がボス部屋ってのを繰り返してただけさ…ボスが終わったら強制転移されられて次のボスと…


「マスター?行かないのかい?ここが最後だよ?」


「あぁ行くよ。しかしボスの気配がしないなぁ?」


「そうだよね?最後のボスは期待してたのに?」


「……」


 この戦闘狂が!と心の中で叫びながら扉を開ける。ギィという不快音とともにアダマンタイト製の扉が開く、後で回収しておこう


「おお!よく来たのぉ!ささっ!座ってお茶でもどうかね?」


 ……………ギィ…バタン…


 落ち着こう…ん?ここは何処だ?巨大次元迷宮パンドラだぞ?何故、最終階層のボス部屋の扉の先に和風の部屋が有るんだ?っていうか畳にコタツ、ミカンにアンテナ付きテレビってどこの昭和だよ!?まぁ見間違いだ…きっと幻覚が見えているんだ。疲れてるんだよルーク…そう思い扉をもう一度開ける。ギィという不快音とともにアダマンタイト製の扉が開く、後で回収しておこう。


「おお!よく来たのぉ!ささっ!座ってお茶でもどうかね?」


「おじいちゃんごめんね?ボクのマスターが小心者で」


「いや待て!何故お前はとけこんでいるんだ!?」


 さっきまで隣に居たイヴはいつの間にかコタツに入っていてほっこりお茶を飲みながらミカンの皮を向いてやがる!俺もまぜろ!寂しいだろ!


「よく来たのぉ?ルーク殿?」


「じいさん?まだ名乗ってないはずだが?」


 イヴが話したのだろうか?あの短時間で?そんなことを思いながらちゃっかりコタツに入っている。


「わしはめにゅーを使えるからのぉ?あとはすてーたすちぇっくじゃのぉ?」


「それは…」


 メニューとステータスチェックは勇者の持つ天恵スキルの事だこの世界に転生(・・)した勇者のみが持つ。そう転移した俺は持っていない。ということはこの人は勇者…


「それは正解でもあるし不正解でもあるな?わしは()勇者じゃよ。聞いたことがあるか分からんがアーサー・ディグランド・ペンドラゴンじゃ」


 アーサー?アーサー…あ!まてまて!?原初の勇者!?300万年以上前の話だぞ!?というか人の心の読むな!


「アーサー!?原初の勇者だと!?」


「そうじゃなアルスノヴァ最初の勇者じゃよ」


「なんで貴方みたいな人がいるの?」


 イヴが冷静過ぎる!?アーサーは考え込むように長くなった顎髭をさする。


「それはな?向こうの世界ではもうわしの居場所は無かったのじゃよ、強すぎる者は世界から疎まれる。世界が否定するのじゃよ、だからここに移り住んだ…いや逃げ込んだのじゃな。もう数十年程過ごしておる、ほっほっほ」


「数十年…が300万…」


「えっ?なんのこと?」


 この人は笑っているが、そんなことでは無いことに気付いてしまった…この人の言っていることが本当ならこことアルスノヴァは流れる時間の概念が違う。こちらが遅すぎる!仲間をたすけなければ!手遅れに!


「アーサーさん!ここから帰る方法は!?」


「ま、マスター?急にどうしたんだい?」


「お、おぅ…あるにはあるのじゃが…まぁわしの話相手になってくれたお礼じゃ。こうなるのも分かっていたのじゃろうか…あやつめ」


 後半が聞こえなかったのだが帰れるようだ帰って状況を確認しなければ…そこから奥にある扉の前まで着いて行った。この扉は…ヒヒイロカネ!魔法制御効率と魔力浸透率、変換率とともに魔力関して最高値だ。それがこの量…扉に使うなど…


「ここじゃ。そうだ君にこれを。こんな年寄りの話の礼じゃよ」


 そう言ってきれいな真珠のような玉を手渡された。大きさはバスケットボール位ですこしだけ緑がかっている。


「これは…」


「あぁ、まぁ鑑定は帰ってからにして欲しいのぉ?」


「は、はい…」


 神の目をむやみに見せてはならない。これはイヴとも決めた事だ。というか鑑定が出来るのを何故知っているんだ?まぁ先ずは『収納』に玉をしまってアーサーに着いて行く


 ー我、彼の銘にてここに誓いを立てんー


 詩封印…封印門の最上級か…ヒヒイロカネを使う理由ね。魔法媒介ならヒヒイロカネ以上のものは無いからなぁ。促されるまま部屋に入る、そこには丸いドーム状の部屋に魔法陣が描いてある。


「そこの陣の中央に立ってくれるかな?そうそこじゃ」


 短い間だった…出会ってから2時間程…ん?顔見知り程度じゃね?でもなんだか仲間意識というか、元勇者というのもあるのかもな…


「おじいちゃんありがとう」


「アーサーさんまた会いましょう」


「……そうじゃな?また会おう」


 魔力が練られる、透き通った白く輝く清い魔力がアーサーを覆い包む、これはルークが神卸しをした時に匹敵する。


 ー魔力筆(マナデフグラクト)


「こ、これは…」


「凄く綺麗…」


 魔力筆(マナデフグラクト)魔力を指先に集め三次元的に魔方陣を書く魔法であり強大な魔法を施行するときに用いられるものだ、次々に魔法文字や模様が二人を中心に描かれていく


「ところでなルーク殿?この世界を作ったのは神でも奇跡でもないぞ?くれぐれも用心にな?」


「それはどういうこ…」


「それではな?お主達は世界に負けるのではないぞ?」


「待ってアーサーさ…」


 ー次元転移(ディメンションポーター)


 その発動と共にルークの意識はかききえた


「ふぅ…これで…おわ…った…せか…い…を…たのん…だ…」


 アーサーの独り言に混ざるようにノイズが響き巨大次元迷宮パンドラはその進行する()を停めた、最古の勇者と言われた一人の人間の人生の終幕と共に









アーサーさん一話で退場…wというか300万年前って地球では人すら居なかったですよね?

これで巨大次元迷宮パンドラは一旦終了です。次から本編に入って行きます!お楽しみに!


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