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六人の異邦人  作者: 椎名れう
異邦人の戦い〜フェアーナ国編〜
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ギリギリですが、メリークリスマス!

三日前、フェアーナ国某市に木星人の襲撃があった。始まりは真夜中。その後一時間もしないうちに木星人は引き上げたが、そのあとの街の被害は甚大。

人口1905人のうち、死亡者61人・怪我を負った者568人。これはあくまで今現在特定できている数であり、これから調査を進めるにあたってその数値が増加する可能性は高い。



今回の襲撃は、今までとは比べ物にならないほど悲惨な結果を残した。それはこの街の死亡者数を見ても分かることだが、それよりもっと深刻な事実が判明した。

この襲撃後、護衛がついていたにもかかわらず、国賓でありグリーン星への救援の役目を担った異邦人四名が行方不明になったのだ。今日まで捜索を続けているが、未だに見つけられていない。彼らは木星人に拐われた可能性がある。このことが判明した日、10カ国の国民、さらには各国の上層部たちは並々ならぬ打撃を与えられた。



彼らがいなくなれば、銀河連盟へ支援を請求することができない。それだけでも大変なことだが、何より四名の所属する星に顔が立たなくなる。グリーン星のトラヴァーレ国で即、ホシミッツの会議が開かれ、重要人物の会議で対策が協議された。



今のところ、木星人によって誘拐が行われたという確かな証拠はない。しかし、それならなぜ彼らは姿を現さないのか。これから銀河連盟へどうやって支援を頼めばいい。いや、どうしようもない。そもそもその“支援”がかなりいい加減なものではないのか。…

各国の重要人物によって開かれたホシミッツの会議は、とにかくその議論の繰り返しでまるで進展することはなかった。

唯一出たまともな意見は、とりあえずは今頼んである分の支援が銀河連盟から届くのを待とうというものであった。



星民はこれからどうなることかとささやきあった。木星人からの攻撃を受けた国もそうでない国も、三人集まればその話が始まるのが日常。新聞のコラムの欄では、木星人に悩まされ諸星との外交問題が起きようとしているグリーン星の現状を嘆く投書がメイン張る。挙げ句の果てには、フェアーナ国軍本隊に非難の手紙が殺到するという有様である。



だが…それほどまでに四人の異邦人の失踪に動揺した星民の関心は、同日同時刻に起こったにも関わらず、二人の異邦人と一人の兵士のもう一つの失踪に向けられることはほとんどなかったのである。



◇◇

「隊長…」

「ん? また本隊訓練所(ここ)への文句の手紙か。そこに置いておけ」

「あ、はい…」

「これにいちいち返事を返す必要はないが目は通さなければならん。で今日は四通か。まあ昨日よりは少ないな」

「…」

「下がっていいぞ」

「…」

「どうした。何か言いたいことでもあるのか」

「隊長…」

「何だ」

「お四方は居なくなってしまったんですね…」

「…」

「木星人に拐われたんでしょうか…」

「予備隊のゲンネーもそのことを心配していたな。それにあいつのところでも一名行方不明者が出たらしい。…まあ可能性としてはあり得るが…」

「僕も心配です、ものすごく」

「…あの五人に入れ込んでいるのか」

「はい。特にあの新参の二人に」

「…」

「それなりにいい子たちだったんです。なのに、フェアーナではほとんど心配されていないなんて…」

「…」



少し間をおいて本隊隊長は、若き名もない兵士の震える肩に無言で手を当てた。

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