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「もう、何なのよコイツ!
しつこすぎ!」
恵里香は苦しげに言って走りながら背後の敵を睨みつけた。
「恵里香文句いって言ってないで足を動かしなさい!」
美雨の声に耳がキィンとなった。
「だって~ あぁもう、目標ポイントどこよ~」
二人並んで走りながら悲鳴を上げる
後ろから追いかけてくる低級魔がほんの目と鼻の先まで迫っていた知らず口が数を数える
「5.4.3」
「2」
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「御!」
グォオ!
あらかじめ決めておいたポイントを抜けると、すかさず聞こえた声、
ついで
「よっと!」
「―つっ!」
二つの掛け声と共にザシュと言う小気味よい音。
二つの刃を受けたアクマはすぐさま霧散して消えた。
尤も、これは―――