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剣の墓標、春の城  作者: 銀野
無印
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10017日目


一昼夜明けて、あの子が無事に街に帰って来た。

なかなか感慨深いものである。

街の人間と暫く言葉を交わすと、あの子は薄く笑んで踵を返した。

笑っている顔を初めて見た。

あとよくわからん娘がついて来た。




―――――――――――――――――――――――


【魔王付きメイド、カーミラの手記】


今日の魔王様は、ちょっといつもと違っていました。

このところは、水晶玉を覗いた後はとっても優しい顔をしていらっしゃるのが常だったのに、今日はどこか落ち着かないご様子でした。

わたし以下、召使い皆、とても心配しています。

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