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どれぐらいの時間がたっただろうか。
一時間、三十分、十分。否、時間にすれば一分にも満たないであろうその時は。
しかし現実を認識するのには、十分すぎるほどだった。
腕がない、文字に起こしてみればただそれだけのことだ。
だが生物として考えて、急に自分の腕がなくなったら。
あなたはどうするだろう。
そう。
「カヒュッ、、。」
危険信号を出した脳の作用で、即座に気絶するだろう。
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およそ2分後、強制シャットダウンから目を覚ました彼の腕は。
「あれ、、、気のせいだったか、、、?」
何の異変もなかったかのようにそこにあった。
「おかしいな、床にこぼれたはずの水もないし、、。」
確かに、床にこぼれたはずの水もそのほとんどがなくなっていた。
だがそれもそのはず、こぼれたはずの水は。
そのほとんどが彼の腕と同一のものであったからだ。
だがそんなことはつゆ知らず、彼はいつも通りの生活をはじめようとした。
「なんか、、変だな。」
謎の違和感、だが確かに何かがおかしい。
「こんなコップ家にあったか?」
よく思い出せない、だけどコップだけじゃない。
「ドアも床も、テレビやスマホに至るまで。なんでこんなに違和感があるんだろう。」
とてつもなく気持ち悪い、間違いなく今までいた家のはずなのに。
「とりあえず学校行かなきゃ。」
学校、どうやって行くんだっけ?
たとえ違和感を抱えようと、それが解明されることはなかった。




