一章四話 『戦価』
最近涙腺が緩くて困っているパル猫です。ちょっと感動系のものを見ると泣いてしまうのです!魔法○いの嫁の5話とか!ノゲラゼロとか!卑怯です、泣かせるなんて!ふぇぇぇん!
ーファルネシウス王国ーギルド酒場ー宵闇亭ー
「知ってるか?王国が勝っちまったらしい…」
「なに言ってるんだ?勝てる訳がなかっただろう?」
「そのはずなんだが…まさか剣姫様が?」
「いや今回の戦には出てないはずだが…」
何やら冒険者達が騒がしいようだが知らん顔をしてカウンターで二人並んで飲んでいた。イヴは砂糖増し増しのコーヒーだったものをのんでいる。
「なぁ…それ美味しいのか?」
「ん?マスターも飲んでみるかい?」
「いや、いい…」
見てるだけでも吐きそうになるくらい甘そうだ。いや実際に吐きそうだ…匂いだけで…。
「はい、お待ちどう様。エールよ。」
「んぐ…こ、これがエールだと…?」
「どうかしたのかい?」
「い、いや何でもない…」
酷すぎる…その言葉に尽きるくらい酷い。粗悪なアルコールとしか言えないレベルの代物だ。たとえ今が戦争中であり、国に徴収されているからと言ってもこれをギルドで出すなど…。この感じでは料理も変わらないだろう…。そう思い俺は料理には手を付けずまだマシなエールを少しずつ煽りながら冒険者達の噂話に耳を傾けた。
「何でも帝国軍は自滅したらしいんだ。」
「ど、どういうことだ?」
ほう?そんな話になっているのか。悪目立ちはしたくないからなありがたい。
「なんでもな?帝国軍が新たに開発した兵器が事故で爆発したらしいんだ。」
「それは自業自得だな!はははっ!」
「そうだと思うだろ?だがな?」
「ん?何かあるのか?」
「ああ、帝国軍が対魔法兵器を使っているのは知っているだろ?だがな?その対魔法兵器を弾くくらいの魔法を使った奴がいるらしいんだ。もしかしたら、帝国軍の兵器の失敗じゃなくてその魔法を使った奴かもしれないな。王国にはそんな魔法師はいないがな!ははっ!」
「だが…そんな魔法を聞いた事がないぞ?王様がエルフか天使でも仲間にしたか?そんな話聞いたことがないが。だって今の王様は…」
「言うんじゃない。誰が聞いてるか分からないんだ。慎め。」
「あ、ああ悪かった…」
今の王様は他種族に対する偏見でもあるのか?しかしファルネシウス王国は他の種族や国に対するつながりを大切に重んじていたはずだが?だからこそ街には'エルフのランタン'と呼ばれる魔力を原料に夜になると光る外灯や入る時に通った都市の門もそうだ。あれは天使達の'審別の門'で許可書を持っていない者は入れないし、期限が過ぎると強制的に門の外に転移させられると言ったものだ。その他にも'転移門'や'妖精の噴水'などがあるが。
「ねぇ…ますたぁ?そんなに難しい顔をしてないでぇ僕に構ってよぅ…」
何故イヴはこんなとろんっとした顔を…ま、まさか!慌てて自分のエールが入ったジョッキを見るが。
「こ、こいつ残っていたエール全部飲んだのか…半分以上残っていたはずだが…絶対これからこいつにアルコールは飲ませない」
「ふへへっ…ますたぁ。」
ー風の精霊よ・彼の者を眠りの誘いへー
「すぅ…すぅ…」
とりあえずイヴを寝かせて抱える。部屋は取ってある。さて帰るか。
「店主、代金はこれで。釣りで飲んでくれ。」
「おう!旦那ありがてぇ!また来てくれよな!」
ここにはもう絶対来ない。そう思い酒場を後にした。
「死神ねぇ…」
誰かが笑った気がした。
ぐすっ。これからも沢山書いていきます!よろしくお願いします!ふぇぇぇ