↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
PR

ポンコツの詩

作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
掲載日:2026/08/27

拝啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

まずは詩の一節を添え、ご挨拶とさせていただきます。

白く乾いた鳥かごの底で

誰も知らない歌が鳴っている

声はなく、息も吐かず

ただ風の通り道として震えて

かつて翼を支えていた胸骨が

名もない空の重さを記憶しているように

削げ落ちた肉の向こう側で

静かな輪郭を空に刻んでいる

満ちるための音はいらない

からっぽの管を抜けていく風が

世界にただひとつの響きを残す

空を骨にして

言葉はふたたび透き通っていく

閉じ込められていた檻のなかで

あたたかな影をふりほどき

ただ透明な風となって

わたしは静かに飛んでいく

作品解説と後書き

本詩は、生命が去った後に残された「骨」と「風」を通じて、言葉や存在が極限まで削ぎ落とされた瞬間の美を描いた作品です。

鳥かごという不在の檻:かつて主が存在した場所(鳥かご)は、今や「白く乾いた」空白の象徴です。そこに残された胸骨は、飛翔の記憶を抱えたまま、ただ風を通す楽器へと変化しています。

空を骨にする:肉体という重荷(言葉の装飾や感情の過剰)が削げ落ちたことで、かえって「からっぽの管」を通る風の音が際立ちます。失うことでしか到達できない、純粋で透き通った存在のあり方を表現しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。