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死霊魔術師の何が悪い?  作者: 礼賛
11/26

逃がすか!

短めです


と、言いますか、区切りよくすると短めになってしまう…

できるだけ投稿頻度を増やす予定ですので、ご容赦を…

 その突然の奇襲により、一気に2体のゴブリンが瞬く間に葬ることに成功したが、残ったゴブリンは2体目が倒されたことで我に返ったのか、ギィッーという金属を擦り合わせた様な声で大きく鳴くと、それぞれ別方向に向かって逃げ出した。

 1体は森の中に隠れるようにして入り、もう1体は先程まで灰色狼グレイウルフ骸骨スケルトンの居た場所、つまり木の方を通って逃げようとしていた。


(森に逃げた方を追い掛けろ!もう1体はこっちで始末する。始末を終えたらこちらにすぐに合流しろ!)

『承知!!』

 指示を飛ばすと、灰色狼グレイウルフ骸骨スケルトンは森の中に隠れる様にして入って行ったゴブリンの後を追う様に森に駆け込んだ。


 残される形となったが、目の前からゴブリンが木に向かって走り寄って来ているのが見えた。逃げ難いがすぐに襲える距離でも無いことを確認すると、腰から吊っていた剣を抜くと木から一気に飛び降りた。

 ドンッという音と共に足に鋭い痛みが走ったが、それを無視して片手で剣を構えた。ゴブリンは再びの敵の奇襲に驚いた様だったが、生き残ることに必死なのか持っていた棍棒(?)を振りかぶった。


 直径5cmほどの楕円型に無作為に削って作られたらしい棍棒もどきを横殴りするように振ってくる。バックステップでかわすと、お返しに剣を突き出すがゴブリンも点の攻撃なら避け易いのかあっさり避けた。

(ちっ、ゴブリン避けられるとは…)

 その結果に新米冒険者とはいえ若干プライドが傷つけられたが、考えてみれば戦いの経験値の差が出たのだろう。

 何せ相手はつい先程まで3種族が入り混じった乱戦の場で生き残っている。進化バージョンアップこそしていないが、その経験は大きいのだろう。

(ゴブリンも進化(バージョンアップ)による強化以外にも強くなるのだから、灰色狼グレイウルフ骸骨スケルトンも強くなる要素がまだありそうだな…)


 そんな風に考えていると再びゴブリンが棍棒で襲い掛かってきた。脳天を割ってやるとでも言う様な見事な上段からの攻撃に、横から剣を振って弾いた。

 キィンと涼やかな金属音が響き、棍棒の軌跡が横に反らすことに成功したが、想像以上の力が篭っていたこと、そして無理な体勢から剣を振って守ったこともあり、手に痺れが走り握る力が弱くなるが、もう一方の手を添えて無理やりにゴブリンに向かって突き出した。


 今度はゴブリンも棍棒を剣で弾かれ体勢がかなり崩れていたのか、狙いを外すこと無くゴブリンの喉に突き刺さった。

 ギィーという先程と同じ金切り声が上がるが、先程よりも声は小さく力が無かった。その声に合わせる様にゴボゴボという音が穴の開いた喉から聞こえ、大量の血液が溢れ出して来る。その光景にある中堅冒険者からの忠告を思い出すと、剣を引き抜いてから軽く振るって大量の血を払い落とした。


「いいか?敵に致命傷を与えても油断するな。別の奴が襲って来るかもしれないし、傷を負った奴が最後の力を振り絞って暴れることもある。特にゴブリンが相手だとその両方が十分考えられる。よく新米冒険はが落ちる罠だから、お前さんが冒険者になった時は気を付けろよ?」


 忠告通り辺りを見回して他に誰もいないことを確認すると、その場に倒れたゴブリンに恐る恐る近付いた。ゴブリンはうつ伏せに倒れた状態でも、腕を使ってその場から逃げようとしていた。その動きを見てから剣を大きく振りかぶると、ゴブリンの頭に向かって剣を振り下ろした。


 頭蓋骨が剣を振り下ろした際の衝撃をかなり吸収したのか、頭の半ばまで刃が届く程度だった。このダメ押しの攻撃でゴブリンは動かなくなった。

 先日倒した灰色狼グレイウルフを倒した時もそうだったが、「死霊」という属性を持っている割には相手を殺すことが嫌なのか、嫌悪感が沸いてくるが今後も迷うわけにいかないので、命のやり取りには慣れる必要がありそうだった。


《レベルアップしました

 能力Lvが1から2に上がりました

  HP:42up

  MP:68up

  体力:21

  筋力:14up

  器用:18up

  知識:25

  魔力:32

  敏捷:18up 》


 おお? 初めて能力レベルが上がったが、やはりそう簡単には成長しないか…

 ただ聞いた話では成長に伴い、レベルの変化が無くても伸びることもあるらしいので、今後に期待か。


『主よ。今戻りました。』

 レベルアップした感動に若干浸っていると、どうやら逃げたゴブリンを仕留めたらしい灰色狼グレイウルフ骸骨スケルトンが戻って来た。

「お帰り。素晴らしい活躍だな。」

『お褒め頂光栄です。ですが、主。ここに長くいるのか危険かもしれません。』

「どうしてだ?」

『先程のゴブリンどもの声は仲間に助けを呼ぶ悲鳴です。今はまだ近付いてきている敵はいませんが、そう遠くない時間に追撃隊が戻ってくるかもしれません。』

「分かった。すぐに準備に掛かる。」


 そう言うと既に目を着けておいた比較的破損の少ないゴブリンの遺骸の前に向かった。


 さぁ、新しい僕を作ろうか!

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