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死霊魔術師の何が悪い?  作者: 礼賛
4/26

初めての魔術行使

 短めです。

 説明回が長くなっていますが、今後は戦闘に力を入れていく予定です。


 あと、ちょっと表現がマイルドにしましたが、苦手な方やもっと入れろという方がいれば感想などで教えて下さい。今後の書き方の参考にします。


 

 目の前には脳天を貫通されて息絶えた灰色狼グレイウルフが一匹。

 大きな傷も付けていないので、初めての素材にするには充分だろう。

 その前に新しく得た死者鑑定で灰色狼グレイウルフを鑑定してみることにした。召喚・骸骨(リコールスケルトン)の効果によって生前の能力とどの程度の差が生まれるかはきちんと把握しておくべきだろう。そこで死骸に向かって死者鑑定の魔術を使うと、自分のステータスを見る時の様に、頭の中に灰色狼グレイウルフのステータスが浮かび上がった。


 名前:灰色狼グレイウルフ 

 能力:Lv1

  HP:0/40

  MP:10

  体力:25

  筋力:22

  器用:8

  知識:0

  魔力:5

  敏捷:24

  

 スキル

  遠吠え・超嗅覚

  

 HPは同じだが、どうやら冒険者たちの言う通りで、頭などの重要器官を潰されれば即死は間違いないようだ。もしそれを狙わずに斬りつけるだけの戦いだったら、苦戦どころか負けていたかもしれない。また恐らくスキルの遠吠えは群れとの連携用、超嗅覚は追跡用のスキルと考えれば良いだろう。

 そしに20歳の男性で、各数値の平均が40だとすると灰色狼グレイウルフは確かに雑魚の分類に入るだろうが、今の自分にとっては強敵だということを確認できただけでも良かった。

 都合の良いことにこの街道沿いでは一番強い存在が灰色狼グレイウルフで、他には昆虫系のモンスターや、野生動物がいるくらいだった。


 幸運で倒せたとは言え、貴重な素材であることには変わりないので、術を掛けるのにも細心の注意が必要だろう。念の為に辺りを軽く歩き回って偵察し、他のモンスターや野生動物、冒険者がいないかを確認した。


 戻ると灰色狼グレイウルフの周りには赤い池が出来上がっており、これ以上放置しておけば他の野生動物やモンスターをおびき寄せる餌になるかもしれない。

 そう考えて今も感じている術の成否の不安や恐怖を呑み込むと、灰色狼グレイウルフの死骸の前に立つと、ゆっくりと魔力を集中させた。


 魔術を成功させるには強いイメージが必要となる。火や水などの目に見える物を想像するのはそれほど難しくないだろう。だが「死霊」属性の魔術の想像は中々に難しい。だがそれでもやらなければ道は切り開くことは不可能だろう。

 だからこそゆっくりとだが確実に頭の中でイメージを描いた。

 骨と言えば白だろう。白い骨が互いにくっついて自在に動き回る。歩くことも走ることもできるし、ジャンプや攻撃すら可能だろう。

 時に襲って来た灰色狼グレイウルフのイメージもその動きの中で再現すると、何かが嵌った様な感触が得られた。


 いつの間にか瞑っていた目を開けて、目の前の灰色狼グレイウルフの死骸にしっかりと焦点を合わせてから呟くように言った。

 「蘇れ、召喚・骸骨(リコールスケルトン)


 その言葉が告げられてすぐに変化が起きた。既に死んでいる筈の灰色狼グレイウルフの死骸が、下半身からゆっくりと盛り上がり、上半身へと動いていく。盛り上がった部分が動いた後の下半身は、ぐにゃっと力なく垂れ、その体を支えていた重要な何かが抜けてしまっているのが分かった。

 やがて動きは灰色狼グレイウルフの口まで達し、その口が限界を無視した程大きく開かれると、その口の中から白い塊が徐々に姿を現し始めた。


 (蝉の羽化ってこんな感じなのかなぁ~…)

 その光景に若干現実逃避気味にそう考えるが、そんな馬鹿な考えをしている間にも白い塊が出るのは止まらなかった。


 1分ほどのその動きが続いたが、その結果目の前には灰色狼グレイウルフの骨格標本とも言えそうな立派な(?)骸骨スケルトンが立っていた。その骸骨スケルトンはこちらを見ると(目が無いのに…。)、ゆっくりと近づいて来て、目の前で座った。


 その従順さに安堵して、ステータスの確認を行った。


 名前:灰色狼グレイウルフ骸骨スケルトン

 能力:Lv1

  HP:20/20

  MP:0/0

  体力:13

  筋力:11

  器用:4

  知識:0

  魔力:2

  敏捷:12


 スキル

  無し



 …はっ?

 生前に比べてかなり能力が落ちた結果に愕然としながら、頭の中のステータスに再度目を通すが、数値に勿論変動は無かった。

 (な、何で?)

 その声を聞きつけた様に、今まで黙っていたタグに憑依した魂が話し掛けて来た。

 (それは恐らく仕様でしょう)

 「どういう意味だ?」

 その言葉に本来口に出さなくても良い筈の言葉を口にしているのだから、自分でもかなり動揺しているななどとも思うが、今はステータスが低い理由を調べることが大事だ。

 (「死霊」属性で骸骨スケルトンにしても、完全に生前の能力を戻せないのでしょう。肉もありませんしね…)

 (それを補うスキルはあるか?)

 (今は無いですが、あるかもしれませんね。もしくは死者鑑定や召喚・魂(リコールスピリット)の様に気付いていないか…)


 気づいていないというよりも、今まで魔術を使ってこなかったからこそ分からないだけでは無いか。そう考えるとすっきりする。念の為に自分の中でイメージを固めてみる。

 自分の召喚した骸骨スケルトンが強化され、更に生前に近付く様に動かす。


 《死霊スキルLv3の召喚強化スキルブーストを獲得しました》


 どうやら知らなかったからこそ、身に着いてない能力スキルがまだありそうだ…。

ロスト獲得スキル

「死霊」魔術Lv3

    召喚・骸骨(リコールスケルトン)Ⅱ・攻撃陣オフェンシブマーチⅠ・防御陣ディフェンシブマーチⅠ・偵察Ⅰ・召喚・魂(リコールスピリット)Ⅰ・死者鑑定・召喚強化スキルブーストⅠnew


  「剣術」Lv1




 すぐにチートはさせません。将来的にありかも…だけど。

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