零章一話 『邪神討伐』
貴様みているなっ!
初めまして10Psと申します!これからちょこちょこ書いて行きたいなーと思っていますのでお願いします。
新暦元年
地下都市大迷宮パルテノ 5000F
最深部 破壊神の玉座
「…ガッ…ガッグッ…グガッァ…ァ…」
もう吼えることも出来なくなった肉塊が目の前に転がっていた。もともとの身体の二倍程あった翼は右片方はもぎ取れ、左片方はボロボロになって所々骨が見え隠れしている、再生が追い付いて無いのだろう。身体であろう色々な場所から体液とも似つかない紫色の液体が流れている。これが邪神の成れの果てである。
「ぐっぞぅ……ま…だぁ…まだ…だぁ…ぁぁぁぁぁっ!」
「もう終わりなんだって…」
パリンッ
最後の力で発動させようとした魔法も乱魔法で無効化する。あの発動兆候と魔方陣の形状、魔法文字から察するに発動しようとしたのは神魔法の『必中滅槍』だろう。
「ぐっぞぅ…ぐぞぅ……ぐっ…ぞ……ぅ……っ……」
邪神の漆黒の目から光沢が失われ遂に力尽きた、勇者として旅をして早2年、まさか齢15歳の自分がまさか邪神討伐をやってのけると思っても見なかった。確かに努力もあるが、それは痛みを分かち合い何時だって助け合って来た仲間も居たからだろう。しかしその仲間達も邪神戦では、邪神の特性、物理ダメージ99%カットで手も足も出なかった。魔法特化型である自分の為のモンスターであるかのように軽々と邪神を打ちのめした。弓聖勇者と呼ばれるダレンのみは俺に着いてきた流石は魔法師lv250なだけはある。しかし他の二人は魔法がてんで駄目で壁際で休ませている。戦いも終わったので仲間達を迎えて王国へ帰らなければ。そう思い振り返った瞬間。
ー次元断裂ッッッッ!ー
「ッッッッ!?」
なっ!?ロイター!?しかしギリギリで避けて、剣は空中を切った。とりあえず取り押さえる為に前に出る、邪神から混乱系の状態異常を受けているのかも知れない。デバフ系は術者が死んでも続くのが多い為だ。
ー覇天穿牙ッッッ!ー
「なっ!?」
ー六芒結界ッッ!ー
アストレアまでが攻撃してきた。流石に剣聖勇者と呼ばれるロイターと槍聖勇者と呼ばれるアストレアを相手にするのは骨が折れる…物理的に…。とっさにシールドを張りアストレアの攻撃は防いだ…が、しかし威力は相殺出来ず後方に飛ばされる。そこで気付いた…次元断裂で空いた次元の裂け目に。前に出たのが裏目になった…。
「くっ!…なっ!?くそっ!?うわぁぁぁぁぁぁあっっ!!」
そして次元断裂によって出来た次元の狭間に飛ばされてしまった…。
ポツ…ポツ…と水の滴る音が聞こえる。目を開くと何かしらの部屋にいた、見た目はダンジョンっぽい。
「…いっつつっ…あの野郎…っ…」
先ほどだろう出来事を思い出してみる。邪神を討伐したあとロイターとアストレアが襲ってきた。邪神に何かしらの状態異常を掛けられたのかも知れない。もしかしたらダレンも、他の二人同様に…それは危ない。もしかしたら邪神が最後の力で仲間割れさせようとしたのなら早く解かないと…。彼らの力は強すぎる。俺達四人とも転生者または転移者である。剣聖勇者と呼ばれる、アルベルト=ヴァン=ロイター、槍聖勇者と呼ばれる、アレン=レイ=アストレア、弓聖勇者と呼ばれる、ダレン=クロノス=ヴェルランド魔法勇者と呼ばれる、俺ことルーク=レインと勇者として旅をしてきた。皆同じ日本からの転生者または転移者である、というのも俺以外の三人は転生者だが俺だけは転移者である。同郷のもの達として仲良くして来たつもりだったんだが…。
「まずは此処が何処かか…」
此処が何処か分からなければ出るに出られない。 部屋は薄暗く見回して見るが端の方までは分からない。部屋の大きさは一辺20mから30m程の正方形で扉が一つだけ付いている。ん?今部屋の端で何か光ったような?近付いて見ると首のない死体があり、その側に装飾をあしらったペンダントが落ちていた。
「これは…?」
鷹と獅子の紋章…?どこかで?いや思い出せない。ただこの死体がただ者ではないことが分かる。紋章を持つ位の階級の高い人物だと。しかし分からないこんな見たこともないダンジョンに潜るような貴族なんていない。一握りを除いてだが…。それに鷹と獅子の紋章など見たことがない。ファルネシウス王国の貴族達は、代々自分達が受け継いで来た武器と王家から与えられた称号を組み合わせた紋章になっていると聞いたことがある。動物が二匹か…考えてても分からないか。王国に帰ったら調べて見るか。まぁ帰れればなんだが…小一時間程部屋を調べたのだがとりあえず分かったことと言えばこのダンジョンの壁が通常のダンジョン壁と違い物凄く分厚く壊してもすぐに再生することと壁の中にはところどころにミスリルやオリハルコン、アダマンタイトなどの魔法鉱石やクロロファイトやメテオファイト、神鉱石などの希少鉱石などの塊があったことだ。この部屋の壁だけで色々回収できた。壊して抽出、錬成を繰り返して色んな鉱石を回収する。魔力を使うことで増強もできるし一石二鳥だ。これはこのダンジョンを探索するのが楽しくなってきたな。
「よし、とりあえず次の部屋だな」
そう口に出してみる。なんでかって?そりゃぁ気分的な?なんて一人で突っ込み……いや今の俺って痛いな…。と呟きながら扉を開けて入った瞬間、首に向けて何かの刃が迫って来ていた。