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六人の異邦人  作者: 椎名れう
異邦人追憶
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初めて見た

情報シェア回。

明け方でまだ外は暗い。予備隊兵士がリビングのランタンのスイッチを入れた。暗かった部屋が一気に明るくなる。


エイザクは、ライオネルに引っ張られるままリビングの床に座らされていた。ライオネルはソファーの上に座り、腕を組んでこちらを見下ろしている。

緊張した面持ちの夕莉とクリスティナローラがソファーの近くの座席に座り、どうでもよさそうなハールドは夕莉の横で突っ立っている。

最後に、呆然としているガルフォンがリビングに入ってきた。



「お前は我々を欺いていたのか!」

欺いた、というか元々仲間でもなんでもない。顔に怒りの表情を浮かべて問うライオネルをエイザクは冷めた表情で見返した。その態度が余計気に入らないのか、ライオネルは拳を握りしめて立ち上がった。


「なぜ国賓に成りすました?」

「さっきも言ったでしょ、グリーン星と4星との協力をやめさせるためだって」

視界の隅でガルフォンがハッと目を見開くのが見えたがエイザクは気に止めなかった。あのお人好しならどうでもなるだろう。


「あなた方をフリージー星の基地に連れて行くのが僕()の役目」

「では、フリージー星人は我々を誘拐し、祖星にグリーン星への支援をやめろと脅迫するのか?!」

「なわけないでしょ」

そんな事をすれば、フリージー星は一度に3星を敵に回すことになる。


「あなた方にはフリージー星に協力してもらいます」

「なんだと?!」

「フリージー星とグリーン星の同盟の口利きをしてもらうんですよ。まあこれだけじゃ分からないだろうし、一から説明してあげますね」



フリージー星政府の考えた計画は単純だ。

木星人侵入という危機に陥っているグリーン星を救うことで貸しを作りたい。だがグリーン星はこちらとの同盟など受け入れない。

そこで必要なのが第三者という潤滑油だ。国賓を基地に連れて行き、長年にわたって領土争いの絶えなかった2星の仲立ちをさせる。そしてグリーン星は4星からの協力を辞退し、フリージー星軍を主力として木星人を撃退する。


そうすればフリージー星の星際地位は向上し銀河連盟にも加盟しやすくなる。天王星、カルメヂ星、冥王星も不信感を抱くどころか、フリージー星の強さを知ればこぞって同盟を求めるだろう。


元々はフェアーナで国賓の誘拐を行うはずだったが、まさかの木星人に先を越されてしまった。だから今頃フリージーの軍隊は、グリーン星の協力者から得た情報をもとにこの北大陸に向かっているだろう。



説明を終えた時、ライオネルの顔はさっき以上に真っ赤だった。

「これから、私たちをフリージー星軍に引き渡すのか。祖星の許しなく独断で仲立ちを務めよと?!」

「フリージー星軍はあなた方国賓を捕虜として扱うことはないですよ。木星人より全然マシです」

「誘拐を企む輩だぞ! 私はフリージー星人を信用できん! そのような無礼な輩との仲立ちなど父上も許すわけがない!」

「独断で仲立ちなど、祖星を軽んじる行為に他なりませんわ」

ライオネルは完全に頭に血が上っている。クリスティナローラは頭が固い。ならばとエイザクはガルフォンと目を合わせた。


「フリージー星の軍は木星人からあなた方を守りますよ」

「…」

「それに、グリーン星とフリージー星が組めば流石に木星人を撃退できるでしょう。そうすればあなた方の星も、いつまで続くかも分からない支援をせずに済みます」

エイザクはこれでいける、と思っていた。だが…。



「ふざけるな!!」

大柄な少年の反応は予想外のものだった。逃げる間もなく胸ぐらを掴まれ頬を叩かれる。メガネがリビングの隅に吹っ飛んだ。

エイザクは怪訝に思い目の前の少年を見た。怒りのあまり赤くなった顔。額に立った青筋。ガルフォンは本気で激昂していた。


「フリージー星人に協力しろ?! 支援をやめろ?! そんなもの受け入れられるわけないだろうが!!」

「ガルフォンさん…」

夕莉が顔を真っ青にしてこちらを見ていた。ライオネルもクリスティナローラもウサギも、普段温厚なガルフォンが初めて見せた表情に唖然としている。



エイザクも驚いてはいたが、すぐに気を取り直し挑発モードに入る。

「なんだ、やっぱりあなたも頭が悪いんだな。一番協力してくれそうだと思ったのに」

「するわけないだろ?! お前、何考えてるんだ?!」

ガルフォンが手を振りかざす。2発目が来る、と思ったがそうはならなかった。


「ガルフォンさん、待って!」

夕莉がエイザクとガルフォンの間に入る。ガルフォンが怯んだ隙に、ウサギが彼の肩に飛び乗り腕を掴んだ。

「お気持ちは分かります。けどここは一旦暴力をしまってください」

「…」

1人と1羽に止められてガルフォンは渋々腕を下げた。

やっぱりガルフォンはお人好しなのだ。夕莉やウサギを巻き込んでまでエイザクを断罪しようとはしない。



ガルフォンがおさまり、しんとした空間が戻ってくる。エイザクが話を続けようとした時、夕莉が先に口を開いた。

「今一番の敵は木星人だよね? なら味方同士で言い争っている場合じゃない」

「夕莉…まさかそなたフリージー星人に協力せよと…」

ライオネルがソファーから夕莉を睨む。彼女は臆せず言い返した。


「そんな事言ってない! 正直、あたしもどうすべきか決めかねてる! だからとりあえずエイザクさんの話を聞いて、これからの最善策を考えようよ!」

「このような者など、味方でもなんでもない!」

ライオネルがソファーから立ち上がって再びエイザクの胸ぐらを掴む。


ライオネルに合わせてクリスティナローラも立ち上がった。彼女は怒っても動揺してもいない。冷徹な目をしていた。

「殺しましょう」

クリスティナローラが歩兵銃の先から短剣を引き抜いた。

「この者は敵です。我々を欺き利用しようとしています」


いつもなら「落ち着け」と言うガルフォンも、怒りのこもった顔でエイザクを見たまま微動だにしない。



こいつら馬鹿だな、とエイザクは思った。木星人から逃れたいならフリージー星に協力するほかないというのに。


ウサギがガルフォンから飛び降り、クリスティナローラの袖を掴んだ。

「流石に殺すのはダメです」

「この者は、カルメヂを軽んじたも同然です」

「でも夕莉さんの言う通りまだ聞くことはあると思います。それにグリーン星では、外星人だろうが捕虜の無断殺人は禁止されてるんですよ!」


カルメヂでもそんな規則があるのだろうか。いかにも決まりごとに弱そうなクリスティナローラは渋々短剣を歩兵銃に付け直した。



クリスティナローラが座ったのを確認してからもう一度夕莉が切り出す。

「ともかくさ、一度話を聞こうよ。それでどうするか決めたらいいじゃない」

「はっ、あなたはただ木星人から逃げたいだけでしょ」

エイザクは胸ぐらを掴まれたまませせら笑った。夕莉に国賓を説得して欲しい、など頼んでも期待してもいない。どうせ3人は最後には自分に縋るしかないのだから。


だから今、夕莉の弁護がぶち壊しになって3人が怒ろうがどうでもよかった。さっきは彼女に例の秘密(・・・・)を教えてやって、上手いこと利用しようと思っていたが今はそんな気はない。

自分のような頭脳明晰なエリートが、このようなお花畑のお人好しに庇われている。そんな状況が気に入らないからだ。

(この場を支配するのは僕だ。お前は黙って国賓にくっついてればいい)

本来、フリージー星の計画に夕莉のような無能な部外者は必要ない。



嘲笑うように夕莉を見ていると、不意に立っていた彼女の体が床に沈んだ。夕莉が静かになったと思ったら、案の定、ライオネル・クリスティナローラ・ガルフォンがエイザクに迫る。

「私はそなたを殺そうとは思わん。だが、我々を欺こうとした者を許すことはできない」

「で?」


ライオネルはイチアールの方に顔を向けた。

「我々でこの者の尋問をする。国賓の話になるため、そなたの手出しは無用だ」

「はあ」

ウサギは異議申し立てをしなかった。ライオネルらの迫力に怯えたというより、彼らの怒りがおさまらないことを諦めたという様子だった。



「ただ今よりしばらくは尋問だ。だからその方らは個室の方へ去れ」

「いや、お前らが向こうに行けよ」

命令を速攻拒否する空気を読まない声。それまでどうでもよさそうにしていたハールドがここで初めて口を開いたのだ。

ハールドはいつのまにか、しゃがみ込んだまま呆然としている夕莉のそばに座り込んでいた。

「こいつ疲れてんだぞ。ソファーじゃなきゃ休ませられねえだろ」


「それにあと数時間もすれば、私はここでエンジンの修理をするんです。本格的なのはできなくとも導線の修復みたいな小作業をね。あなた方の尋問はどうせ長いんでしょう? 作業の間、リビングでたむろされてちゃ邪魔です」

エンジンが直れば早くに自力で脱出可能ですよ?とウサギが付け加えると、ライオネルは渋々了承した。



エイザクはライオネルに肩を押されて廊下に出た。クリスティナローラとガルフォンもそれに続く。

(あーあ、退屈な時間の始まりだな)

怒りの形相の3人をよそに、エイザクはふわりと欠伸をした。



◇◇

「夕莉さん、大丈夫ですか? 寝ますか?」

「いや、そうも言ってられないでしょ。エイザクさんが…」

「あいつらは好きにさせとけ。食い物が優先だ。外の様子はどうだ?」

「雪…多分昨日よりは酷くないです」


イチアールは何事もなかったかのように窓の外を見て言った。あたしも見てみると、雪は降っているものの勢いは昨日に比べてだいぶマシだと分かった。今日は少なくとも嵐ではないね。

立ち上がろうとしたけどふらついて上手くいかない。やっぱり、疲れているのかな…。

「夕莉さん、もう4時間くらい寝てて大丈夫ですよ。私も寝たいです」

「うん、そうだね…。そうする。多分ね、寝たら良くなるから…」

「そのあと私はリビングで修理します。とりあえず今日は2時間かな。その間はお2人で食料集めをお願いします」

「一人でいい」

ハールドはすっくと立ち上がった。

「俺は別に今すぐ行く」

「ええ…まだ朝が来てもないのに。ハールドも一緒に寝ようよ」

「別に眠くないし」

いや、それって睡眠時間5時間だよ?


「食料集めくらい俺一人で十分だ。今から行って夕方に戻ってくる。夕莉は今日一日は寝てろ」

「あたしがリビングにいたら、イチアールも本格的な修理できないよ」

かと言って個室に行くのもやだ。

「4時間寝たらあたし外に行くよ。寝たら良くなるって、絶対」

「…分かった。じゃあ4時間後に迎えにくるから」

あくまで自分は寝る気がないようで。


「先に行ってる」

ハールドは床下から出て行った。

「あの人元気ですね」

「フェアーナ国でもああだったよ」

はは…と笑う。笑えてない。


「エイザクさん…」

気持ち的には寝たくない。ライオネルさん達…今どういう尋問をしてるのかな。あたし達がエイザクさんとまた話す機会はあるのかな。心がざわついて寝られない。

でも、今は眠気に取り憑かれた状態。疲れているし寝たい。そんな欲求の方が優っている。


あたしとイチアールはソファーにゴロンと横になる。そして再び眠りについた。



◇◇

いつから計画していたのか。フリージー軍は今何処にいるのか。本物のエイザク・ブルネウをどうしたのか。

繰り返し繰り返し聞かれる。知らんぷりし続けるのにももう飽きてきた。


「それに関しては話すことなんてないですね。というかそれって重要な問題なんですかね」

「こちらが聞いていることに答えるのです」

正面で銃剣をこちらに向けたまま、いつも以上に高圧的に言い放つ伯爵令嬢。


「あなたは罪人。裁かれる立場にすぎません」

「フリージー星と手を組んだ方が絶対いいのに」

「あなたの祖星は、私を誘拐し独断で仲立ちさせようとする輩。カルメヂ王家に忠誠を誓った身として、そのような不条理を許すことはできません」

この女はずっとこればっかり。



エイザクは、まだライオネルやガルフォンの方が話が分かるかもしれないと思っていた。だが意外と2人も態度を軟化させない。

「隠し事など許さん、全て話せ」

「お前はエイザク・ブルネウじゃないんだろ? 本物のエイザクは何処にやったんだ?!」

「生きていようが死んでいようが、今のあなた方にはどうすることもできないでしょ?」

白けた顔で返事を返す。直後に、顔に衝撃と痛みが走った。また頬を殴られたのだ。


「真面目に答えろよ! 彼を拐ったのか?!」

「…」

「それとも殺したのか?!」

「…」

「どちらにしても、エイザクのご両親はどんなに心配して嘆き悲しむか…。お前は、お前達は想像してみなかったのか?!」

ガルフォンは冷静さを失い怒っている。半泣きになりながら怒っているのだ。


(まあ…あの両親なら、息子が行方不明になったら心配するのかもな)

想像はできるが自分の感覚的にはしっくりこない。あいにくとエイザク本人は、息子の身を案じる両親像を知らないからだ。



これ以上ガルフォンを怒らせても面倒なので話題を変えることにした。

「あなた方の星にとっても支援は負担でしょ?」

「負担なんかじゃない、グリーン星を救えるんだから」

「支援を続けて、それで本当にグリーン星を救えるんですか? 戦争は長引くばかりだ」

う、とガルフォンが怯んだ。ここぞとばかりに続ける。

「木星人という根本を断たない限り、グリーン星の住民の苦しみは永遠に続くんですよ」


ちら、とライオネルの方を見ると彼もまた勢いをなくして黙っている。

「あなた方の星は、支援という遠回しなやり方しかとらなかったんですよね?」

「それが祖星の命ならばそれに従うまでですわ」

クリスティナローラだけは未だに攻めの姿勢だ。



「フリージー星に根本を断たせれば全部解決するんですよ?」

「あなたのような罪人の言などに惑わされることなどありません」

クリスティナローラは再び短剣を銃から外した。


「やはりこの者は殺すべきです。妄言で我々を貶めようとしています」

「いや待て」

ライオネルがクリスティナローラの腕を掴んだ。

「流石に殺すのはダメだ」

「殿下、この者は罪人で…」

「それでも、だ! 子供を殺すのは私のポリシーに反する」

能天気なライオネルが、珍しく厳しい表情でクリスティナローラを諫めている。



今、自分は庇われているのだ。

(気に食わない)

エイザクは心の中で舌打ちした。


フリージー星の現状を説明し、彼らに憐れみを乞うという手段もないではない。フリージー星軍の幹部が国賓説得にとる手段の一つとして、泣き落としなど彼らの情に訴えかけることもあるだろう。

だが、自分はそんな下手に出る行為は絶対したくない。他人の顔色を伺い媚びを売るなどまっぴらごめんだ。


あくまで自分は彼らより上の立場であり、彼らが自分を必要としなければならないのだ。

(同情? 憐れみ? そんなの絶対されたくないね!)



「まあ僕はあなた方の星なんてどうでもいいんですけど」

「なっどういう意味だ!」

「支援を続けて木星人に睨まれても知りませんよってこと」

ライオネルとガルフォンの顔に再び衝撃が走る。

(そんな可能性をまったく考えてなかったのかよ、まったくこれだから単細胞は…)


だがここでもクリスティナローラは怯まなかった。

「カルメヂの精鋭を甘く見ないでくださいまし。木星人など敵ではありませんわ」

「じゃあなんでその軍隊をグリーン星に派遣しないんです?」

「星の防衛のためですもの。グリーン星への支援は私の要請する物資のみですわ」



そこで突然ライオネルが重い口を開いた。

「グリーン星が、最終的には自分たちで木星人を倒すと宣言した。戦争は永続しない、決して我々に迷惑はかけないと」

「…」

「我々はそれを信じて物資の支援に専念したまでだ」


グリーン星がそう言ったのは痩せ我慢ではなさそうだ。ではそれほどまでの自信を生み出したのは一体何か。

(なるほどね)

答えは3秒で出た。



「最強兵器ですよね」

「木星人を倒す方法は聞かされていない」

「あ、そうですか。まあグリーン星は最強兵器を使って木星人を倒すつもりなんですよ」

エイザクは最近知った情報を話した。最強兵器を現在開発中であること、そしてそれには実験体が必要であることも。

「その実験体の一人が夕莉さんなんですよ」


一瞬、沈黙が訪れた。


「は? え?」

ライオネルが訳が分からない、というように目を見開いたままぎこちなく首を動かしている。

「は? 夕莉?」

ガルフォンも明らかに動揺している。

「…」

クリスティナローラは無言だが、彼女も目を見開いたまま固まっている。


「本当ですよ、彼女は実験体になるためにグリーン星に来た」

「いや、そんなこと夕莉は一言も言っていないではないか?!」

「ああすみません、来たというより連れてこられたと言った方が正しいかな」



こほんと咳払いして続ける。

「夕莉さんは何も知らされていない。でもグリーン星は彼女の体を欲している」

「夕莉は…木星人じゃないぞ! 地球人の彼女の体なんて必要ないじゃないか! 嘘をつくな!!」

ガルフォンが震え声で反論する。エイザクはため息をついた。


「木星人の体が手に入らないから、じゃないですかね。それで地球人の彼女を代わりに連れてきた。太陽系繋がりだから体の作りは割と似ているはずだ」

生きていて、健康で、実験体になれそうな木星人兵士をグリーン星が確保できなかった。多分それが夕莉を代わりにする理由だろうと思っている。

そしてエイザクには、兵器の内容も何となく予想がついていた。



「最強兵器って多分、生物兵器系じゃないかな。わざわざ木星人と似ている体の人間を欲しがるってことは」

「なんだよそれ…」

「だから毒とか病気とかを蔓延させて…」

その先を続けることはできなかった。



頬に衝撃が走る。慣れすぎてもう痛くない。

「ふざけるな、何が生物兵器だ!!」

「は…?」

「お前の言うことなんて信用できない!!」


ガルフォンの顔を見上げると、目が大きく見開かれ顔全体が赤く紅潮していた。ついさっきまで引っ込んでいた怒りが再び再燃したようだ。


「何が生物兵器だ…そんなの嘘に決まってるだろ…お前は…お前はスパイなんだから!!」

だが一方でその目は微かに左右している。僅かでも動揺しているのが見て取れた。


ライオネルがガルフォンの肩に手を置いた。彼もやはり動揺している。

「ガルフォン…」

「ライオネル…駄目だよ。こいつは僕らを動揺させるのが目的なんだ…だから…」

「私としては、こちらの問いに答えもせぬ者を信用することはできませんわ」

クリスティナローラだけは動揺を鎮め、再び尋問モードに入ろうとしている。



「あなたに無駄な発言など許しません。直ちに私たちの質問に答えなさい」

「さっきから繰り返してるつまらない質問に対する答えですか? 言うことなんて何もないですね」


これは長期戦になりそうだとエイザクは思った。

次回、彼の追憶。

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