20/147
10019日目
噂をすれば影か、今日は兄がまた私の住まいまでやってきた。
来ないときは平気で100年は来ないくせに、最近のこの頻度はなんなのだろう。
ちなみに用件は、
「最近私のシマを荒らす奴がいるらしいんだが心辺りがないか」
との事だった。
私の配下達は兄の領域、すなわち聖域が嫌いだし、他の心当たりもなかったのでその旨を伝えると、兄はにやにやと笑い、「やっぱりな」と呟いて上機嫌で帰って行った。
ろくでもない事を思い付いた時の顔だった。
蛇足だが、人間観察の調子はどうだとの問いには、「八割がた飽きた」との返答だった。
あの子は移動日だった。
隣の大陸への定期船の上で、連れの娘にねだられて船の先で微妙な顔をしてポーズをとっていた。




