一章八話 『再会と衝撃の事実』
続きです!どうぞ!
えっ?何故まとめて書かなかったのかだって?
自分でも分からないから言いようが無いよね♪
「ルーク様とりあえずお座り下さい」
そう言われて、はっ!?っと正気を取り戻した。というのも……この部屋…なんとも居ずらい。THE女の子と言うべき部屋、そう熊や犬、猫やウサギのぬいぐるみ、白にピンクのハートがまだらにある壁紙、ソファーや机、椅子などはピンクや白に統一されている。男である俺はこんな女の子した部屋はなんとも居ずらくそわそわしてしまう、日本にいた頃は彼女やそんな幼馴染も居なかったからな!ぼ、ぼっちじゃないぞ!ただ知り合いが居なかっただけだ!そんな事を考えている間にリシーはクローゼットを開けてあれやこれやと探し物をしていてやっと目的のものを見つけたらしい。
「ルーク様とりあえずこの珠に触れて頂いてもいいですか?危険はありませんよ?ルーク様の魔力量を調べるだけです。」
「ひゃ!?は、はい!了解です!」
急に話しかけられてびっくりしてしまった。そうだよ彼女いない歴イコール年齢ですよ!まじまじと珠を見る真っ黒だ。危険はないらしいが警戒はしてしまうな色的に…とりあえず言われた通りに珠に触れるすると黒色だった珠は灰色から紫、青、緑、橙、黄、赤、白の順に変わっていき最終的には虹色になって輝いたそして…………ピキッという音とともに割れた……。
「えっ?わ、割れた?う、嘘でしょ?」
「えっ!?あれ!?す、すみません!弁償しますので!」
そう言ってぺこぺこと頭を下げる。こんなにびっくりしていると言うことはそれなりに大事なものだったのだろう。魔力量の検査系の珠と言えばそれなりに高価な代物だった筈だ、幸いお金に関しては余裕があるので問題はないが。
「いえいえ!だ、大丈夫ですので!次はこちらの珠に触れて頂けますか?」
そこに出されたのは虹色に淡い金色の光が混ざった珠だった、それは見ただけでも分かったが幻想級で間違いはないだろう、その珠に掛かっている独自の魔法、本当に人の手で作られたものだろうか?否これほどのものを作るのは俺でも難しい。
「こ、これは…!」
「えぇ階級は幻想級の選定の幻珠です。我が家の秘宝でもありますが大丈夫です。」
「わ、分かりました…」
そうして恐る恐る珠に触れる…すると、その淡い金色の光がもっと濃くなり虹色にも金色にも銀色にも見えるようなそして混ざり珠の包容している魔力が高まる、そしてまたしてもピキッっと言う音をたてて割れた。リシーには驚愕の顔が浮かぶ、しかし今回は違った。珠が割れた後に白いモヤが出てきたのだ、これは魔力が高まり過ぎると魔力の可視化が出来る現象なのだが、この珠にはそれほどの魔力が包容されていたようだ。そしてそのモヤは人の形を型どる。
「やぁ。久しぶりだねルーク。」
「お、お前は…ダレン!」
そのモヤが形どったのはダレン、ダレン=クロノス=ヴェルランド。そう、懐かしの友であり俺の仲間。あの時何も出来なかったが。そうかリシー=ヴェルランド、ダレンの子孫だったのか…ん?エルフ…ああああ!
「ダレン…お前…夢を叶えたのか…!」
「ああ!そうさ俺は夢を叶えたんだ!最高だったさ!桃源郷を見たね!」
「えっ?勇者ダレン様!?」
リシーはなにやら感動しているが俺たちは別の意味で感動していた。そう。ダレンは夢を叶えたんだ!理想の彼女を作るという夢を!ダレンは前世である地球でもかなりのオタクでエルフ萌えだ、そしてこちらでエルフの女性と結婚しただからダレンの子孫はエルフの血が混ざった混血なのだそうだ。それもダレンの妻はハイフェアリーエルフという超希少種族でエルフ達の祖とも言われる、ダレンの家系はエルフ側の血が濃く出るので今後エルフしか産まれないという。
「という事は…」
「この人が勇者ルークだよ。」
「元だけどな。」
リシーはキラキラした目でこっちを見つめている。いや元だけどな!?だけどダレンは一万年も昔の人物だという事は。
「しかしダレン。お前はもう…」
「ああ死んでるよ?厳密には死んでるか分からないけどね?」
「そうなのですか!曾祖父様!」
「一万も経ってるのに曾祖父とは……」
「エルフは長命だからねぇ?エリシアは今も健在だよ?あの人に寿命という概念はないからね。」
そうか、ハイフェアリーエルフは希少ゆえに寿命という概念がない。その上子供も出来にくいらしい、他種族間ともあればなおさらだろう。
「因みにリシーの年は…」
「曾祖父様?」
リシーの周りに魔力が溢れて可視化されている、例え親族でも女の子の年齢はタブーだろう?リシーが怒るのは当然だダレンが悪い。
「…と、という訳でリシー。代々伝えられているようにしたまえ。」
「分かりましたわ!曾祖父様!」
「ん?何を…」
こんなにこやかに笑うダレンは毎回のように悪い事しか考えてない。それもとてつもなくやっかいごとだ。それをリシーも受け継いでるらしくにこにことしている。
「それではこれからよろしくお願いしますね?ルーク様っ♪」
「へっ?ち、ちょっと待て!なんの事だ!?」
リシーがくっついてくる。女の子特有の甘い香りと成長を感じさせる膨らみが刺激して…いや!これは違う!これは罠だ!そう思い全力で自分に掛けられようとしているものを抵抗する。ピリッという音とともに静電気みたいなものがルークの周りに走って消える。
「どういう事か説明してくれるんだよな?ダレン?」
「はぁ…やっぱり君には魔蛇の誘惑は効かないかぁ流石は僕の師匠だね…。そうだね、説明しようか。僕達一行が邪神退治に向かう前にルークが僕に精霊天使の慈愛っていう最上級回復魔法を込めた魔法記憶結晶をくれたでしょ?ロイターとアストレアに攻撃を受けて次元の狭間に落ちても結晶にあったルークの魔力が残ったままだったからルークが死んでないと確信してその魔力を使ってルークがこの珠に触れたとき僕を呼び出すこの珠を生涯掛けて作ったんだよ?」
「私の魔蛇の誘惑が効かないなんて…やっぱりルーク様は最強の勇者なんですね!それに精霊天使の慈愛なんて魔法使える人は現代には居ないですよ!」
そういう事か…確かに結晶の中の魔法はその術者が死ぬと魔力がなくなり使えなくなるが…。しかしあの時のロイターとアストレアの事は…あれはやっぱり信じたくはないが。
「ただルークは多分勘違いしてるんじゃないかな?」
「勘違い?何をだ?」
「ロイターとアストレアは裏切ってはないよ?」
いや裏切りと疑ってしまった事もあったが、あんまり現状が理解出来てないからどうしようもないのだ。
「裏切ったとか裏切ってないとかどういう事ですの?」
「一体どういう事なんだ?」
「あの時あの瞬間あの場所に残ったルーク以外の僕達三人は勇者としての全ての能力を失ったんだよ。」
「は?」
その言葉は想像していた事とははるかに違う答えだった。
バトルシーンはまだまだ先になりそうです!
気長にまって頂けたらと思います!