20
その日は朝から雨だった。
何時ものように学園に行って、帰る最中だった。
また、アクマに襲われそうになった。
何時ものように白夜が守ってくれて、その時にーーー
ガリッ
「あぅっ」
突然の一撃、それは白夜をすり抜けてこちらの方へ。
咄嗟に動けなかった私
衝撃はあったものの、傷付くにはいたらない、ハズだった。
「っつ」
「…え」
いきなり後方へ飛びさすった彼女。
見ればーーーーーー
今まで負ったことのない傷がその身に刻まれていた。
しかも
あの場所はさっき自分が負うはずだったヶ所だ。
「…うそ…なんで」
「…………」
「………」
なんで、貴女が、
アクマを追うその背に問いかけるが、
言葉が喉に張り付いてうまく声にならない。
______怪我故か、珍しくアクマを取り逃がした彼女と対峙する。
白夜、掠れた声しか出てこない。
「………」
彼女は私を一瞥して、アクマを追う仕草をとった、が
「待って!!」
「………」
引き止めてしまった。
どうしても聞きたい事があったから。
「その怪我、どうしたの」
「………」
「…いつ付いたの」
「………」
「…白夜!」
「五月蝿い」
ビクッ
「え」
それから彼女は吐き捨てるように、
「あなたのものよ」
そう言って、ギンと睨みつけられた。
「この傷はあなたのものよ。」
「なんで、」
一つの予感。
確信に変わった瞬間。
「なんで?本当に貴女何も知らないのね。」
頭の中がぐちゃぐちゃに掻き回されるような感覚。
思考がまとまらない。喉が乾く。
心の中で何かが渦を巻いている。
刀を手に彼女が近いてくる。
そして、刃を私に向けてーーー
ツプッ
胸に突き刺さる白刃。
痛みはない。代わりに
「ーーー」
目の前の彼女の胸が鮮花に染まる。
「生まれついたときから既に決まっていたのよ。貴女だって不思議に思っていたでしょ?」
「ーーーつ」
「これが答えよ。いにしえに本家と分家が紡いだ契約。呪われた血。本家の契約者がその身に受けた傷や呪いは分家の契約者へと移行する。」
「…そ……そんな」
「真実よ。」
「そ、私何もーーー」
無言で彼女は刀を下ろして、
「ただ貴女が知らなかっただけ。」
「ーーーっ!!」
彼女は踵をかえした。
「本家のお人形。何も知らないままでいればいい。」
そういって彼女は立ち去った。




