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剣の墓標、春の城  作者: 銀野
無印
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10038日目


私が落ち込んでいることを察してくれたのか、特大サイズの蝿の配下と、やはり特大サイズの人面蜘蛛の配下が差し入れを持って来てくれた。

留守にして心配を掛けていたのはこちらの方であろうに、非常に心苦しい。


しかしおかげで少し気は軽くなったので、改めて昨日あった事、私が此処に帰って来るまでの経緯を記したいと思う。


まず、私が此処に帰って来ざるを得なかった理由だ。


端的に言うと、あの子に強く「帰れ」と泣きながら言い捨てられた。

………。

書いていてまた落ち込んで来た。

思い出しただけでも必要以上に憂鬱になり、あの子の意図を正確には把握しえないと思われたので、取り敢えずあの子の言った台詞をそのまま記しておく。


「貴方は、もうお帰り下さい。

ここから先は危険過ぎる。

僕たちは皆それぞれ、自分の意志で此処に到った。

でも貴方は違う。

貴方は巻き込まれただけだ。

来るべきじゃないんだ。

(このあたりであの子が泣き出してしまった)

貴方の家族は無事なんだから!

……………。

…すみません。

……お兄さんと、仲良く暮らして下さいね」



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