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六人の異邦人  作者: 椎名れう
異邦人の戦い〜北大陸編〜
72/107

生計

ここは何処なのか。

ガルフォンは、イチアール、クリスティナローラと共に宇宙船の操縦室に立っていた。

ハールドはまだ気分が悪いと言って野外に残った。エイザクも特に何も言わずに外に。

夕莉は宇宙船の座席でライオネルの冒険談に付き合わされている。



クリスティナローラが操縦席のパネルのスイッチを入れた。暗闇の中、緑色の星図が鮮やかに浮かび上がる。映っているのは木星付近だ。

「これは最初に私が見た星図です」

「あ、ほんとだ。現在地は木星の衛星って出ますね」

「しかし」


彼女は次にパネル横のホログラフィーをつけた。緑色の星図、赤い点、青い航路。彼女はそのデータをパネルにも映し出した。

「こちらは基地からペルミネまでの道のりを示した立体星図です」

「ペルミネね。行ったことはありませんが確かグリーン星の近くの星ですね」

イチアールが頷く。

「木星の基地とペルミネがこんな短距離なわけがない。確かに最初のと今のとじゃ矛盾が生じますね」

ここがグリーン星だということはどうやら間違いないようだ。

「でもなぜ木星の衛星だと…」

「これ、仕組まれてましたね」


最後のイチアールの一言を聴いてガルフォンは率直な疑問を口にした。

「ひょっとして、木星人がわざわざ現在地を木星の衛星上に設定したって言いたいのか? なんのためにそんなことを?」

「そりゃ『グリーン星内に基地がある』ってバレたら大変ですからね。私たちにはここが木星だって思い込んで欲しかったんですよ。まあこっちのホロは消し忘れでしょうね」


「仕組んでたって…じゃあ木星人は私たちをわざと逃したってこと?」

これは夕莉の声だ。彼女は右手をライオネルの口に当てて黙らせ、操縦席の方に少々焦った顔を向けている。

彼女の言葉を聞いて数秒後、操縦席の空気が凍りついた。夕莉はお構いなしに続ける。

「わざと逃して追跡してる可能性もあるわけだよね?」



「え…もしかしてじゃあ…」

ガルフォンは恐る恐る言葉を絞り出した。

「追跡装置がどこかにあるかもしれない?」

「…可能性はあります…」

イチアールは頷いたが、その表情には何故か曖昧さがあった。


「ちょ、ちょっとみんな集合!」

ガルフォンは座席と窓の外に向かって叫んだ。



ーー

座席に全員が集まったのでガルフォンは切り出す。

「あのさ、運転中とか掃除中とかに何か怪しい機械を見つけてない?」

切羽詰まった問いに、誰も即答せず交互に顔を見合わせる。


そこでまず、ガルフォンは星図のカラクリを説明した。

「こういうわけで、実は木星人に追跡されてるかもしれないんだ」

「でも、そもそも追跡装置を見たことないからそういうものがあっても分からないかも」

夕莉が申し訳なさそうに答える。

「俺も同じ」

それだけ言ってハールドはまた船外に降りて行ってしまった。


「僕は怪しいものは見てませんね」

「私もだ」

「そっか…ありがと。また見つけたら僕らに教えてね」


こんな感じで一旦解散になった。



皆が戻った後、ガルフォンはイチアールに目線を合わせてしゃがみこんだ。

「今すぐにでも木星人がここにやって来るかもしれないよな」

「そんなもの、迎え撃つまでですわ」

こともなげにクリスティナローラが答える。その手には着剣した銃が。そういえば、彼女はずっと自分の武器を手放していない。


「というか、ここがグリーン星なら軍隊に助けを求めれば良いではないか!」

ライオネルも訝しげに問うてくる。ガルフォンは首を振った。

「いや、さっき山一つ越えて探検したけど人は全く見てないじゃないか」

「長年私たちグリーン星人に知られてない基地ですからね、人里離れた場所にあるんだと思いますよ」

さっき食べたミーネも居酒屋のよりだいぶ発育が良かった。


「戦うにしても準備がいるだろ。イチアール、食料は一旦後回しにして武器の装備とか地理をまとめた方がいいかな」

「いや、どのみち食料はいりますよ。長期戦になるかもですし。だからそれを第一優先にしたほうがいいです」

それに、と彼女は続けた。

「木星人がすぐにここにやって来るかも分かりませんし」


「え?」

「わざわざ一度逃したんですから、何かそうする必要があるんでしょう。ちなみに私はさっきから窓の外に耳を澄ませてますが宇宙船の着陸する音なんて聞こえません。大勢の足音もね」

彼女の聴力は確かだ…がガルフォンの不安は消えない。なんとか無事に、木星人に捕まることなくフェアーナ国に戻りたいのだ。


「でも、監視されてるかもしれないんだろ?」

「怪しいものは整備がてら探しますよ。こればっかりは私の仕事です」

イチアールは胸を張って断言した。

「向こうさんの事情で私たちに手出し出来ないなら都合がいい。ガルフォンさんは生活必需品を優先してまとめて頂いて結構です」



◇◇

「そうして散々苦労して山を越えたらそこには何が見えたと思う?」

「もう一つ別の山」

「違うっ! 全く、貧弱な想像だな!」

ライオネルさんはソファーの上で大袈裟に腕を組み、仕方がないなあというようにあたしを見下ろしてきた。



追跡装置の話を終えたあと、皆各々の作業に移った。イチアールは整備の前に操縦席でデータ漁り。ガルフォンさんは座席で、現在持っている生活必需品のリストを作っている。外にいるエイザクさんとハールドにはとりあえず見張りをしていてもらうことに。

で、やることのないあたしは引き続きライオネルさんの冒険談に付き合わされている。今は船内にあったランタンをつけているから明るい。


ちなみに、クリスティナローラさんは捕虜を尋問する係になった。木星人の襟首を掴んで別室に行こうとする時、イチアールが「銀河連盟は拷問を禁止してますからね」と心配そうに呼びかけていた。



「本当にわからんのか」

「いや分かんないって!」

「仕方ないな、教えてやろう」

ライオネルさんはふうっと息を吐いた。


「そこに広がっていたのは、平な土地だ」

「ほう」

「暗かったがあれは平地だ、間違いなくな!」

隣のガルフォンさんを見ると、彼は鉛筆を動かしながら苦笑混じりに頷いた。


「で、その平地には家々が立っていたのだ。灯りは一つもついていなかったが」

「それ、暗いのによく見えたね?!」

「山からでは全く見えなかった。走っていくと家がたくさん立っているのが見えた」

危ないな。よく、ガルフォンさんオーケーしたね。


「いや、ライオネルね、勝手に山から降りて走っててぶつかったんだよ」

ガルフォンさんは笑いながら言った。途端にライオネルさんが慌て出す。

「あ、ちょ、ガルフォン!!」

「で、ライオネルはこれはなんだって騒いで目を凝らしたら家だって分かったのさ」

「うわー、かっこ悪!」

「やっやかましいぞ!」



「でさ、当然すぐ逃げなきゃいけないじゃん。その時は木星人の住処だって思ったから」

「うんうん」

「でもライオネルったらそこの家のドアを開けたんだ」

「で、そこは無人だったのだ」

気を取り直したライオネルさんが続けた。

「人っ子ひとりいやしない。しかもえらく埃っぽかった。不愉快になって出てきたのだ」


さらにライオネルさんによると、同行していたエイザクさんが家々を間近で観察して木造であることやすでに朽ち果てていることを発見したという。

「しかもよく見たら虫食いだった。あのようなところに人間は住めん」

「村全体が廃墟だったってこと?」

元は住人がいたのに、今は捨てられた村になってしまったってことかな。



「それを聞いて、現在地の検討がつきました」

唐突に操縦室から声がした。席から降りたイチアールがこちらに向かって来る。

「それは本当か?!」

「ええ。多分ここ、北大陸です」


イチアールの口から出た地名は聞いたことのないものだった。それはライオネルさん達も同じなようで首を傾げている。

「グリーン星の土地か? 聞いたことがないぞ」

「僕もないな」

「ええ。それは無理のないことです。私も聞きかじっただけですので」



イチアールによると、北大陸というのはグリーン星の北端に位置する未管理の土地だという。広大で自然豊か、そしてどこの国にも属していないとか。グリーン星内では、ここを開拓せず自然遺産として残すことを取り決めているらしい。


「確か数十年前に一度、北大陸に移住を試みた民間団体とかもあったらしいです。自給自足生活に憧れてね」

ライオネルさんの見た廃墟の村がその跡かな。

「でも、北大陸って自然が豊かである以外になにも取り柄がないんでね。みんな文明の世界に逆戻り」

私だってこんなとこ住みたくありませんよ、とイチアールは笑った。



「あのさ、イチアール」

ガルフォンさんが左手を挙げた。

「北大陸ってグリーンのどこかの国と地続きだったりする?」

「うーん、完全な島ですね」

イチアールは首を振った。ガルフォンさんがガックリと肩を落とす。


「歩いて帰れたら一番いいんだけどな」

「まあ、異邦人の方なら尚更、こんななんにもないとこよりホテルの方が良いですよね」

「いや、国賓としての仕事もやりかけだしさ」

そうは言いつつもガルフォンさんは鉛筆を動かす手を止めない。この人、本当に真面目で責任感強いんだな。



その時、別室のドアが開いてクリスティナローラさんが1人で出てきた。

「あ…おつかれ」

引き攣った声が出た。木星人…いないけど殺してないよね…。


「色々と試みましたがあの者は何も喋りません」

「口が固いんですかね」

「というより、体調が悪いらしく喋ることがままならないようです」


ドクン、と心臓が音を立てた。そういえばあたしの怠いのも未だに良くならない。もしかしてあいつ、何かウイルスでも持ってた? あたし、うつされたのかな。


「とりあえずあの木星人には接触しないようにしましょう」

そう言ってイチアールは窓の外に向かって「入ってください!」と呼びかけた。



ーー

「まず申し上げますが、ここはグリーン星の北大陸です。未開拓の土地でグリーン星人は一人も生活していません。無人だったから木星人が基地を作れたんだと思います」

操縦室を背にしたイチアールがあたしたち7人を見回して言う。


「さっき操縦室を見ましたが、ここからグリーン星の各国に救難信号を送るのは無理です。先に木星人にキャッチされてしまう」

そうだ、同じ北大陸に木星人の基地もあるんだ。

「外部から助けは望めません。自力で脱出するしかない。だから宇宙船が戻るまではこの北大陸で過ごさなきゃいけないんです」


そこまで聞いた時。不意に視界に不自然な動きをしている人が映った。

クリスティナローラさんだ。両手を握りしめて唇を噛み締めている。

緊張しているのか…それとも…?



「で、当面はこの宇宙船で生活するしかないんですが」

イチアールが、ガルフォンさんのほうに頷く。彼は持っていたスケッチブックの一番最後のページを開いた。

そこに描かれていたのは…え、何あれ? 宇宙船の図面?


二度見しなけりゃ分からなかった。正直、下手すぎる絵だ。線はぐにゃぐにゃで濃さも均一じゃない。書き込まれてる字はとても綺麗なのにね。

「ガ、ガルフォン。もう少し丁寧に書けんのか」

「ごめん」

ガルフォンさんが俯いた。


イチアールはというと、やっぱり「うわ」という顔をしたけどそのまま続けた。

「船は…まあこんな感じなんですが。操縦室。そしてここ、リビング。で、そっち側に」

爆発しなかった方の壁を指さす。

「トイレ。個室が4つ。そのうちの一つ…一番狭いのに今、木星人を収監してます」

「個室にはベッドが?」

「ないです。というか、全部物置だったところですよ」

「なら私はリビングで寝る!」

ライオネルさんが勢いよく手を挙げたけど、クリスティナローラさんがその手を叩いて降ろさせた。


「説明中です! お静かになさいませ!」

「あ…ああ」


「誰が個室かは後で決めましょうか。ちなみに、残りの人はリビングですね」

確かにここはソファーがあるし、座席だけど肘掛けのない椅子もある。寝られないこともないね。



「で、次に見つけたもののまとめをお願いします」

促され、ガルフォンさんがスケッチブックをめくって話し出した。

「この船内からは色々見つかってるんだよな。まずは調理器具がいくつか。と言ってもフライパンとかガスコンロはなかった」


クッカー2つ

ワンバーナー一式が2組

焼き網1枚

組み立て式の焼き網が1枚

包丁1本

果物ナイフ1本

ライター3つ

鉄串10本

トング1本

調理用スプーン1本

アルミ大皿1枚


「あとはこの…なんだろ鉄鍋かな? 2つ」

「スキレット鍋」

ガルフォンさんが持ち上げた小さな鉄製の鍋。クリスティナローラさんが即答した。


「それはスキレット鍋ですわ」

「あ、そうなんだ。まあこれで最後」

なんかバーベキュー用品ばっかりだね。あたしは料理が得意だけど、菜箸とかフライパンとかまな板がないのはきつい。あとカトラリーもないんじゃ手掴みで食べることになるんだよね…。



「で、次なんだけど衣類は木星人の制服しかなかった」

うわー。あの黒いやつか…。あたしだけじゃなくみんなの落胆の色が深くなる。

「洗剤とかもないからさっきの湖で洗って干しとくしかない」



「で、食料」


基地で見つけた携帯食料18個

基地で見つけた水1リットル

果物の缶詰20個


「え…それだけなのか?」

ライオネルさんが怒ったように聞いた。今晩はお肉でも焼いて食べたかったんだろう。かくいうあたしもそう。

「なら、今から狩に行くしかないな!」

「いや待ったライオネル。流石に暗いんで明るくなってからにしようよ」


ライオネルさんを宥め、ガルフォンさんは説明を続けた。



「他は雑貨。今僕が持ってるスケッチブック、鉛筆」


タオルケット20枚

船修理用の工具一式

ランタン3個

ソーイングセット1個

バケツ(木製だったので火災の際に4割が焼失。持ち手はかろうじて残っている)1個

雑巾 8枚


「ソーイングセットはボタンとかをつけ直すためにあるんじゃないかな」

それだけ言ってガルフォンさんは持ち物の説明を終えた。



「ああ、あと武器弾薬の数も表にしてある」

「弾とか使ったら、あたしたちがその数を書いておけばいいわけ?」

「うーんとね、僕に報告してほしいな。実際にチェックしてから僕が書くよ」

ガルフォンさんはスケッチブックを閉じてリビングを出ようとした。

「多分みんな木星人の横の個室は嫌だろ? そこは僕が入るね。で、このノートは僕が管理しとく。使いたくなったら必ず声をかけてね」


イチアールが後を続ける。

「まあお分かりの通り、当面の問題は食料なんですよね…」

「特に肉! 肉がないのは最低だ!」

ライオネルさんが叫ぶ。


「肉については狩るしかないと思うんだけど…」

戻ってきたガルフォンさんは床に座り込んでいるハールドを見た。

「ハールド、僕と来てくれる?」

「はあ…なんで…あんたも…いっしょに…」

「実際に現場を見ておきたいから」

「別にひとりで…いい…けろ…」

寝てた…のかな? ハールドの瞼はうっすらとしか開いてない。返事も適当のように聞こえる。


「ま、今日はもう遅い。みんな寝ようか」

ガルフォンさんの一言で、今日はひとまず就寝することになった。



ーー

クリスティナローラさんとエイザクさん、ガルフォンさんが個室に入りそれぞれタオルケットをかけて寝ることになった。

ライオネルさんとあたしとイチアールとハールドはリビングで雑魚寝。


解散した瞬間からハールドは完全寝落ち。あれだけ寝たのにまだ寝れるかというくらい熟睡していた。床から動かそうとしたけど起きないから、仕方なくタオルケットをかけてその場に放置。


ライオネルさんもソファーを占領してそのまま眠ってしまった。

仕方ないのであたしは座席の上で仰向けになって寝ることに。


「イチアールはどうするの?」

「割り込み大作戦〜」

彼女はライオネルさんの横に寝そべった。そしてそのまま右手に持っていたランタンのスイッチを切る。

船の中は完全に暗闇になった。



「明日から不安ですか?」

「うーん、なんか思ったよりも楽観的かも」


そう、今いるのはそんなに不自由な環境ではない。寝る場所はこうしてあるし、調理器具にしても多分大丈夫。フライパンがないのは正直痛いけどクッカーとかスキレットで代用できそうだし。まな板は…鍋類の底でなんとかなるか? 包丁もある、バーナーもある、トングもあるとなればまあ困らないんじゃない?


「ハールドは狩得意だしあたしも鳥くらいなら撃てるし。本気で大丈夫かも」

「あはは、頼もしいですね」

「というか、この船にこんなにいっぱい道具が積んであるのが不思議なくらい」

なんで宇宙船にバーベキューの道具を乗せるんだろうね。


「特に鉄串とか謎。普通は室内でバーベキューとか無理じゃない? 七輪でもない限りさ」

「あーそれね」

イチアールは耳を引っ張りながら声を顰めた。

「さっき操縦席で調べたんですけど、実はこの船2つに分離するっぽいんですよ」

「はっ?」


「分離って言っても完全に分かれてしまうんじゃなく、個室4つ分だけ枝分かれするみたいで」

「え? それ意味ある?」

「このリビングは視界が開けた状態になります。換気が十分できますのでバーベキューしやすいんです」



イチアール曰く、彼女自身は分離しているところを実際に見たことないらしい。ただ、彼女の同僚は目撃してしまったのだという。

「木星人が地上攻撃をしているときに、ふと空を見上げたらそこにこういう感じの大型の宇宙船があったとか」

「うんうん」

「その船は特に攻撃するでもなく空を飛び続けているだけでした。分離した状態でね」

「うんうん」


その同僚が訝しげに見ていると、しばらくしてからその船から何かが落下したのだという。

「特に爆発するわけでもなかったので恐る恐る近寄ると、そこにはなんと焦げたローストビーフが!」

「うーわ」

攻撃を見ながら焼肉パーティーをしてたのか。なんて気色悪い。


「その同僚…私らの副隊長ですけどね、激怒してましたよ。『不謹慎甚だしい。あの船を見つけ次第壊してやる』って」

「おお…」

「まあ多分、船の持ち主は料理人だったんじゃないかなと思うんですけど」

そろそろ眠くなってきたのか、イチアールは大きく欠伸をした。



「やむを得ないとはいえ、私がそういう船の持ち物で生活したって知ったら彼はきっといい顔しないだろうな」

なんせうちの副隊長は潔癖だから、と言ったイチアール。彼女は悪びれることなく悪戯っぽい笑みを浮かべていた。


「戦場で焼肉パーティーする奴は私だって嫌悪しますよ。でも、そういう馬鹿がいてくれたから私たちは明日から生活できる。これに関しては本当にツイてます」

みんなで一緒に生きて帰れます。そう言ってイチアールは目を閉じてしまった。



そう、この時のあたしも自分のことを本当にラッキーだと思っていた。

でも、その認識は甘かったことを後で思い知る。

次回、北大陸での生活が始まる!

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