19
放課後、帰り支度を済ませていると
「草薙さんと何かあったの?」
ドキリ
たまに彼女は驚く程感が鋭い。
「な、なんで白夜が出てくるのよ」
「ひどい顔してる。何かあったんでしょ。」
やっぱり彼女には隠し事は出来ない。
実は、と 重い口を開いた。
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「と言う訳なの」
語り尽くした時にはクラスに人は残っていなかった。
「ーーー」
美雨の反応を伺う。
怖がらせてしまっただろうか。
なるほどね、美雨は一つため息を吐いた。
そして、
ピン
「あ痛」
オデコを叩かれた。
「こんな事独りで悩んでないで、先に相談なさい。」
「…怖くないの?」
「何が」
「アクマに追われてるって、普通なら驚くもの」
ピン
「あ痛!」
もう一度叩かれた。
何するの、そう問えば、
「親友でしょ私達。そんな事だけじゃ切れないものじゃない?私達の仲は。」
「美雨」
「それに貴女って、自分が思っているよりトラブルメーカーなのよ。そんな貴女と
付き合えるなんて、私位のものよ。」
「…何よそれ」
嬉しかった。単純に。
ただそれだけだった。
「美雨、」
「何よ」
ありがとう、
そう伝えるだけで十分だった。
ありがとう、か
(それは私の言葉よ)
美雨は静かに目を伏せた。
美雨の家は代々退魔師の家庭だった。
しかしそれは元々、犬神を使う様式の退魔法だった。
犬神付き、それは一族諸共、古代より忌まわしいものとして蔑まれて来たもの。
代々親から子へと受け継がれるもの故、犬神付きは犬神付きでしか存在出来ない。
とこしえにつづく闇の呪縛。
それは、いにしえに禁呪をつかった祖先に迄遡る。
「………」
そんな家系に産まれた少女。時代はうつろうとも、取り巻く環境は変わろうとも、人間はそうは変われない。
彼女が入学した時も、口さがない大人達は彼女を揶揄した。
そんな中
初めに話しかけてきたのが彼女だ。
以来ずっと一緒にいる。
親友、
大切な存在になっていた
彼女のおかげで、この力を行使できる。
例え忌まわしいものとして揶揄され様とも、
私は戦える。
彼女と一緒ならば。




