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剣の墓標、春の城  作者: 銀野
無印
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10022日目


今にも兄が部屋の扉を開け、満面の笑顔で喧嘩を吹っ掛けにくるのではないかと危惧していた一日であったが、別に音沙汰はなかった。


ちょっと拍子抜けである。



―――――――――――――――――――――――


【魔王付きメイド、カーミラの手記】


今日は魔王様のお洋服に、へんな汚れがあるのを見つけました。

見た目はとってもきらきらとしていてきれいなのですが、見ると胸がむかむかしてくるのでわたしにとってはあれは汚れでした。

しつこい汚れでした。

ずいぶん長い間ごしごし洗っていると、魔王様が来てちょっと困った顔をして飴をくださいました。

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