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剣の墓標、春の城  作者: 銀野
無印
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10021日目

万一誰かに見られるとまずいのでいつも以上にこそこそとこの日記をつけている。

今後は机の引き出しを、正しい開け方をしないと燃え上がる仕掛けのある二重底にするかなにかして、保管にも気をつけねばならないだろう。

…そうまでしてなぜそんな内容を書かなければならないのかと言う者がいるかもしれない。

しかし私にとっては建前だらけの日記をつけるほうが余程許しがたい事なのだ。

というか、激しく虚しい。

なので書く。


先日の疑問を解消すべく、今日は地上に行って来た。

しかもだ、この疑問を解消するためには、必然的にあの子と言葉を交わす必要がある。

よって私は、いつも以上に念入りに人間に化けて私は地上に赴いた。

あの子はというと、今日も昨日のと同じメンバーで廃墟を捜索するらしかった。

水晶玉では気が付かなかったが、あの子の顔付きが以前と比べて幾分大人びていた事が印象的であった。

まあ、私の個人的な感想は置いておくことにして、問題はいかにして話し掛けたかどうかである。


結果からまず記してしまうと、話し掛けられなかった。


私がいかにしてあの子に話し掛けるか逡巡しているその間に、“天使”が彼等に襲い掛かって来た為である。

……“天使”だ。

当たり前だが私の配下ではない。

そもそも兄の配下、人間相手では崇拝される対象であり、積極的に襲い掛かかる立場ではない筈の者である。

階級は恐らく、上から二番目の智天使ケルビム

…あれを人間が相手するのは辛かろうな、と。

そんな事を思っているそれだけの間に、案の定あの子等は皆昏倒させられてしまっていた。

しかも、相手の天使があろうことにトドメすら刺そうとしていたので、私は慌てて前に出た。

何とかわけを話して貰えないかと会話を試みたが、問答無用で襲い掛かられたのでやむを得ずちょっと叩いた。

それだけで天使は霧散してしまった。

あ、まずいと慌てて帰って来て今に至る。


……私の配下と兄の配下は、何かにつけて喧嘩をしたがる。

格好の口実となってしまいそうなので、あれを殺ったのが私である事が天使達にばれない事を今は願うばかりである。


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