零章三話 『全てを見通す目』
寒いです…凍えて文字を打つ手が…
巨大次元迷宮パンドラ、それはこの世界アルスノヴァ誕生するより以前から存在したとされる迷宮である。初めて存在を確認したのは300万年近く前だった気がする。
原始の勇者と呼ばれる、この世界での初めての勇者のはずだ。その勇者がこの世界で生まれた勇者かあるいはこっちの世界の元住人か…
「ルーク?おーいルーク?うーんやっぱりルークは呼びにくいなぁ…マスターでいっか?」
何やらイヴさんの方で決定したらしい、なんの為にルークと呼んでって言ったのか分からないが…まぁ好きに呼んでいいって言ったの自分だしな…それにしてもこの迷宮…敵が出ねぇ…さっきから壁を壊して鉱石回収しかしていない…いやあのですね…イヴを倒してからレベルが300ほど上がりましてね?ちょっと試してみたいなぁとか思っちゃってる訳でしてね?ええ?
「あ、そういえばマスター?この迷宮はボスしか今は居ないよ?私みたいな?」
「……え?」
今なんと?ちょっと待とうかイヴさんや?死神だって正攻法なんかで勝てそうにないから裏ワザっぽいことして倒したのに死神レベルの化け物に正攻法で挑むとか無理ですよ?それに死神でさえ多分レベル差的には5000くらい離れていたと思うんですよ?じゃなきゃ300レベルも上がらないですからね?それしか居ないと?ははっなんの冗談やら…あはは…目がマジですやん…うそやん……
「あとこの迷宮の最深部は10000階だからね?頑張って攻略しよ!」
「な……ん……だと……」
イヴさんの追撃に完全に敗北した俺は膝と両手を地面に突いて完全に敗北ポーズであった。
「あと…私が言うのもなんだけど。私を倒した時に色々手に入ったでしょ?その中の私の武器があったと思うんだけど…それ私が使ってもいい?こんな身体だけどマスターにとっては戦力でしょ?」
確かに数少ない…というか二人だけの戦力だからな。
「あぁそうだな、だがこれだけは守ってくれ、こちらに敵意がある奴しか殺さない、それと俺が逃げろと言ったら文句を言わす逃げろ。たとえそれが俺が死ぬ間際でもな。」
イヴは目を丸くしてきょとんとしている、数秒後、言った言葉を理解すると笑い出した
「あはは!やっぱりマスターはマスターだね!うん!マスターの言うことは絶対だからね!」
「お、おう…」
なんだ?俺は変なことを言ったのだろうか?そんなことを思いつつイヴに鎌を渡す。
<デスサイス>
階級
神器級
能力
>業物・重心操作・闇炎・常闇・所持者固定・攻撃力増加・魔法力増加・素早さ増加・命狩り・不壊
固有魔法
>死神乱舞・亡者軍隊・魂魄吸収
うわぁ…なにこのえげつない鎌…王道なのは分かるけど付与がヤバい…それに固有魔法付き武器とか…
「凄いでしょ?僕の鎌!」
なんと言うかもう凄すぎて声が出ない…これはもしかしてマントも?そう思って探してみると…あったこれだ…《収納》から出してみる。
<死神のローブ>
階級
幻想級
能力
>物理攻撃無効・魔法攻撃無効・状態異常無効・攻撃力増加・防御力増加・素早さ増加・常闇・縮地・落下耐性・所持者固定・透明化・影縫い・不壊
固有魔法
>死を招く黒手・病魔の霧・死神舞踏・死神の守り・今は亡き黄金郷
魔法が効かなかったのはこのせいか…というかこれもヤバいやつじゃないか…幻想級とか聞いたことしかないぞ?というか固有魔法がみたことないやつばかりで…よく俺はこんなの着てたやつに勝ったよな…そう思いながらローブを渡そうとする
「そのマント?いや今はローブだね、それは要らないよ?今着てる服の方がいいから、マスターの戦利品にしたらどうだい?」
「いいのか?」
「うん!マスター弱いからね?」
「うっ…」
言い返せない自分が情けない…
「はぁ………、?」
そう思いつつ壁を壊していると違和感があった…これは箱…か?いや、しかし壁の中だぞ?普通あるか?
「イヴ?この箱はなんだ?」
「ん?えーと?なにそれ?なんで壁の中に宝箱が?私は知らないや」
まぁ開けて見れば分かるか。と思い開けると真っ白な一振りの剣が入っていた。刀身折れそうなくらい細く両刃の西洋剣だが柄の部分は和風っぽい…なんだこの剣は…鑑定を使い詳細をみると。
<???>
階級
???級
能力
物理攻撃反射・魔法攻撃反射・自動剣術(???)・幻影分身・天翔・変化・所持者固定・不壊・???・???・???・
???・???・???・???・???
固有魔法
???・???・???・???
えっと?なにこれ…?まず階級からみたことないんだけど…?スキルもみたことない奴が多い…それに???多くない?今の鑑定スキルのレベルでも見れないの?なにそれバグってる?いやそんな筈はない俺の鑑定スキルのレベルはカンストしている…ということは鑑定スキルは上位互換があると言うことだ。というか???級?なにそれ?
「なぁ?イヴ?」
「ん?なんだい?マスター?」
「ウルアンノウン?ってなんだ?」
「え?なんでそれを?もしかしてその白い剣?うそでしょ…」
そんなに驚くことか?まぁ幻想級でさえ俺は物語程度でしか聞いたことが無かったから…それより上?いやしかし…
「しっているのか?」
「失われた物だよ…全て存在しない筈なのに…」
失われた?存在しない?いやしかし目の前にあるんだが…
「マスター、ちょっと目を瞑って?」
「お、おう?」
もしかしてあれですか?今!?今ですか!?目を瞑ってとかそれしかないですよね!?ないですよね!?タイミングとかあるかも知れないですが!?ドキドキしながら目を瞑って…
ズブリッ
えっ?ちょっと待とうかレディ?なぜそんな擬音が出るんだい?えっ?あれ?右目に違和感が…
「ぬわぁぁあ!?目がぁぁぁあ!?目がぁぁぁあ!?」
某アニメの大佐の様に目を抑えながら床を転げ回っていた。流石におかしいだろ!?目だぞ!?確実に抉られた!
「痛ってぇ!痛って…ぇ?あれ?痛くない?」
「目を開けてみて、見て。」
「はぁ?」
さっきまでの痛みは何処へやら、言われた通りに剣を見てみる。
<禍天・神威『廻』>
階級
???級
能力
物理攻撃反射・魔法攻撃反射・自動剣術(剣聖神)・幻影分身・天翔・変化・所持者固定・不壊・吸収・攻撃狂化・多段追撃・防御貫通・絶対浄化・即死・魔法付与・魔法媒介体
固有魔法
天体流星群・アルスノヴァ・煉獄地獄・彗星流突
「は…はぁ!?」
い、いや、待て!?なんだこの化け物みたいな剣は!?反射!?なにそれ!?お、おい…これは…
「分かった?これが存在すら葬られた者だよ。君たちの分かる言葉で言うならチート武器?」
「なんで…」
「なんで分かるかって?君たちの言葉を?それは君の目を貰ったからね、君の見てきた物を私の知識にしただけ。」
「え?目?目!?はぁ!?」
ー水晶鏡ー
水晶鏡は水魔法と風魔法と光魔法の複合魔法だ、ってそれより!まず見てみたが…うわぁ…なんか目が金色になってる…
「な、なにをしたんだ…?」
「君の目を媒介(贄)に神の目をあげただけ。」
なんかさらっとすげぇこと言ってないこの子!?神の目って何!
「神の目だと…?」
「神の目は全てを見通す目だよ。私を見てみたら?」
「わ、分かった。やってみる。」
全てを見通す目!すげぇかっこいいじゃないか!よし!こういう時は力を込めると
<イヴ> 年齢0歳
lv1000
種族
元死神(二等神)
能力
鎌術Ⅹ 体術Ⅹ 全耐性Ⅹ 消音Ⅸ
魔法
死神lvEX 神魔法lv900 暗黒魔法師lv500 固有魔法lv300
すっげぇツッコミたい…年齢とか種族とかさぁ…
パル:全てを見通す目…透視…はっ!
イヴ:じー(鎌を構えながら)
パル:す、すみませんでしたぁ!(フライング土下座)