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雪の華  作者: 雨瑠
11/21

10

ごぉ!!


アクマが咆哮する。

耳鳴りで頭がどうにかなってしまいそうだった。

「うっ」


「このままじゃあ埒があかねぇ、」

「刹那一旦引こう!私たちが適うレベルじゃいわ!」

「っくそ」

美雨はそう言って、一枚の呪札を取り出した。

「破」

掛け声とともに呪札が光り、アクマの目を眩ませた。

「今のうちにーーー」

ガッ

「きゃあ?!」

無茶苦茶に振るわれた手が美雨の体を吹き飛ばす。

「美雨!」

あわてて駆け寄るが、早くも視界を取りもどしたアクマがこちらに迫ってくる。


「………っ!」

美雨、声をかけたが反応がない。

刹那達が慌てて駆け寄ってくる。

しかし、間に合わない。

もうダメだと目を閉じた瞬間、

「――」

ザクッ!


グオオォ


銀の光がアクマを一閃する。

シュウウ…

(ミツケタ)


霧散したアクマ。

後に残ったのは


「白夜……?」


刀を手に

立つ彼女の姿 。



どうしてあなたが、

そんな簡単な問いしか口にする事ができなかった。

対して彼女は問いに答える様子はなく、刀を鞘に収めて、

何時もみたいに冷ややかにこちらを見て、


「弱い。」

「え、」

吐き捨てるように言って背を向けた。

そしてそのまま歩き出した彼女、

「ま、待ってよ白夜」

その背中に追いすがる。

どうしてあなたがここにいるのかとか、

あのアクマは何だったのかとか、聞きたいことは山程あった。

しかし彼女は一度も振り返る事も無く、その場を後にした。

しばらくは呆然とその背中を見ていたが,

「う」

「美雨!」

慌てて駆け寄る。幸い擦り傷程度で済んだようだ。

刹那達も無事なようだ。

それを見てホッと息をつく。

そしてもう一度彼女の去った方向を見詰める。

「………」

予感がした。

何か、大きな事が始まりそうな予感が

ーーーーーーーーーーーーーー



ギリッ

強くり締めた拳は、赤い雫を地に散らせた。


どうして

「どうしてあんなやつに、」

ぼそり、呟いた言葉は誰に届く事も無く風に消えた





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