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雪の華  作者: 雨瑠
14/21

13

ーーーーーーーーーーーーーーーー


「お戻りでーーーーお嬢」

「ーーーただいま将騎、あの二人は?」


青年は微かに苦い顔をしたが、直ぐに

「はい、虎徹様は自室に、不知火様はまだーーー」

そう、彼女はそう言って玄関から上がる。

「先にお風呂を頂くわ。それと、これ」

カサッ


薄汚れた紙屑が

差し出される。

「お嬢、これはーーー?」

「調べて欲しいの。出来る限りでいいわ。」

「分かりました、でも先ずは傷の手当てをーーー」

要らない、そう口にするより早く

「姉上、戻られたのですか」

「虎徹、」

ぱたぱた、足音とともに現れたのは、弟の虎徹だ。

精悍な顔が彼女の傷を見て微かに歪んだ。


「傷の手当てを致しましょう。早くこちらへ」

頑固な弟だ。

彼を摺り抜けるなど至難の技だろう。


ため息をついて、生真面目な彼の背を追った。



ーーーーー

「大袈裟ね、傷はそんなに深く無いのだけれど」

「大袈裟にしたくないのでしたら。始めから傷を隠さないで下さい。」

直ぐにハッとなり、

「す、すみません…」

「いいのよ、心配してくれてありがとう、虎徹。」

年相応の笑み

彼女のこんな表情を見れる人数は限られている。


「姉上…」

「私は平気よ。貴方は気にしなくてもいいの。」

「姉上、ですが」

「虎徹。」


遮る言葉。

それ以上に言葉が紡げなかった。


「手当てをしてくれてありがとう。

つかれているでしょう。早く部屋に戻りなさい。」


「ーーはい、分かりました。」


彼が退出したあと、彼女は

一つ息を吐いた。


弟には心配をかけたくない。

これは、ーーーー私の問題だ。





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