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10040日目
正直まだ気分は沈んだままであったが、あの子がまた泣いていないかがどうにも気になり、久方ぶりにおっかなびっくり水晶玉を覗いてみた。
例の島は既に脱出していたらしい。
背景が変わり、仰々しく飾り立てられた兄の像が乱立する聖域に、あの子らは居た。
周りにいる若干水分が足りていない感のある人間達は、身につけている希少金属(純度99%以上)の量から見るに、それなりの身分に在る者達のようだった。
以前あの子らを屋敷に入れることすら拒否した連中に比べたら、実に話の解る連中だ。
因みに、あの子の様子は以前と変わりないものであった。
それ自体は実に喜ばしい事であるのだが、ここ数日の己の心情を鑑みると、ちょっとだけ釈然としなかった。




